VOL26「総合区ってなぁに?」

総合区ってなぁに?

前大阪市会議員 小林みちひろ

無題

横ならびの行政サービス

今日は久しぶりに総合区についてお話したいと思います。ある程度のイメージはあると思いますが、去年の住民投票で都構想が否決されたのを機に、総合区が具体的に議論されるようになりました。
ポイントは合区の問題です。区長がどのように総合区を運営するのか。住民がどのように関わっていくのか。私たちの住んでいる地域を議会・議員まかせでなく、自分たちで運営していくのか。また、西成区で開催される住民説明会についても考えたいと思います。
大阪市には24の行政区があります。西成の人口は11万8千人。一番多い行政区は平野区で19万6千人。少ないのは大正区や此花区で6万6千人程度です。現状では西成区と他区の行政サービスは同じです。問題になるのは、たとえば老人センターの場合です。現在、老人センターが花園町にありますね。かつては北津守にもあり、西成区には2つありました。それが「同区になぜ2つあるのか」と問題になり、結局1つになりました。これが横並びの行政です。ところが、西成区は65歳以上の方が35%を占めています。このように高齢者が多い街ではそれなりの行政や施策をするべきです。
その最たる問題が中学校給食、すべての子供が同じものを食べるというのが大阪の行政でした。私が市議のときは「食育が大事」という話をしていました。そもそも35年前には大阪市全体に広げるという話があ ったのですが、予算がなかったのでとりあえず同和地区から始めることになりました。しかし今では「予算がないのでできない」ということになっています。                                       でも今のままでも24区全てで実現できるのです。給食センターをもつ中学校が近隣の中学校の分もまとめて給食を賄えばどうでしょう。同推校の給食の厨房を使えばできるはずです。しかし、結論は24区すべてが同じ給食でないといけないということになりました。

都構想の「ニア・イズ・ベター」

都構想がなにを目指していたのか振り返りましょう。都構想の住民投票の際、橋下さんは「ニア・イズ・ベター(near is better)」と言っていました。行政体制の効率的な整備、二重行政の解消を謳い、WTCを具体例にしていました。たしかに市と府で高さを競い合うというムダの極致にできあがった建物です。その他、大学や体育館も2つあるのはムダ、住吉市民病院も俎上に載せられました。近くに医療センターがあるので、総合医療センターに集約し廃止する、となりました。一方、「2つあってもいいじゃないか」という意見が反対派です。とにかく府市の機関を整理統合して効率化し、より住民に近い行政機関を設置しようというのが、都構想の目論見だったようです。
そのような目的をもつ大阪都構想では、現在の24区を5つの特別区にするという案がありましたね。その案では西成区・中央区・阿倍野区・天王寺区・西区が合区される、となっていました。この特別区への合区に賛成しているのは、北部の淀川区や東淀川区です。このことから賛成派には市税収入の多い区が多く、反対派にはそれが低い区が多かった、ということがわかります。

       都構想は否決された。

無題1-2

住民ベースの行政と市民参画

先の住民投票で都構想は否決されたので、総合区/特別区の議論は一段落したかと思われましたが、地方自治法の改正という文脈でふたたび総合区が議論されるようになりました。では、そもそも総合区とはどのようなものでしょうか。簡単に言うと、大阪市という政令指定都市は残って、現在の行政区がよりレベルアップする区割り(案)です。区長権限が強くなり、総合区ごとに企画の立案や予算に関する意見具申ができるようになる、と言われています。行政の意思決定機関が現状よりも市民・区民に近くなるとも言えます。市議会では自民党・公明党・共産党が総合区に賛成で、維新は政令市の解体を伴う特別区を推しているという状況です。
右表をみると、行政サービスの質をA・B・Cに区別しています。公務員を減らすと市民サービスが低下します。たとえば、市バス職員は長年、新規採用されていませんでした。そのため若い職員がいなくなって次代の行政サービスが困ります。小さな政府になるとサービスも縮小しますが、民間を活用すればいい。
橋下さんは市長時代に西成を特区に指定し、「えこひいき」することにしました。大阪市の行政課題はたくさんあるが、西成区が抱える課題を解決すると大阪市の課題も解決に向かうはず。だから西成区の課題を解決しようとしたのです。
そこで、区長をリーダーにし、縦割り行政を横断するなどの工夫を試みました。たとえば、高齢者にとって必要なのは住居と健康と生きがい。これに応じる部局は住宅局、福祉局、建設局とすべて違っていました。市民ベースで課題を解決するために、これらの部局を束ねてプロジェクトを作ればどうか、そのために計画調整区にしようという提案がありましたが、行政は承諾しなかった。鈴木亘座長は考えをあらため、課題・解決案を短・中・長期に分けて、住民のニーズを拾い、市民参画をすすめていくことにしました。
このように、住民により近い行政サービスは、住民ニーズに合った施策運営と市民自らの参画によって可能になります。わたしは総合区を、そのような地方行政を実現する仕掛け・枠組みにしたいと思っています。次の5つの提案は、総合区ができたときにやってみたい施策案です。

総合区ができたらやってみたい5つの挑戦

1)徹底したボトムアップ型の政治を
草の根の市民の声を下から上に伝えていく仕組みです。反対の意味はトップダウン。
2)在日外国人に投票権を
現在のところ外国人に投票権はありません。国政では事情があるのはわかりますが、市行政については外国籍の方々の意見が反映されてもいいのではないでしょうか。彼らの声が届かないというのは問題です。では、どうすればいいか。総合区では条例をつくって常任委員会を設置し、総合区内の行政課題に独自に取り組むことができます。

キャプチャ

キャプチャ2

3)親任せの教育からの卒業
「虐待で子どもが亡くなる」「子育てがわからないために殺した」「周りの人に相談できなかった」など、親が子供を殺める事件がメディアを賑わせている昨今、教育・子育てを親だけに任せておくことには限界がある
ように思います。
にしなり隣保館では毎週2回こども食堂が開催されており、その取り組みが共感を呼んでいます。地域で子供を見守る仕組みが求められているのかもしれません。
他方、大阪の教育の現場では、子供を通わせる学校を地域を越えて選べる学校選択制が採用されています。巷では、学校選択制は親のニーズだと言われています。しかし、人気のない地域・学校に通う子供はどうなるのでしょうか。競争から取り残されていくのでしょうか。親のニーズばかりでなく子供とそれを取り巻く地域との関係を考慮するなど、教育行政はトータルで考えないといけません。
ふたたび西成に目をやると、教育は長年の課題でした。昔と今を比べても学力の実態はそんなに変わっておらず、低いままというのが現状です。対策したものの学力は向上しませんでした。これら課題を解決するために、住民により近い総合区の権限で変えていきたいと思います。
4)生活保護の賢い使い方
大阪市の今年度の生活保護費は2,907億円で受給者数は2万7千人。来年度は2,826億円の予定です。今年度より減っていますが相変わらず多い。この他にもケースワーカーが少ないことが問題です。1人で約140人を担当しており、行き届いたサービスを提供することは到底できません。公と民の力を協力して様々な対策を実施する必要があります。たとえば生活困窮者自立支援事業。稼働年齢層が生活保護を受けないで済むように、就労支援や自立支援の施策を実施したいと思います。
5)負担を分かち合える総合区
西成区の市税収入額は23 番目。総合区で特区を設置し、企業が誘致に応えたときには法人税を減税する、若者を「えこひいき」する施策などを考えてみてはどうでしょうか。

フォーラムの声

【60代男性】総合区になると西成区は無くなるのか、残るのか。予算編成権を総合区が持つということは、西成をはじめ今の行政区の括りはなくなるのか。それとも「西成協議会」というような一定の括りは残るのか。
【小林】具体的な議論は今のところ出ていない。もっと先の話。

無題20

【60代男性】他市では市の予算を町内会に託すところが出てきている。これにより、小さい単位まで予算編成できる。西成も予算編成をもつ住民組織として考えていかないといけないと思う。維新は「なくせ」と言っているのかな?また、総合区長は予算編成権を持つとされているが、
税金の取り方も提案できるのか? 常任委員会で総合区の予算案をつくるのは役人なのか、市民なのか?
【小林】よくわからない。今後の課題として勉強していきたい。
【50代男性】 総合区はどんな名称になるのかな?
【小林】いまの行政区には支所的な機能を残すと言われているが、総合区ができれば新たな名前をつけなくてはいけない。都構想のときは「湾岸区」などの名前が挙がっていましたね。
【80代男性】総合区の中身がよくわからない。行政区を少なくしてサービスを厚くするというのがうまくイメージできない。現状のままで特に大きな問題はないと思う。5つの行政区を1つの総合区にまとめて業務を
整理し、経費の削減につなげるとあるが、日常的な相談ごとはどこでするか。わざわざ遠くまで足を運ばなければいけないのか。日常の細々とした業務については現在ある区をそのまま残しておかなければならないのではないか。

無題21

【70代女性】 自動車屋が倒産して土地を売った後に民泊になるという噂をきいた。市が許可を出すことになっているそうだが、何かあったときは市が責任をもってくれるのか。どうなっていくのか不安が残る。

無題22

【小林】民泊にはいろいろな意見があった。文化・生活環境が違うため、騒いだりゴミの出し方に問題があったり、旅館が民泊に客をとられるので反対していた。国の法律では1週間程度の宿泊だけ民泊の許可を出していた。しかし、形だけの法律はダメだということで大阪市だけが宿泊数を短くした。
法律・条例では、許可を出すときに条件を課している。申請者がこの条件をクリアしていればどうしようもないが、条件に違反した場合は交渉する余地がある。
【武議員】大阪市では2泊3日にする条例案が市議会に提出されているところです。その条例案には、住民に迷惑をかけない条件がいっぱいついています。また、民泊組合ができるようになる動向もあります。

無題23

【武議員】大阪市が特別区か総合区かで前に進まない状況だが、総合区に関する議論を街の課題を解決するために進めてほしい。政治のかけひきにも使われるが、良いものにしたい。自民党や大阪市も説明会をしている。こういった議論の場は非常に大事だと思う。
【小林】総合区に関する住民説明会が12月にありますので、詳細は寺本さんにたずねてください。さきほど質問に出ていた点も住民説明会で聞いてみてほしい。とにかく行って大阪市の説明を聞くのも大事だと思う。

次回のご案内

現代風の井戸端会議

第2 7回フォーラムにしなり

テーマ:今年1年の動きと隣保館について

2 月10 日(金) 午後6 時3 0 分~

於:にしなり隣保館「スマイルゆ~と あ い 」  

VOL25「大阪市の教育課題について」

大阪市の教育課題について

無題2

岡本共右 大阪市教職員組合書記長

はじめに                   小林 道弘 前大阪市会議員

無題

昔は地域の小中学校を忌避する越境入学という問題がありました。しかし、最近は進学校先の公表や学力テストの結果公表などの情報公開をして学校選択制が進められています。学校を選ぶ自由もある半面で、学校の偏在化にもつながっています。たとえば児童生徒数の偏りにより学校の統廃合が進められ、西成区でも今年度から弘治・今宮・萩之茶屋の3小学校と津守・梅南の2小学校が統合されました。
このように子どもたちの教育を取り巻く状況は大きく変わってきています。今後の大阪の教育の在り方について皆さんと共に考えていきましょう。

身近な出来事から教育を再考

最近、「自分の孫がどう育ってほしいか」というその願いが教育であると考えるようになりました。この願いはそれぞれの立場で変わってきます。「勉強ができる」「健康である」「夢を追う」「やさしい」「自分で考えて行動」「強くてたくましい」「人のために役立つ」「競争に勝てる」「善いこと悪いことの判断ができる」とさまざま。これらの願いで一番は何でしょう。この一番の願いが社会と親の間でズレが生じてきているのではないでしょうか。大切なのは、願いをかなえるために学校でどういう教育をしてほしいかです。
次に学力を考えてみます。大阪は全国一斉学力テストで45位と下位でした。しかし、去年大阪の中学校が大きく躍進しました。なぜかと言うと、全国学力テストの結果を内申点に結び付けたからです。つまり、もともと成績の良い子にさらに内申点の高い評価が加えられたにすぎず、必ずしも教育実態を正確に反映したものとは言えなさそうなのです。
ところで、大阪が低いと言われる45位ですが、次の表を見ると全国と比べても大差なく、大阪が極端に低いとは言えません。

全国小学校の国語平均点                           全国:72.9 大阪:71.3                             全国中学校の国語平均点                           全国:66.5 大阪:63.3

社会がどのように子どもを育てるのか

橋下さんが知事に就く前の教育は、経済・家庭・社会的課題を抱えた子どもたちに学力と生活習慣を身につけて社会に送り出す、というぬくもりのある教育を目指していました。この方針のもと学校が地域のコミュニティ拠点となり、地域と学校が協力して地域社会の中で子どもを育てていました。
橋下知事誕生以降、教育行政基本条例と学校活性化条例の2つの条例ができ、次のことが実施されるようになりました。
①知事・市長が教育委員会と協議し教育目標を設定。これにより、競争主義・グローバル化を重視し、学校の平均点の公開や英語教育を重点化。
②公立高校の学区再編に伴い大阪府内の学校はすべて受験可能。同時に、3年連続定員割れの場合は再編対象。その結果、学力のしんどい生徒が通っていた高校が統廃合。
③校長公募制の実施。問題のある公募校長が続出し、教頭応募者激減。
④区長の教育次長兼任。進学先の公表。

これまでの大阪市の教育の良いところ

①マイノリティの教育権を保証する「人権教育」の取り組みは大阪がトップ。
②「多文化共生の教育」により外国籍の子どもの全日制への進学率が高い。
③「インクルーシブ教育」により障害ある子どもが通常教育を受ける割合が最も高い。
このように、これまでの大阪の教育は、課題を抱えた子どもに焦点を当てて底上げし、全体の学力を上げていこうという実践を行ってきました。

5つの教育課題から考える

①教育の無償化:学校が格差を広げる場であってはならないので、誰もが無償で教育を受けることは大事です。大学卒が一般化している時代、借金して大学に行く人も多い。奨学金で卒業しても、このお金を返していくので、生活が経済的にしんどくなっている。教育の無償化は大切だと思います。
②内申書の問題:中3の6月に一度のチャレンジテストを行い、その結果が各学校の平均点として10月に出てきます。このチャレンジテストによって内申点が左右されるので、現場の先生は、評価するのに非常に困っている。たった一度のテスト結果を内申点に反映させることはおかしい。子どもの日常のふるまいが評価されない。テストだけを評価の物差しにすると、公平に評価できないと思います。
③「子どもの貧困」の実態:子どもの貧困は保護者の問題でもあります。たとえば、シングルマザーの場合、厳しい生活実態のために保護者がSOSを出せない状況もあります。そのような親をどのようにサポートするかが課題です。「子ども食堂」には子どもを中心とした新たなコミュニティづくりという側面があり、保護者も集まってきて発展していく可能性がある取り組みだと思います。                     ④西成区内の小中学校の低学力:橋下元知事と同じく大森教育長は「テストがその子どもを評価するのに一番いい」と言っていましたが、テストの学力だけで子どもを評価するのは非常に危険で、多角的な評価が必要だと思います。
⑤学校選択制と進学先公表:公立学校がどうあるべきかという問題には、地域・学校・保護者とみんなで学校を作るという考えが必要です。この問題は地域コミュニティをどう作るのかということと合わせて考える必要があります。

フォーラムの声

無題3

【小林】今夏、大阪市の「子どもの生活実態調査」が実施され、吉村市長はその調査結果に基づいて施策方針を出すと言っていました。これまでの大阪市側の方針が子どもの実態に適した方針なのか少し疑問
もあります。そこで、実態を一番よく知っている学校の先生も今回の調査を分析する必要があると思うのですが、いかがでしょうか。
弱い者や現場の立場から分析すると結果も変わってくると思います。現場を知る先生が実態調査を分析し、委員会と協力して子どもたちに必要な施策をフィードバックすることも必要ではないでしょうか。     【岡本】調査アンケートを分析するのは難しいですが、そもそも今回のアンケートは目的がはっきりとわからないところがあります。じつは学校現場では子どもの生活状況をある程度掴んでいます。ただ、今回の調査で、現実に貧困の問題があり、子どもも親もしんどい状況にあることが、主観的にではなく客観的に数字でハッキリしたことが大きいと思います。今後それらに対して行政的に学校もどういった手だてを打つべきかが必要になってくるでしょう。

無題4

【稲田(市教組委員長)】教師の労働組合や教師独自では教育委員会に施策を提起したりすることは条例によりできない状況です。そこで、市民のネットワークを通じて貧困の問題などに対応する必要があると認識しています。また、非正規雇用の問題なども労働組合は考えなけれ
ばならない。ですから、一つの組織だけで動くのではなく、様々なネットワークの中で絵を描いていく必要があると思います。

無題5

【小林】過去、西成特区構想で西成区では教育バウチャー制度がありました。一定の成果があったようですが、これは現場から求めたものではありませんでした。吉村市長も今回の調査を受けて施策を出すと言ってていますが、分析結果に基づいた施策が現場のニーズに合っているかどうか不安があるので、現場から提案できないものかと思った次第です。

無題6

【寺本】解放同盟大阪府連も大阪市の教育課題について検討しています。現在の大阪市の教員の給与は大阪府が支払っています。しかし、来年4 月以降は大阪府からの権限移譲により大阪市独自で予算を組んで、教員給与を支払うことになりました。大阪市独自で教育を進めら
れるというメリットもありますが、大阪市の判断で教育の予算を増やせる一方で、逆に予算が減る可能性もあるという問題もあります。
このような状況下で内申点の問題も出てきています。鶴見橋中学校の先生は子どもの努力を加味しながら内申点を付けてきました。しかしそれができなくなり、普段の努力が認められないようになります。こうなれば切り捨てられてしまうことが目に見えます。
また、教育の無償化も出てきていますが、これで得するのは中間層であり、しんどい層は何も変わりません。この層を支えることが大事です。子ども食堂に来ているしんどい子どもたちの現状を見ていると、この子たちを切り捨てることはできません。今後教育の在り方そのものを解放同盟・教職員組合を含めて考えて、ネットワークを構築していく必要があると思います。                                【加藤】学力テストの説明がありましたが、①教科別の評価の結果はどうですか。②男女別ではどちらの成績がいいですか。③教員の子どもの成績はいかがですか。                           【岡本】①まず教科別ですが、基本的に全部点数は低いです。②次に男女別では女の子の方が平均点は高いです。③教員の子どもの成
績は統計がないのでわからないですね。
相対的に見て応用問題の平均点が低いです。たとえば小学校の国語の問題は文章問題があって、これを最後まで読まないと問題が解けません。しかし、しんどい子は最後まで文章を読まないので問題を解くこ
とができません。応用問題で差がつくようです。             【参加者(女性)】子どもの貧困に関して、子どもが3食摂れていないのは、本当に貧困で食事が摂れないのか、それとも親の怠慢などで摂れていないのか疑問に思います。

無題8

【岡本】この問題はていねいに考える必要があります。お金があっても子どもの面倒を見ないということがありますが、しかしただ単にサボっているとも言えない場合があります。その親の生い立ちを見ていく必要もあります。親自身がしんどい環境のなかで育ち、子どもにどう接すればいいのかわからないこともあります。だから、保護者が悩みを打ち明け情報を共有して解決するためのネットワークが必要だと思います。

無題9

無題10

【参加者(男性)】今問題になっている子どもの格差とか貧困はグローバル化が元になって起こっており、これらの子どもの現状を変える闘いは、グローバル化との闘いだとも思いますが、どう考えますか。     【岡本】グローバル化を考えるとき、評価の物差しを一本化してきたことが問題だと思います。昔は子どものそれぞれの個性の居場所がありました。また大阪では外国籍の子どもも多くいて、その子どもたちが地域や学校での居場所を作ることが本来大事なことです。それをグローバル化という名で阻害していくことによってこぼれていくことはダメだと思います。

無題11

【参加者(男性)】教育委員会や橋下市長が進めていた「グローバル化」について教職員組合はどのように認識されどのように対応しようと考えていますか。                                   【岡本】教職員組合としては「グローバル化」ではなく「多文化共生教育」を進めていくべきだと思います。教育委員会の「グローバル化」とは実質的には英語教育を進めることですが、英語教育だけではダメで、いろいろな国の文化を知る必要がありますし、多様化していく社会の中でどう適応していくかが大事だと思います。

まとめ(小林)

教育の課題は様々な課題があり、一口にまとめられません。現在多様化の時代、生活も考え方もいろいろです。だからこそ大事なのは、一人ひとりの子どもをしっかりさせることです。子どもの背景である親の生活・地域を見れば、確かに厳しくしんどい家庭も多くあります。しかし、そこに甘んじることなく学校・地域・社会が連携して取り組んでいくことが必要です。子どもは生きていく中で変わります。その子どもたちを私たちがしっかり支えていくことが大切です。

次回のご案内

現代風の井戸端会議

第2 6 回フォーラムにしなり

テーマ:総合区ってなぁに?

11 月9 日(水) 午後6 時3 0 分~

於:にしなり隣保館「スマイルゆ~と あ い 」   

 

VOL24「憲法について考えよう」 憲法カフェ

「憲法について考えよう」 憲法カフェ

大橋さゆり弁護士

はじめに

小林道弘 前大阪市会議員

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 今回のフォーラムは大橋さゆり弁護士を招いて憲法について学習します。先の参議院選挙でも争点となった憲法改正ですが、憲法の全文を読まれた方は少ないのではないでしょうか。憲法は前文と103の条文で構成されています。前文では日本国憲法の3つの特徴が記されています。一つ目は「国民主権」、国民が日本の主人公だということです。二つ目は「戦争放棄」つまり平和主義です。三つ目は「基本的人権の尊重」、差別はしてもされてもいけないということです。
日本の法律や条例は憲法に基づいて制定されており、政治・経済のすべてが法で成り立っています。憲法は生活の根幹であり、私たちが生きていくうえで密接に関連していますので、今日はしっかり勉強したいと思います。

憲法カフェってご存知ですか?

 今日のテーマは憲法です。その言葉を聞いただけで敬遠する人に憲法のことを知ってもらうために、私たちは「憲法カフェ」という取り組みを進めています。憲法カフェとは 若手弁護士の有志が多くの方と情報を共有するために開催している「知憲の会」の取り組みです。

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 この会は、自民党が改憲草案を出した時に、あまりにも今の憲法と違いすぎるので、どう変えようとしているのかを、自分たちで考えていただくためにスタートしました。お菓子やお茶を用意して気軽に意見交換できる場にしています。ここからはクイズ形式でいっしょに憲法を学びましょう。

憲法クイズ

【①国民は憲法を尊重し、擁護しなければならないか?】
答えは「義務はない」です。第99条によると天皇、摂政、大臣などの公務員は憲法を尊重する義務を負いますが、国民には憲法尊重擁護義務がありません。どういうことでしょうか。紙芝居を使って、憲法は何のためにあるのかを説明いたします。

王を縛る法律 ~憲法の始まり~

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 むかしあるところに悪い王様がいました。国民は王様のことが嫌いでしたが、王様に逆らうことはできませんでした。気に入らないと殺されてしまうからです。人々はずっと我慢を強いられました。本や新聞を書く人は怖くて本当のことを書けませんでした。また、王様の不満について話すことができませんでした。
いずれ人々の我慢も限界になり、人々は悪い王様を捕まえ新しい王様を選びました。新しい王様は憲法を作りました。王様が許可したことはなんでもしてもいいというルールです。しかし、実際には王様はなにも許可せず人々は我慢をしていました。そこで人々は話し合い考えました。「憲法には王様が国民に自由を与えるとあるが間違っている。自由は王様からもらうものではなく、生まれながら持っているものだ」。国民は立ち上がり、王様の権力を縛る新しいルールを作りました。
これが新しい憲法です。憲法のおかげで、王様が好き勝手できないようになりました。やがて現代になり、選挙で選ばれた人が政治をする時代になりました。しかし、現在でも生活で困っている人、無実で捕まった人がいます。こんな時、偉い人たちが憲法を守ってくれているかどうかを私たちが見守る必要があります。そして憲法を破っていたら、憲法を守らせるために声を上げなければいけません。

【まとめ】
①権力者は権力を不必要または必要以上に行使し、人の自由を侵害してしまう傾向がある。
②権力の濫用を抑えるために憲法が制定された。
③政治権力は憲法に則って行使されるべきだという考えを「立憲主義」という。
④現在の日本国憲法は立憲主義に基づいている。

【日本の憲法の歴史を振り返る】
1889年公布された明治憲法では主権は天皇にあります。臣民の権利は一応認められていましたが、天皇が臣民に権利を与えるという形式でした。その後、日清戦争、日露戦争、第一次、第二次世界大戦と戦争が続き、第二次世界大戦が終わってからGHQのマッカーサ司令官が憲法の草案を作るよう日本政府に命令しました。しかし、その内容が天皇主権であったりしたので、却下しました。そこで、日本の民間人も含めていろいろと意見を出し合い、自由や平和や人権重視といった内容を盛り込んだ日本国憲法が、最後の帝国議会で可決されました。その憲法では第1条で「主権の存する国民」が天皇を「統合の象徴」に位置づけている、とされています。
【日本は三権分立】
現在の日本は憲法の精神に則って、権力が特定の機関に偏りすぎないよう、三権分立という仕組みを採用しています。国会は法律を作る「立法府」。内閣は法律に基づいて政策を実行する「行政府」。裁判所は、国会が作った法律や内閣の行政処分が憲法に違反していないか監視する「司法府」。このように3 つの権力が国民の権利を不当に抑圧しないようにバランスを取っています。

憲法を読む

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 では、具体的に条文をみていきましょう。
<第13 条:基本的人権の尊重>人は生まれた時から人権を持っています。第13 条には「すべて国民は個人として尊重される…」とあり、幸福を追求することを認めています。一方で「公共の福祉に反しない限り」という制約もあります。こんな判例があります。会社勤めの人がヒゲを生やしていて、それを注意された。その人は「ヒゲを生やす自由はないのか」と人権救済の申し立てをしました。ヒゲを生やす自由がある一方で、ヒゲを生やすべきではないという商慣習もあります。そこで、公共の福祉に反するかどうかが問われました。その結果、このケースでは「キレイにヒゲを手入れしてあるので問題なし」ということになりました。<第14 条:法の下の平等>「すべて国民は法のもとに平等であって…差別されない」とあります。ただし、民族とか国籍など言及されていないものはどうなるのかという課題も残っています。
<第15 条:公務員の選定、選挙の保障>公務員を選んだり選挙することに触れています。選挙権は最近18 歳まで年齢が下がりました。国籍条項も入っているので外国人には選挙権がありません。
<第22 条:職業選択の自由>公共の福祉に反しない限り居住移転職業選択の自由をもつ、ということで身分や性別に関わらず職業が選べることが述べられています。
<第23 条及び26 条:学問の自由と教育を受ける権利>以前は制限がありましたが、今は何を勉強しても自由です。第26 条では、すべて国民は能力に応じて等しく教育を受ける権利があるとされています。特別支援学校やフリースクールなどはこれを根拠にしています。また第2項では、保護者は子どもに普通教育を受けさせる義務を負うこと、義務教育は無償とすることが記されています。子どもの教育は、その親と国の義務であることを意味しています。
<第27 条:勤労の権利及び義務>義務とありますが働くということは基本です。賃金の基準も最低賃金法で決まっています。
【公共の福祉】

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これまで何度か「公共の福祉」という言葉が出てきました。これはお互いに基本的人権をもつ者同士が矛盾に陥ったり衝突したときに、利害や権利を調整するという意味です。またこれとよく似た言葉とされる「公の秩序」は、個人の人権より国家の利益を優先することを意味しています。                                         <第19 条:思想及び良心の自由>どんなことを考えても自由です。公共の福祉の制限がないので、頭の中で人を殺したいと思うだけなら自由です。実際に行うことはもちろんダメですが。
<第20 条:信教の自由>昔は天皇を崇拝する宗教以外はダメでしたが、今はどの宗教を信じてもいいし、信じなくてもいい。
<第21条:集会・結社の自由>基本的には自由ですが、たとえばヘイトスピーチ問題では、主張を表現したい人とその主張で人権が侵される人がいます。個人の自由や権利をめぐる衝突になり調整する必要があります。ただし公共の福祉を考慮すると、なんでも表現していいわけではありません。
<第24条:婚姻の自由>前の憲法では結婚するのに親の同意が必要でしたが、今は両性の合意によって成立します。現在「同性婚」が話題になってこの条文が注目されています。一部の議員が「同性婚は憲法違反ではないか」と言っています。私は「両性の合意」とは必ずしも「異性同士」という意味でなくてもいいと思っています。今後の動きに注目してください。
<第25条:最低限度の生活>健康で文化的な最低限度の生活を営む権利。生活保護の根拠になっている条文です。              <第29条:財産権>昔は国が財産を取り上げた時代もあった。戦争時代は鍋や釜まで取られました。こんな事に対して財産は守るということです。                                        <第31条~第40条:身体の自由>警察・検察から抑留や拘禁などを受ける際に、過度に権利を制約されないことを保障する規定です。「公開の法廷で裁判をする」「令状がなければ逮捕されない」「弁護士の選任」「拷問禁止」「国家賠償請求の権利」などが規定されています。

【②憲法に記載されていない権利(環境権や知る権利など)は憲法上保障されていないので、憲法改正手続きが必要か?】
答えは「不要」。憲法上保障すべき重要なことは、すでにある条文を含めて保障されるという解釈があります。「知る権利」は条文にはありませんが、第21条の表現の自由で保障されていると裁判所は判断します。
【③憲法が私たち国民に求めていることは何?】
答えは「不断の努力」です。第12条です。黙っていると権利が失われていきます。
【④憲法改正には有権者全員の過半数の賛成が必要か?】

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答えは「不要」。第96条。各議院の議員総数の3分の2以上の賛成で発議し、投票総数の過半数を超えた賛成が必要です。投票率が20%だった場合、その過半数である有権者の10%強の賛成で改正できるということもあるのです。

まとめ

 自民党改憲草案は、平和主義の放棄、天皇の元首化(国民主権の後退)、国民が国家を守る義務の増加(国防義務、「日の丸・君が代」尊重義務)、家族助け合い義務、環境保全義務、地方自治分担義務などを条文にしています。今後、どんな改憲案が出てくるかが問題になります。

質疑応答

【小林】

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 公共の福祉ということで権利の対立について説明があったが、たとえば西成区では公園でホームレスの人が生活しているケースがある。ホームレスにしたら居住権の自由を主張する。しかし、公園を利用する親や子どもからすると自由に遊ぶ権利が奪われている。ここに権利の対立が生じるが、お互いの権利が認められるためにはどう対処すればいいか。

【大橋】

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現代風の井戸端会議

第2 5 回フォーラムにしなり

テーマ:大阪市の教育を考える

1 0 月 6 日( 木) 午後6 時3 0 分~

於:にしなり隣保館「スマイルゆ~と あ い 」                                    

VOL23「第24回参議院選挙結果について」

第24 回参議院選挙結果について

小林道弘 前大阪市会議員

はじめに

先日、神奈川県相模原市で起こった障害者施設での殺人事件は本当に心が痛い事件です。新聞などのマスコミ報道では、精神障害による措置入院や大麻使用に原因を求めているようですが、入所者に対する容疑者の日常的な言動や犯行計画予告を衆議院議長にもっていくなどの行動から考えると、明らかに事件の本質はヘイトクライムにあると思います。これは「差別意識にもとづく大量殺人」事件です。
ヘイトクライムとは、障害者やLGBTなどの社会的少数者、マイノリティに対する偏見や憎しみによって行う犯罪行為のことです。今回の事件では警察にも重大な責任があると思います。最初の捜査で精神障害の事件だと決めつけ、容疑者を措置入院させ責任を回避しています。深刻なのは、社会にある障害者への差別意識と「障害者は施設へ」という隔離を是とする考えがあることです。なぜ普通に自宅で生活を送れないのか。人里離れた施設で何人も集団で生活しなければならないのか。このように追い込んでいる障害者への偏見・差別意識が社会意識の中にないでしょうか。
複雑な問題だと思いますが、地域の中からあのような事件を無くしていけないのかと感じています。教育や福祉やコミュニティの中で私たち一人一人の問題として考えていきたいと思います。

参議院選挙の総括

第24回参議院議員選挙が7月10日に投開票されました。選挙争点は、①消費税10%先送り、②安全保障関連法、③憲法改正の3つと思われましたが、大きな議論にならず、アベノミクスの評価や日本の将来が争点になりました。具体的に言うと、待機児童問題と教育無償化、給付型奨学金、同一労働同一賃金など、与野党の政策のちがいがあまりみえない争点だったと思います。しかし、今回の選挙で最も特徴的なのは18歳選挙権の行使です。18歳から投票ができるということで、学校ではこの選挙に向けて模擬投票を行ったり学習を積み重ねたりと変化がありました。今後も引き続き若い人たちが積極的に選挙に関わるような取り組みが必要だと思います。
【自民党・公明党、与党の圧勝】
結果は自民党・公明党の与党が70議席を獲得、改選定数の過半数(61議席)を確保し大勝しました。自民党・公明党が躍進、共産党はまあまあ、民進党は3年前と比較すればましですが、6年前の議席からは減っています。大阪をはじめとする近畿では民進党はほぼ全滅、かろうじて京都の福山哲郎さんだけが当選です。地域性の反映とも言えそうですが、むしろ民主党政権の失敗の後遺症が残っているという総括が必要です。民進・共産など野党4党による統一候補の擁立で注目された「一人区」(32選挙区)でも自民党が21勝11敗で勝ち越しました。
また、ヨーロッパでのテロ事件や不安定な国際情勢のなか、国民は大きな変化を望まない選択をしたのだと思います。このことも与党の勝因につながりました。
【民進党、大阪で議席獲得ならず】
大阪選挙区では、9人が4議席を争う激戦となりましたが、自民党・公明党とおおさか維新は新人二人が当選しました。尾立さんは公認会計士の視点からアベノミクスを批判し、最低賃金引き上げや待機児童の解消を訴えましたが、及びませんでした。得票数に注目すると、おおさか維新の二人の票数には民進党や共産党の得票数を合わせても届きません。それだけ維新は大阪の民意を得ているということです。これにより大阪の民進党は参議院における議席を失いました。
【野党共闘の課題】
今回の野党共闘は、野党間の政策のすり合わせも乏しく、ただ自民党一強崩し、安倍政権打倒だけが目的の安易な戦略と映り、有権者に受け入れてもらえなかったように思います。共闘の基軸に据えたはずの現行憲法についてのスタンスも野党間でさまざまであったため、政策論争も巧みに争点をすり替えられ、憲法改正が議論の俎上に載せられませんでした。マスコミも今回の争点はアベノミクスの評価だと報じていました。このように与党からは選挙目当ての野合と批判され、国民に認められた受け皿となることができませんでした。
今後も野党共闘が考えられますが、今回のことを教訓にしっかり議論して野党統一政策を出さなければ、国民の信頼は得られません。衆参ともに改憲勢力が3分の2を占めたことで、改憲の動きがますます加速し、秋の臨時国会以降、憲法調査会での議論に大きく影響することは必至です。その影響は衆議院選挙にも及ぶことでしょう。
【地方議会活性化にむけた地方政党の立ち上げ】
大阪では昨年の知事・市長のダブル選挙と同様、民進党に対する期待感はなく、おおさか維新が無党派層の受け皿になっています。また、最近の門真市長選挙も維新の候補が当選しました。おおさか維新
には「改革の党」というイメージが定着し、「ふわぁっとした民意」から確かな維新支持層が形成されつつあります。「大阪都構想」が再浮上することも予想されています。
小林は次の統一地方選挙に向け、民主主義を守り地域主権・市民参加で地方から人権・教育・福祉施策などを創っていく勢力として、新たな地域政党の旗揚げが必要だと思います。地方議会が自立するには、中央集権ではなく地方議員の発言権を強化し、分権に耐えうる成熟した地方議会を作り、地方独自で政策を立案・実施できなければいけません。住民自身も参加し共に地方分権を確立していく、地方自立型政
党としての地域政党の立ち上げをめざしたいと思います。

フォーラムの声

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○60 代男性

大阪は維新が非常に強い。大阪府議会、大阪市会、堺市議会合わせて維新議員が180 人いる。今回の参院選では14 万票獲った。なぜこうなったのか。野党にも責任があるでしょう。維新は本来的には保守だと思いますが、橋下さんが政治に新しい風を吹き込み、大阪では「改革派」ということになっています。今後はこれに対抗しうる新しい政治勢力、つまり政策立案する政策集団が必要でしょう。例えば尾立さんも言っていた大学奨学金の問題は、いま現在苦しんでいる人たちへの政策も視野に入れる必要があるのでは?

○50 代男性

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大阪維新はもともと大阪自民の右派寄りの人たちが参加した組織だから保守だと思います。しかし革新的に見えているのは不思議な光景です。維新が不満の受け皿になっている観があるが、問題も多い。大阪の景気はどうなっているのか、伸びているのか? わたしたちの生活はよくなっているのか、どうか? これらは維新の政治が問われるべき問題です。

○50 代男性

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維新政治になって色々やっていると言っているが何もやっていないと思う。観光客で賑わって潤っているように見えるが、働く人の賃金も上がっていないし、若者の要求に耳を傾けて「何をしてほしいのか」ということを把握しきれておらず(民進党がやってくれたらいいが)、小林さんに分かりやすい政策を出してほしい。

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○70 代女性

維新の議員は、当選すれば橋下さんの言うとおりに動く人ばかりのように思う。維新に任すわけにはいかない。女性ももっと多く学習会などに参加して小林さんを応援していくことが必要だと思う。

○80 代男性

民進党の課題、自民党に勝つために何が必要なのかという基本方針を示してほしい。二重行政の解消とは何かということを明らかにしてほしい。憲法にしても自民党は「対案を出せ」と言うが、憲法を変えないのなら現憲法を「対案」とすればいい。

秋からはじまります 総合区・特別区の住民説明会

大阪都構想の再燃

昨年5月、「大阪都構想」の是非を問う住民投票は僅差で反対が賛成を上回り、橋下前市長が提唱していた都構想は退けられました。しかし、昨年11月の知事・市長選挙で再度大阪都構想の実現を公約に掲げた松井知事・吉村市長が誕生しました。松井知事は「総合区」か「特別区(大阪都構想)」かの二者択一で大阪市のあり方を問う住民投票を2018年秋までに実施する考えを表明しました。今後、これらの内容について市民対象の説明会が実施される予定で、西成区では12月に開催されます。

総合区でも特別区でも「合区」が前提

西成区の人口は現在、11万8000人です。一番多いのは平野区で19万6000人、一番少ないのは此花区で6万6000人です。人口にはバラツキがあるのに、大阪市は横並びの行政サービスを実施しています。たとえば「老人センターは一区に一館なのに、西成区には老人センターが二つある」と言って延寿荘を廃止しました。
そこで総合区は24行政区を同規模の人口にするためにいくつかの区をまとめて合区し、エリアマネージャーのような総合区長を新設します。総合区長は議会承認後、市長が選任します。権限についても市長に意見具申して地域のニーズを伝えることができるようになります。
住民説明会ではおおさか維新の大阪都構想を前提とする「特別区」の説明もされます。大阪市を残す独自財源の「総合区」か、大阪府と財政調整を行う区議会を設置する中核市並みの「特別区(都構想)」なのかを選ぶことになります。

大切なのは、地域に応じた政策

重要なことは、市行政を24区横並びに実施するのではなく、合区されたブロックごとに抱える課題に応じた政策を実施することです。例えば、西成区的課題として低学力・子どもの貧困・子どもの居場所づくりに応じた教育政策や福祉政策・地場産業育成・観光政策などを総合区における権限移譲や財源を活用して住民サービスの向上をはかることです。

■ 区数(案)

総合区の設置とその事務の拡充にあたっては、効率性を考え、合区を前提に次の規模を想定

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※具体的な区割りは今後検討                                     人口は平成47 年の将来推計人口(約228 万人)

大阪市案は、合区を前提にしています。合区は3つの案が提出される予定です。

■ 事務レベルに相当する職員数(案)

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事務レベルについては、権限と事務内容に応じて三つの案が提出されます。事務の容量と権限はA<B<Cとなっていきます。
次に、事務レベルと区数を掛け合わせて、職員数を算出します。表の数値は、現在の職員総数からの増減を示しています。職員の増減数の妥当案として、○で囲んだ5つが提示されます。
住民説明会では以上のことと同時に「特別区(都構想)」の説明もされます。大阪市を残す独自財源の「総合区」か、大阪府と財政調整を行う区議会を設置する中核市並みの「特別区(都構想)」なのかを選ぶことになります。
重要なことは、市行政を24区横並びに実施するのではなく、合区されたブロックごとに抱える課題に応じた政策を実施することです。例えば、西成区的課題として低学力・子どもの貧困・子どもの居場所づくりに応じた教育政策や福祉政策・地場産業育成・観光政策などを総合区における権限移譲や財源を活用して住民サービスの向上をはかることです。

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第2 4 回フォーラムにしなり

テーマ: 憲法について考えよう
講師: 大橋さゆり弁護士9月1日(木)午後6時30分~

 

 

VOL22「国民が意思を示すとき」 ~イギリス国民投票と参議院選挙~

  1.EU離脱/残留をめぐるイギリス国民投票

はじめに

今日は7月10日に実施される参議院議員の争点などについて学習する前に、連日テレビ・新聞などで頻繁に報道されている、イギリス(以下、「英国」)のEU離脱問題について考えてみます。この問題は日本にも非常に影響のある重要な問題なので、最初に少し時間をとってお話しします。
英国は4つの国の連合国で、スコットランド、北アイルランド、ウェールズ、イングランドからなっています。国旗もこれら4つの国の旗を集約したデザインになっています。また、英国はかつて世界的に絶大な力を持
っており、例えば世界標準時も、ロンドンのグリニッジ天文台を通る経線(0度)に従って決められました。
ところで英国と日本の時差は9時間。日本の標準時は兵庫県明石市を通る東経135度を基準にしています。実際のところ北海道と沖縄の時差は1時間ほどですが、日本国内は標準時で統一されています。

無題1

英国国旗の変遷
出典:ウィキペディア

EUとは

EUとは「欧州連合European Union」のことで独、仏、伊、スペインなど28ヵ国が加盟しています。英国はその28ヵ国の一つです。EUが生まれてきた背景には第2次世界大戦を反省してヨーロッパが国家を超えた一つの共同体になり、新しい秩序を作ろうとする人びとのねがいがありました。ヒト・モノ・カネの往来を自由にしてヨーロッパ全体でさらなる発展を目指すという目標もあります。

なぜ英国はEUを離脱し、難民を受け入れたくないのか

6月23日に英国で国民投票が行われます。表向きは国としての主導権の回復ということですが、本当の理由は、これ以上難民を受け入れたくないからだと思います。
英国では社会保障が充実しているので、「難民」に認定してもらえれば手厚い保護を受けることができます。だからシリア、イラク、アフリカなどからの多くの難民が英国を目指してやって来ます。
ところが、英国もさまざまな理由で難民の受け入れを拒否したくなる場合があります。まず、国民の税負担が大きくなります。また、国内の労働市場が難民に奪われ、失業のリスクが増大するのではないか、という不安があります。さらに、英国古来の文化の喪失や治安の悪化も理由とされています。しかし、EU加盟国には難民受け入れを拒否できないという法律があるので、拒否できないのです。

離脱後の日本への影響は?

現在、世界のマーケットは米国のニューヨーク、中国の上海、英国のロンドンの3都市を中心に回っていますが、英国がEUから離脱すると、英国への輸出品に関税がかかるので、世界の金融機関や企業が国外に出ていく可能性があります。そうなると、英国の貨幣価値が下がり、ひいてはEU全体に影響を及ぼし、多くの企業が進出している日本にも影響が出てくる可能性があります。
日本にとって英国はアメリカに次ぐ2番目の投資先で(2014年現在で日系企業1084社)、多くの企業がヨーロッパ全体のビジネス拠点を英国に置いています。しかし離脱した場合、EU域内の国々との貿易に関税がかかる可能性を考慮して、ビジネスの利便性から拠点を移動させる可能性があります。とくに日産、トヨタ、ホンダなど自動車業界への影響が注目されます。

※6月23日に開票された英国での国民投票ではEUからの離脱を支持する人たちが勝利しました。

2.参議院選挙、争点は憲法改正

はじめに

無題

6月21 日の公示をうけ7 月10 日投開票の参議院議員選挙が実施されます。衆議院議員は任期4 年で解散があります。参議院選挙は定数242 の6 年任期ですが、3年ごとに半数の121 人を改正します。今回の選挙の特徴はアベノミクスの評価と新しく18 歳選挙権ができたことです。これにより、高校生でも18 歳になれば投票に行くなどの選挙活動が可能になりました。教育現場での政治の学習がより深まることを期待します。

「アベノミクス」の評価は論点のすり替え

そもそも選挙の争点とは、選挙期間中に「私たちの政党の政策はこうで、あちらの政党とはこんな点が違う」と主張しあう議論の材料です。今回の争点は当初、①消費税10%増税、②安全保障関連法、③憲法改正の3 点になるかと思われました。しかし、消費税の増税は2 年半後に先送りし、安保関連法案はすでに成立、そして憲法改正に意欲を示すものの安倍総理は選挙争点にしない、と隠しているのが現状です。
これらの争点に代えて「アベノミクス」と呼ばれる安倍政権の経済政策の評価が争点に掲げられています。国民はこうした論点のすり替えを見抜く必要があります。

どうして与野党の主張が似ている?

与党が本当の選挙争点を隠すために子育てや社会保障などに重点を置くようになり、一見すると与野党とも似たような政策が並びます。
たとえば、待機児童対策も給付型奨学金の創設も、野党が今回の選挙に向けて考えていた政策ですが、野党の追及をかわすかのように、保育士や介護士の処遇改善策を検討すると言ったり、「同一労働・同一
賃金」実現による「正規・非正規の格差」の是正を訴えたりするようになっています。これらはもともと民主党が公約で訴えてきたものです。
このように自民党は、民進党など野党が主張する政策を取り込み、参院選での「争点かくし」の動きを活発化させているように思えます。

争点は憲法改正の是非

このような「争点かくし」のために分かりづらくなっていますが、今回の参議院選挙は、間違いなく「憲法改正」が争点になっています。自民党の一番の目的は、憲法改正発議に必要な3分の2議席を確保することです。与党が勝てば悲願である憲法改正にグッと近づきます。そして間違いなく憲法改正になるでしょう。
改正のポイントは第9条です。維新は憲法改正に賛成する可能性が高いです。公明党は公約に憲法改正を含めていませんが、反対派が存在するのも事実です。共産党は自衛隊を違憲とし「改正反対」です。重要なことは、私たち国民が憲法改正の是非についてしっかり判断することです。

フォーラムの声

10 代女性

無題2

私は今年で20歳になりますが、投票は10代で行うことになります。しかし、友達との会話では18歳選挙権の話題は一切出てきません。選挙に行かなければ、どんな影響があるのか、何を基準に投票すればいいのかわかりません。

小林――

日本は法治国家であり、すべて法律に基づいて私たちは生活しています。その法律を作っているのがとても少ない人数の国会議員です。
どの政党、どの候補者が自分にとって良いのか、それを判断する力を付けなければなりません。

50 代女性

メディアでは「就職率が上がっている」という話がありましたが本当ですか?

小林――

「就職率」でなく「失業率が下がっている」という報じ方をしています。現実には雇用が増えているとは言い難いのではないでしょうか。メディアの報じ方にも注意して考えなければなりません。

30 代男性

無題.3

選挙公約をみると自民党は「成長と分配の好循環」で、民進党は「分配と成長の両立」。二つの違いは何ですか?むしろどちらも似ているのに、なぜ一緒にやっていこうとしないのですか? その方が効率的だと思うのですが。

小林――

「成長することにより景気が良くなっていく」というのが自民党。「成長と景気を同時に」というのが民進党でしょう。ただ、キャッチフレーズが似ていても政党としての理念が根本的に違います。たとえば原発問題によくあらわれていますが、そもそもの理念が違うから一緒にはなりません。

30 代男性

投票基準として、候補者本人よりも政党の言うことを信じたほうがいいのですか?

小林――

信じるのであれば「個人」の方がいいです。もっともそれが実現されるとは限りませんが。

30 代男性

公約の財源はどこにあるのでしょうか?

小林――

自民党は財源の根拠を提示せずに隠しているし、おおさか維新は公務員の給料減らしや議員削減で予算を捻出すると言っています。民進党は赤字国債を発行すると言っています。

60 代男性

(民進党は)金持ちから税金をとると言っている。

70 代男性

無題4

18歳選挙権が今回から出てきたが、自分が若い頃には沖縄の復帰闘争がありました。そこで自分も沖縄に行ったものの命からがら逃げ帰った、という経験をしました。当時は沖縄がすべてを請け負っている印象を受けた。そんな経験をして、今の人たちも考えなくてはいけないのは「今の自分はどうしたらいいのか」を考えることではないでしょうか。自分たちが置かれている位置を分かろうとして、政治社会に興味を持つことが大切ではないでしょうか。

50 代男性

無題5

今回は18歳投票権が大きな争点であり、若者に焦点をあてて考える必要があると思います。奨学金やブラックバイト・企業の問題、消費税の問題、若者の政治的関心を高めることが必要ではないか。

40 代男性

無題6

――なぜネット投票はできないのですか?

小林――

第一に、本人認識が困難だからだと思います。ネットで選挙を行うには「なりすまし」をはじめとする不正防止が条件になるでしょう。
――それはハガキでも同じではないですか?

小林――

投票するのにハガキは必要ありません。事務作業の簡素化・効率化のためにあるだけです。

20 代男性

ネット投票が実現すると投票率はあがりますか?

小林――

24時間の投票が可能になり場所も関係ないので、大幅に上がる可能性はありますね。

会 場1

マイナンバーの使い方がこれから重要になってくると思う。

会 場2

QRコードを活用しても無理ですか?かなりセキュリティの高いものもあります。一度読み込むと、2度と使えない仕組みもあります。それを使えば可能な気もしますが。

小林――

不正を防ぐための議論はこれからたくさん出てくるでしょうね。若い子はやっぱりネット投票の方がいいかな?

会 場3

無題7

今ネットで調べたら、エストニアという国では電子投票がありました。韓国ではボタン投票が2006年にあるようです。

60 代男性

今回の参議院選挙、民進党の人気はやや持ち直したようにも見えるが、現状はかなり厳しい。民進党にもっとしっかりしてほしい。自分たちの政策に近い政党を応援するのが本来だが、その政党が本当に政策を実現できるかを判断しなければならない。

無題8

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第2 3 回フォーラムにしなり

7 月2 7 日( 水)午後6 時3 0 分~

於: にしなり隣保館「スマイルゆ~ とあい」

vol21「人権に関する差別禁止法の課題について」

  はじめに

現在、国会では様々な人権に関する法案が審議されています。まず今年4月には障害者差別解消法が施行され、5月24日にはヘイトスピーチに関する規制の法律が参議院可決後、衆議院本会議で可決しました。そして、LGBT(ここでは「性の多様性」と理解します)対策法や部落差別解消に向けた法案の審議も継続して行われています。
昨今になって人権に関する法案が数多く審議されるようになった背景には次の三つが考えられます。①2020年のオリンピック/パラリンピックの東京開催。これらのイベントには、世界各国から民族・国籍・宗教
・文化・価値観などの多様な背景を持った外国人が大勢やってきます。人びとの多様性を理解し尊重し共有できるよう差別を許さない姿勢を育むには、人権に関する法整備が必要というわけです。
②日本政府・社会に対して国際社会から人権に関する警告がなされています。2014年、日本政府は国連からヘイトスピーチを法律で規制するよう勧告されたものの、日本政府は積極的に動きませんでした。その後、ヘイトスピーチ活動はエスカレートし、とうとう今回規制法の制定となりました。
③法務省の平成28年度啓発活動年間強調事項17項目(その対象は女性、子ども、高齢者、障害者、被差別部落民、アイヌ民族、外国人、HIV感染者やハンセン病患者、刑余者、犯罪被害者とその家族、ホームレス、性同一性障害、東日本大震災被災者など)の実践が求められています。
このような背景から最近、国会での人権に関する審議が多くなり、私たちの学習を重ね考えていきたいと思います。

1.部落差別解消法について

寺本良弘 解放同盟西成支部支部長

 今回の部落差別解消に向けた法案は自民党から提出されました。二階俊博自民党総務会長が議員立法で提案を行うために相当の努力をされたそうです。私たちとしては、部落差別をなくすための法律ができるのは大歓迎です。今回の法案の目的には「基本的人権の享有を保障
する日本国憲法の理念にのっとり、部落差別は許されない」とあり、「国や地方公共団体は部落差別解消に関する施策を講ずること」とその責務が明記されていますが、罰則規定は設けられておりません。つまり、全体として理念法的になっており、解決すべき課題が多くあります。しかし一番大きなことは、ようやく日本の政治が部落差別の存在を認めたことだと思います。
今後の課題として、①部落差別に関する実態調査が必要になりますが、これは当事者が中心となって行うべきであり、隣保館を中心に調査しなければならないと思っています。また②法律成立後も差別を禁止する十分な法律にするための運動が引き続き必要です。(なお、2016年6月1日現在でこの法案は継続審議となっています。)

2.ヘイトスピーチ規制

小林道弘 前大阪市会議員

 ヘイトスピーチを規制する法律が、5月12日の参議院法務委員会で可決、5月24日に衆議院で成立しました。
このヘイトスピ―チの問題は最近各地で相次いで起こっています。日章旗(日の丸)や旭日旗を掲げ、特に在日コリアンを狙い撃ちにしたヘイトスピーチ「朝鮮人のゴミを退治する」「朝鮮人を殺せ」「朝鮮人は一人残らず殺せ」などと大きな声を上げてデモを行い威圧しています。法務省の調べによると、全国のヘイトデモ・街宣活動は2012 年4 月~2015 年9 月までで1152件ありました。これらの行為は、在日の子どもたちも心に傷を受けるなど深刻な人権侵害の大きな社会問題となっています。
国連の人種差別撤廃委員会は2014 年にすでに日本政府に対しヘイトスピーチを法律で規制するよう勧告していましたが、日本政府は積極的に取り組む姿勢を見せてきませんでした。一向に収まる気配を見せないヘイトスピーチ行動に、行政や司法もようやく対処するようになりました。
京都市の朝鮮学校の前でヘイトスピーチを行った男らが威力業務妨害で逮捕され有罪判決が確定したり、民事訴訟でも一昨年、ヘイトスピーチを行った団体側に対し1200 万円の賠償を命じる判決が確定し
たりしています。今年3 月には川崎でヘイトスピーチに反対する男性にけがをさせた右翼団体の男ら4 人が逮捕されています。なお大阪市でも条例が制定されています。被害者救済のための裁判費用支援が大
きな目玉でしたが、条例の全会派一致が優先され実現しませんでした。いずれにしても、今回のヘイトスピーチ規制法の制定は、こうした流れを汲んだものと思われます。
今後はヘイトスピーチの保護対象が課題になります。今回の規制法では、アイヌや被差別部落住民が対象にならない可能性が懸念されます。また、適法でない外国人居住者も対象外に置かれます。これらについては付帯決議などで適切に対処するという修正を行いました。
また、この法律も救済処置や罰則規定のない理念法なので、今後のヘイトスピーチ根絶・差別撤廃に向けたスタート地点として考える必要があります。

3.LGBT関連

西田吉志ワークあい代表理事

 LGBT について差別をなくす動きが活発になったのは、今年2月くらいからでまだまだスタートラインにたったところです。成立まではまだ少し時間がかかる可能性があります。まず、LGBT とはlesbian レズビアン・gay ゲイ・bisexual バイセクシャル・transgenderトランスジェンダーの頭文字です。その人口は日本の全人口の約7%で840 万人といわれています。
多くの人はいじめや言葉の暴力にあっていて、就職などにも大きく影響しています。面接などでカミングアウトすると採用されなかったり、就職しても差別やいじめに合ったり、うつになって自死する人もいます。
このような厳しい実態にもかかわらず日本での法整備はあまり進んでいません。海外ではLGBT に対する差別を禁止する法律があり、台湾では法案が教科書に載っています。また、同性婚は20 数カ国で認めら
れています。日本でもようやく東京都の多摩市で条例ができたり、大阪市淀川区ではLGBT に対する支援を宣言したりしています。最も新しいのが東京都渋谷区の「男女平等及び多様性を尊重する社会を推進す
る条例」です。
法整備に向け2016 年2 月自民党の中で委員会が設けられ、議論が進められています。そこでは、カミングアウトができず、1人で悩んでいる人の支援に注力する一方で、差別に対する罰則などが設けられて
いません。
LGBT の課題は、たとえば同性婚をしても生活をしていく上での保証が一切ない、などの問題が多くあり、戦争法と同じく憲法論も視野に入れて考えなくてはいけません。

4.障害者差別関連

岡田光司 西成障害者会館職員

 障害者差別解消法が4 月1 日から大阪市で施行されましたが、まずは法律を作る経緯について考えてみましょう。これまで障害者のための法律は障害のない人たちが作ってきました。しかしそのことに疑問を感
じた当事者たちは「私たち抜きに私たちのことを決めないで」という大きなスローガンを掲げ、全世界の当事者が参加して障害者権利条約を制定しました。日本もこの条約に署名し、国内の障害者のための法律も自分たちが参加して作っていこうという機運が生まれました。そして、民主党政権下で障害者基本法が改正され、共生社会の実現や障害のある人の日常生活を支援し、障害を理由とする差別を禁止する法律として4月から施行されたのです。
障害者雇用促進法では、障害者を雇用で差別してはいけないということや、職場で働きやすい状況になっているかなどをチェックします。今回の障害者差別解消法では、大阪市役所や西成区役所に相談窓口が出来ました。障害者が差別を受けた時に相談できる身近な窓口が設置され、合理的な配慮がなされやすい環境が整いました。しかし、罰則規定がなくあやふやな部分もあります。
障害者の権利条約には障害者を優遇する特権が与えられているのではないか、ということがよく言われますが、決してそうではありません。今後は、障害者が当たり前のように地域で暮らせる生活のしかたや仕組みなどについて議論をしていく必要があると思います。

5.ハンセン病関連

寺嶋公典 部落解放同盟西成支部書記長

 ハンセン病の問題は、感染力が弱く簡単には伝染しないというのが世界的な常識ですが、日本では「らい予防法」の改正が20年前におこなわれ、またこの法律の違憲性を指摘した熊本地裁判決から15年経った今でも多くの問題を抱えています。
近年、ハンセン病をめぐる大きな出来事が三つありました。①日本が戦前に韓国・台湾に設置したハンセン病療養所に収容されていた被害者に対する賠償問題の全面解決、②隔離施設の中で裁判を行っていた「特別法廷」の問題について最高裁判所が過ちを認めたこと、③ハンセン病患者の家族も差別を受けていたとして損害保障を求める家族訴訟が提訴されたことです。
今回は、特に③家族訴訟について説明します。この訴訟は2月25日と3月29日にハンセン病患者の家族など568人の原告によって熊本地方裁判所に提訴されました。当事者本人はもちろん、結婚や就職、人間関係で差別を受け苦労したが、実はその家族も同じように家族の中にハンセン病患者がいるというだけで差別を受け苦しんでいたのです。家族間の亀裂も深刻な問題でした。
家族訴訟を後押ししたのは、ハンセン病患者を隔離する「無らい県運動」の研究や「れんげ草の会」という家族会の情報交換などから当事者の家族が差別・排除されていた実態が解明されたこと、また2015年鳥取訴訟で家族にも被害があると認められたことです。家族訴訟の目的は第一に、家族自身の被害からの解放および元患者と家族との絆の回復です。そのために、訴訟は国に対して全国紙での謝罪広告と慰謝料の支払いを求め、家族被害に対する責任も問うています。
家族訴訟には独特の課題もあります。それは原告の大半が氏名や素顔を明らかにできないことです。このことは現在もハンセン病に対する差別偏見が根強く残っている実態をあらわしており、この解決を見ないとハンセン病の最終的な解決はあり得ません。

フォーラムの声

当日会場でいただいた皆さまのご意見です。

【60 歳代・男性】

 現在の国会の状況を考えると自民党一党だけが強い状況にある。このような状況なら人権法案は通る。その人権の法律を作る際のチェック
ポイントは、①その法律の作成時にどれだけ当事者の意見が反映されているかということ。②謝罪があるのか。差別をなくすということは差別
があったことを前提にするのだから、謝罪が必要です。これがないと法律は不十分で、救済の内容がなく無益な法律になってしまう。

【寺本支部長】

 部落差別解消の法律で考えると、同和対策審議会答申などで当事者の意見はある程度反映されたと思うが、今回の法律でそれが十分かと言われたらそうではない部分もあると思います。

【60 歳代・男性】

 今後運動団体が要求すべきことは、今の若い人たちや子どもたちが部落差別を受ける可能性があるという当事者調査でしょう。

【小林】

 今後国会でいろいろな人権に関する法案が審議されていく背景には、1995年に日本が人種差別撤廃条約を批准して、国内の人権の法整備を行うよう勧告されていることもあります。

【60 歳代・男性】

 外国人が多く来日するオリンピックも大きな要因ですね。また、今回の法律ができたことにより救済の法律ができないとも考えられる。

【小林】

 たしかに今回の法律はすべて理念的であり、規制とか救済とかに発展させていけるかどうかが今後の課題です。

【80 歳代・男性】

 今日の報告によると、いずれも罰則規定がないので実効性に乏しい気がする。これと関わって今後の運動の進め方を検討する必要があると思う。また、沖縄でのデモ行動もヘイトになるという意見もあるように報道関係者への対応も必要ではないか。

【小林】

 今日の人権のテーマは今の政府の動きと連動して考える必要があります。つまり政府与党はどんな大きな流れの中で人権の法律を出してきたのかということ。人権の法律の代わりに厳しい施策がある。例えば戦争法案であったり消費税であったりと、こういうことをしっかり見抜くことも必要です。

次回のご案内

第2 2 回フォーラムにしなり

6 月2 2 日( 水)午後6 時3 0 分~

vol20「教育の無償化を考える」

4月20日(水)午後6時30分より第20回「フォーラムにしなり」を開催しました。今回のテーマは「教育の無償化を考える」です。わたくし小林みちひろ(前大阪市会議員)より話題提供し、ご参加いただいた皆さんと意見交換しました。

教育の無償化を考える

前大阪市会議員 小林みちひろ

1.「世界人権宣言」すべての人に教育を受ける権利がある

 世界人権宣言は、すべての人は教育を受ける権利をもっており、初等教育は無償である、と宣言しています。しかし、世界では7500万人の子どもが学校に通えず、7億7600万人の成人が読み書きできないと言われています。その多くは、アフリカ・アジアの一部の地域の人びとや女性です。
一読み書きができないと、必要な情報を手に入れることができず、社会的な不利益を被り権利が大幅に制限されます。貧しい国では教育予算がなく、子どもに労働を強いたり戦争に行かせたりすることもあります。識字率の向上により子どもの死亡率も貧困率も低くなっていきます。ノーベル平和賞マララさんも言うように、「戦争も教育でなくすことができる」のです。

2.教育費の負担が少子化の要因の一つに

 日本の子どもの出生率は年々低下し、現在、一人の女性が一生のうちに出産する子どもの平均数は1.43人であり、二人を産むことはありません。いよいよ少子高齢化の時代になってきました。その要因は複合的ですが、その大きな要因のひとつに、家庭における教育費の負担が大きいことがあります。現状では子育てや教育にお金がかかりすぎるのです。

3.格差解消に向けて教育の無償化を

 よって、家計に対する子育て・教育の経済的負担の軽減が重要です。そのために必要になってくるのが、①幼児教育の無償化、②高等教育費の負担軽減、③奨学金の充実、④経済的に困窮する家庭の子どもに対する教育支援などの施策が必要です。
これらの施策によって拡大する経済格差の中で教育の機会均等を図り、さらに、保護者の経済的・教育的環境に関わらず、子どもらの等しく教育を受ける権利を守るには、教育の無償化が大事です。

4.教育に係る費用は1 人1,000 万円以上

 一般的に「子どもにかかる教育費は、1人1,000万円以上」といわれていますが、下記の調査結果でも多額の費用がかかることを示しています。

5.教育の無償化を実現するために

①「義務教育と関連して、教育内容のどこまでを無償化にするのか」
憲法第26条により「すべて国民はひとしく教育をうける権利があり教育を受けさせる義務を負う」ことから、「義務教育は無償」となっています。しかしその範囲は規定されていないので、教育基本法により無償の範囲は授業料に限られています。給食費や修学旅行費、遠足や郊外活動費、補助教材費などは保護者負担のままです。
②「どの学校までを無償化・義務教育にするのか」
現在、高校・大学は義務教育ではありません。しかし、高校進学率は全国で97%を超え(文部科学省発表)、大学・短大進学率は現役で3.9%(文部科学省平成26年度学校基本調査)となっています。無償化と義務教育はセットです。ただし、大学教育の無償化には5兆円以上かかるという試算も出ています。その原資は税金で賄われるため、実行するために増税の可能性も出てきます。
③「大学奨学金制度をどう考えるか」
不況や就職難で奨学金が返済できずに厳しい取り立てを受けたり、自己破産したりする若者が急増するなど、奨学金の返済に関する問題は年々深刻化しています。結婚や就職にも大きな影響を及ぼし、大学卒業後の生活も厳しくなっています。そこで、奨学金制度も給付型や無利子型、卒業後の所得に応じた返済額の軽減措置などが検討されています。
④「フリースクールやインターナショナルスクールなどにも教育の無償化を」
現在フリースクールが注目されています。その背景には日本全国の小中学校で不登校の数が12万3000人という実態があります。多様な学びを実現するフリースクールが全国に存在しますが、子どもたちは学校に籍を置いたままフリースクールに通い、小・中学校の卒業資格を得ています。しかし、保護者の経済的負担も大きいのでフリースクールの教育無償化を考える必要があるのではないでしょうか。と同時に、インターナショナルスクールなども教育無償化の対象に加えるべきだと思います。

6.参加者のご意見

○60代男性

地域住民の意識が昔と変わってきた。何ごとにも関わりたくないという意識が多い。例えば町会に入るメリットがないのなら入らないとか。

○60代男性

『就職時の対応を考えると高校も義務教育化が必要。子どもの貧困をなくすのは福祉だけではダメ、教育からの対応も必要。今の学校選択制が教育の格差につながっている。隣保館に集まる子どもの意識を見ると親の意識も変えていく必要がある』

○20代男性

『大人の学び直しが必要、働きながら学ぶ機会がほしい。学ぶことにより人間を大切にする心が出るのではないか。社会はもっと教育に寛容になってもいいと思う』

○70代女性

『解放同盟西成支部の仕事について教育に関わってきたが、今、ひ孫をみていて昔の教育実態と変わらない気がする。昔は、保育所などが保護者や保母に対応したり、話し合いをしてきたが、今はできないのか。しかし、これまでの同和教育は間違ってなかったと思う』

7.まとめ 教育無償化の意義

①教育を受ける事は知識や情報を手に入れる力がつき、人権尊重や貧困、戦争をなくしていくことにもつながり、人が人として幸せに生きていくために重要な事。
②これまでの貧困対策の無償化から多様化する社会や価値観の実態をふまえ未来への投資という考えに転換し、教育の機会均等を求める事。
③幼児教育はすべてにおいて無償化を求め、小・中学校は給食費や修学旅行費も無償化を求める。
④高校教育は義務教育化の検討を求め大学教育は奨学金の無利子化や卒業後の所得と連動した奨学金制度を求める。
⑤学校での教育に限らない多様な学びの実態をふまえ、フリースクールやインターナショナルスクールなどにも教育無償化を求める。

vol19「大阪市の平成28年度予算案について」

第19回フォーラムにしなりは、大阪市会議員・武なおき議員を講師に迎え大阪市の平成28年度予算案につ いての説明をいただきました。当日は地域住民や教育関係者、企業、団体、行政など40数名の参加があり有意 義な意見交換会となりました。
また今回のフォーラムは新年度予算案がテーマということもあり、案内チラシに事前アンケートをつけて配布 し、当日の意見交換に活用させていただきました。

税金の使い道をチェックしよう

前大阪市会議員 小林みちひろ

 年度末は来年度の予算を検討する時期です。先日、吉村市長が大阪市予算案を提案されました。私たちの生活に直接ひびいてくる大阪市の予算をしっかり学び、どのように生活が変わるのかをいっしょに考えたいと思います。
一方、予算執行の是非を決める大阪市会議員の役割も重要です。市会議員の仕事には主に、①市民の生活相談(福祉や教育、まちづくりなど)をうけ、その声を大阪市に届け、改善していくこと、②税金の使い道について無駄を省き、市民生活がより良くなるよう提案することがあります。自分が鶴見橋中学校の社会科の教師のとき生徒に国民の3大義務を教えました。①教育を受けさせる義務、②働く義務、③税金を納める義務。予算の原案提案は大阪市長ですが、その案を審議しOKを出すのは大阪市会です。市会議員は市長提案を追及したり、違う形のものを提案したりするなど市会で審議し決めていきます。ちなみに、自分が市会議員に初当選した13年前、大阪市の年間予算は一般会計
・特別会計合わせて約4兆3000億円ありました。大阪市の予算は直接私たちの暮らしに大きく関わることなので、その使い道についてしっかり学習したいと思います。
議会がどれだけ私たちの為にしっかり議論しているかをチェックするのも市民の大事な役目です。こういう視点で皆さんからの意見をお願いします。

市民の声を議会に届ける議員に

おおさかみらい大阪市会議員団 武なおき大阪市会議員

はじめに

 生野区選出の武なおきです。今回2期目の市会議員をさせていただいています。市民の方から議員や議会は何をやっているのかわからないという声をお聴きします。そこで、今期の自分のテーマは「議会の見える化」と「対話による政策づくり」です。今日のように、市民の皆さんとの対話を基本にまちづくりを進めていきます。

なぜ議員になろうと思ったのか

 自分は岡山県の出身で、大学では社会福祉を学びました。その後、生野区の社会福祉協議会に就職し、地域活動やNPO活動、食事サービスとか地域活動を応援する仕事に就きました。地域密着型で活動しているため、障害者や高齢者の方の生活相談や市民の地域活動の悩みなどの相談を受けました。そのたびに関係者と一緒に区役所に行って話をしますが、担当職員は理解してくれても上の役職の人や本庁までは声が届かない現状がありました。
一社会福祉協議会職員ではなかなか声が届かないことが現場では多々ありました。これを変えるにはどうしたらいいのだろうと仲間たちと話していたら、「それは議員になるしかないで」ということになり、そしたら自分が議員になろうと決意しました。
選挙のことは何もわからなくて、最初は無所属で立候補しましたが落選しました。応援団もいなかったし、ビラも一人でポスティングし、演説会もどうするかも分からないような状況で、選挙の難しさを感じました。また民主党公認で補欠選挙にも出ましたが維新の会に負けました。しかし次の選挙で当選できました。
議員になって変わったことは、大阪市に直接、意見を言ったり要望したりできるようになったことです。市民の意見や地域の課題を大阪市に届けられるようになりました。

大阪市議会の現況

 現在大阪市会は「おおさか維新」が37人、「自民党」19人、「公明党」19人、「おおさかみらい」2人、「共産党」9人の構成になっています。自分たち「おおさかみらい」は2人しかいません。しかし、その二議席によって議案の賛否が左右されるような議案も、この間の大阪市会ではありました。
多数決で過半数の議員が賛成したら条例や施策が成立します。過半数ではなく3分の2の議決が必要な事項もあります。例えば地下鉄やバスなどの交通機関の民営化や水道の民営化・株式会社化という案件はその重要性のために、3分の2の賛成が必要になります。
議員には議決のために調査する権限があります。例えば、西成の高齢者の人口や虐待件数などの数字を出してもらったり、事業の経過や資料、効果測定などを調査し、議案の検討材料にします。

大阪市会のあり方(大阪市会だより参考)

 市役所の8階には本会議場があります。ここで市長が市会議員86人に予算案などを説明します。本会議場で各委員会に議案が付託され、各々の議員が案件を議論します。
大阪市会には6つの常任委員会(①民生保健、②都市経済、③教育こども、④建設消防、⑤財政総務、⑥交通水道)があり、各議員はいずれかの常任委員会に所属します。自分は建設消防委員会です。また常任委員会とは別に特別委員会というのがあって、市政改革特別委員会、大都市税財政特別委員会、環境対策特別委員会があります。
本会議場での代表質問は5 人以上の会派に限られています。代表質問では市長にまず会派の考えを述べ、質問します。次に各委員会で詳細を議論し、各委員会で採決を行います。例えば、最近ではヘイトスピーチ条例の議案がありました。これは財政総務委員会での議論となり、被害者の裁判費用をどうするかなどが議論されました。この議案は各会派の賛否が拮抗しており、最初は全会派一致だったものの、最終的に自民党が反対に回りました。結局、財総委員会で賛成が過半数になり、本会議場でも自民党以外の賛成で可決しました。ところが、本会議場にカラーボールが投げ込まれるという事件もあり、それだけこの事案は世の中でも賛否が分かれていたと思います。

平成28 年度予算案の主な項目の説明

 吉村市長は平成28 年度の予算について基本方針を大きく3 つ出してきました。①豊かな大阪をめざした政策推進、②新たな価値を生み出す市政改革、③新たな自治の仕組みの構築。この三つを柱に今年度の予算の概要は次のようになります。(大阪市の平成28 年度予算案から資料は抜粋)
まず、来年度の予算の概要ですが、予算総額として3 兆6,973 億円あります。そのうち、一般会計は1 兆6,509 億円で目的別に見ますと、福祉費が5,449 億3,800 百万円で約33%を占めています。子ども青少年の費用は1,872 億7,500 百万円です。
次に子どもの教育・医療、無償都市大阪を目指した予算として、5 歳児にかかる幼児教育の無償化で25 億2,000 万円。子どもの医療費助成に75 億9,600 万円。15 歳(中学生)で終了していたのを18 歳到達後の最初の3 月まで延長などです。
待機児童の解消をはじめとした保育を必要とするすべての入所枠の確保に向けて、43 億3,900 万円。また、中学校給食事業も温かい給食の提供など学校調理方式への移行にともない、26 億2,200 万円を計上、平成31 年度2 学期までに全校で実施を目指します。平成28 年度2 学期より中学校(18 校)を学校調理方式へ移行します。
子どもの貧困に対する取り組みとして、実態調査費など600 万円。児童相談所の複数設置に2 億7,600 万円計上しています。
真に支援を必要とする人々のための施策として、特別養護老人ホーム建設助成として37 億6,500 万円。認知症初期集中支援推進事業に3 億2,600 万円。生活困窮者自立支援事業に5 億1,100 万円。就労
自立支援に5 億4,100 万円を計上。西成区特区構想で、あいりん地域環境対策整備事業や、子どもの居場所づくりのためのプレーパーク事業。簡易宿泊所設備改善助成事業や薬物依存者等サポート事業な
どで総額9 億3,400 万円計上。このほかにも都市魅力の向上、大阪の成長戦略、うめきた2 期区域まちづくり、鉄道ネットワーク、防災・震災対策、密集市街地整備、観光集客ビジネスチャンスなど多岐にわたって予算が組まれています。また、官民連携で地下鉄、バス、上下水道、幼稚園、保育所、博物館、一般廃棄物収集輸送について積極的に民間開放を推進していくとなっています。最後に都構想関連で、「副首都・大阪」の将来ビジョンも、副首都推進本部を設置して進めていく、とされています。

フォーラムの声

 今回の案内チラシの事前アンケートにご回答いただいた皆さまのご意見です。

【70 歳代・男性・旭区在住】

(1)中学校給食をよいものにするのは賛成ですが、業者が見つからな      いということは難しいところです。旧同和推進校の給食設備を使用したりセンター校方式にするのはどうでしょうか。
(2)市民交流センターが廃止になった後、利用している高齢者の居場所づくりが必要では?

【60 歳代・男性・都島区在住】

(3)私はこれまで、釜ヶ崎・今宮中学ケースワーカー・鶴見橋中学校・長橋小学校など長橋地域に関わってきました。この地域の素晴らしい実践を、全国的に広がりつつある子どもの貧困について西成から発信していく必要があると思います。

【60 歳代・男性・西成区在住】

(4)中学校給食は賛成でできるところから早く始めてほしい。
(5)子どもの貧困調査は賛成だが、現場の学校教師が子どもの貧困についてどれだけ理解しているのか疑問に思う。
(6)幼児教育について、早い時期からのカリキュラムと、保小連携や発達障害の子どもたちへの対応が必要だと思う。
(7)都構想は情報提供が大事、公平な学習の機会が必要。

【40 歳代・男性・西成区在住】

(8)子どもの貧困が大きな問題となっています。市民交流センターで実    施している「子ども食堂」への支援、ボランティア派遣、食材の提供など周知してほしい。
(9)公営住宅の入居者の高齢化が進んでいます。孤立死や自治活動     の担い手がいない、引きこもりなどの問題解決のために、自治活動を担うことを業務にした若者・中高年の入居募集や子育て世代の大幅入居などの政策入居を進めてほしい。
(10)西成区北西部は老朽密集市街地で大規模な震災が起こると甚大な被害を受けると言われています。国の事業を活用しても問題の解決には至っていません。震災が起こってからでは取り返しのつかないことになるため、早急に整備できる仕組みづくりを行ってほしい。

次回のご案内

第2 0 回フォーラムにしなり
4 月2 0 日( 水)午後6 時3 0 分~                     於: にしなり隣保館「スマイルゆ~ とあい」

vol.18「戦争法廃止・辺野古新基地建設阻止・改憲阻止にむけてどう闘うか」「大阪市幼稚園保育料5歳児の無料化について」

第18回フォーラムにしなりは、2月2日(火)に、昨年12月に新設された民設の「にしなり隣保館」で開催いたしました(参加者50余名)。 今回は、第1部として元衆議院議員の服部良一さんを講師に招き、昨年成立した安保関連法の問題点や沖縄の基地問題などについて学習しました。
第2部は小林みちひろ前大阪市会議員より、この4月から大阪市が実施予定の「5歳児の教育費無償」についての説明を受け、意見交換を行いました。
戦争法廃止・辺野古新基地建設阻止・改憲阻止にむけてどう闘うか                      

                         元衆議院議員 服部 良一

西成で住み政治運動をしています。

私は現在、津守の西成公園横に住んでいます。20歳くらいのときに西成に来て、当時部落解放同盟西成支部と運動を共にし、特に夜行バスで東京まで狭山闘争に行ったことを思い出します。その頃、津守にある昭和起重機製作所に就職し、33年間そこで働きました。その後、政治活動を経て衆議院議員になり現在も政治運動を展開しています。

最近の国会の動き

まず今国会は色々なテーマがあります。中でもゼロ金利の問題、銀行にお金を預けたら利子がつくのではなくて手数料を取られるという常識では考えられないことです。普通の銀行が日本銀行に預けたら手数料を取られるということです。新たなアベノミクスの方針で安倍政権の経済政策は、我々の年金基金を投入して株価を上げることを中心に行っています。また、TPPの問題です。日本の農業に大きく影響しますし、本当の狙いは医療保険や年金保険だと言われています。次に労働法制の問題、これは残業代がつかないというただ働きを可能にする法律が準備されています。

戦争する国へ、改憲の動き

昨年は戦争法反対の集会が全国的に繰り広げられましたが、この間秘密保護法が成立しました。これは秘密国家にするような法律です。また武器輸出3原則廃止により、日本も武器を作る国になろうとしています。それに集団的自衛権の閣議決定など、安倍総理は今夏の参議院選挙に勝ち、秋の臨時国会で改憲草案を発議して来年4月の消費税が上がる前に憲法改正の国民投票を実施するのではないかと言われています。
去年「安保関連法案」が国会で審議されましたが賛成的意見が多い中、潮目が変わったのが去年6月4日に自民党・民主党・維新の党の各党が推薦したすべての憲法学者の意見が、この法案は憲法に違反していると発言したことでした。自民党が推薦した学者までもが憲法に違反していると判断したことは非常に大きなインパクトを与えました。

戦争法で自衛隊がどうなっていくのか?

3月29日から施行される戦争法、私はこれを「戦争法」と呼びますが、安倍政権は平和安全法制と言います。まずこの法律により集団的自衛権を行使できるようになり、他国の防衛を意味します。自衛隊をアメリカ
の戦略に使うことでもあり、その時に国会のチェックが本当に可能かどうか問題です。また自衛隊はいつでもどこにでも行けるようになります。しかし後方支援も安全とは言えません。自衛隊関係者によると逆に一番危ないそうです。自衛隊が戦場に出て行って救助することが可能となる法律で、例えばアメリカ軍が中東などで空爆している時、自衛隊が救助に向かうことができるようになります。
また、他国に対する武器の提供も可能となり、発進準備のアメリカ軍機に対する給油も可能となります。武器使用の緩和にもつながり、現在一番危険なのはPKOで南スーダンに派遣している自衛隊員です。自衛隊が初めて現地で武器を持ってパトロールすることになるのではないでしょうか。これによりアフリカ、中東の戦争に巻き込まれる可能性も出てきます。今回の戦争法に一番不安を感じているのは自衛隊員だと思います。中谷防衛大臣は自衛隊のリスクは増大しないと言いましたが、それは真っ赤なウソで死の危険があります。

戦争法で日本はどうなる

この法律のキーワードは「切れ目のない安全保障」です。つまり24時間いつでも戦争できる体制になるという意味です。「警察と自衛隊の境目は?」「日本の自衛隊とアメリカ軍との切れ目は?」「平和と戦争の境目は?」など、切れ目のない安全保障の中でうやむやにされてしまう危険があるのが、今回の戦争法です。
また基本的人権や財産権などが侵害される恐れもあります。現実に民間のフェリー会社なども防衛省と契約しており、防衛省が要請したら72時間以内にフェリーを出すという契約もスタートしています。そして、船員も予備自衛官にしようという考えもあります。第2次世界大戦では6万人の民間船員が死亡しています。次の段階になると自治体への協力要請が出てくるでしょう。港、空港、建物、人員、物資、救急搬送、病院などを活用するために自治体に要請が来ます。国の権限を強化し、文民統制が破壊されていくでしょう。

沖縄の問題

2013年に沖縄のすべての自治体首長・議会・超党派の政党で「建白書」を作成しました。これはオスプレイ配備と普天間基地県内移設反対の内容です。
翁長知事の言葉に「沖縄のことは沖縄が決める」「沖縄のアイデンティティ」「誇りある豊かさ」という言葉があります。終戦後、基地があればお金を落とすという時代もありましたが、今は米軍基地が沖縄経済発展の阻害要因であり、基地を撤去し民間が来て雇用を作る方が、沖縄は発展するという考え方です。しかし現在も辺野古の闘いは続いています。翁長知事はあらゆる手段を使って基地建設を止めたい考えで、そのひとつに土砂埋め立て許可を取り消すというのがあります。基地をつくるのに埋め立て用の土砂がたくさん必要で、沖縄だけでは足りずに本土からも運んでこようとしています。これを条例で規制しようとしていますが、埋め立て許可取り消しは全面的な裁判闘争になっています。

戦争法の廃止に向けて

政治の反撃が必要です。国会に戦争法廃止法を出そうとする動きや参議院選挙での野党協力の実現も重要です。現在はシールズとかママの会とかいろんな団体の動きもあり、大阪でもデモをしたり新しいうねりが出てきています。また2000万人署名なども考えています。これらを含め司法判断を求めるために全国一斉に違憲訴訟も行いたいとも思います。
いずれにしても私たちは歴史の重大な転換期にいます。平和憲法がいよいよ変わるかもしれません。現在憲法9条はまだ変わっていません。しかし、今年7月衆・参議院選挙が実施され、自公政権が多数3分の2を取れば、今年の秋にも憲法改正の住民投票があるかもしれません。今、こういう時代になって来ています。沖縄県民も基地建設反対に頑張っていることも知っていただいて、一緒に連帯して頑張っていけたらいいと考えています。

大阪市幼稚園保育料5歳児の無料化について
                         前大阪市会議員 小林 道弘

今回の改正で大きなポイントは3つです。
①現在は5歳児のみだが、今後教育として考えると対象を広げていく視点が必要です。
②年収が多い家庭も含めた所得制限なしの事業をどう考えるのか。大阪市財政との関係も考えることが必要です。
③大阪市の幼稚園・保育所は無料ですが、無認可は認めないとなっています。市は認可していない所は把握できない、としていますが、それで多様化する社会の現状を捉えられるのでしょうか。また、認めるならばどんな方法が考えられるでしょうか。
このたび5歳児だけと決めたのは、待機児童の数が大阪市全域で二人だけでした。ただ幼稚園と保育所の教育の時間の決め方が違います。幼稚園は4時間教育ですが、保育所は決まっていないので、おおよそ半分が教育ということで、その分が無料になりました。
無認可の問題は大阪市が実態を把握しきれないという理由で、このたび無認可の事業所は5歳児無料化の対象から外されました。西成でも無認可のインターナショナルスクールも出てきたので大阪市に意見を出していきたいと思います。

 

フォーラムの声

服部発表をうけて

(質問) 基地闘争など沖縄の事で報道で知らされていないことがあれば。
(質問) 米兵の事件事故は沖縄では多く起きている。しかし、日米地位協定により日本の警察は手が出せなく県民はほとんど泣き寝入りの状態。まともな補償はもらえないのが現状です。
(質問) 今回の宜野湾市長選挙結果をどう見るか。
(服部) 負けた要因はいろいろあるが、今回は新人という事もあり選挙スタートが遅れた。また基地に反対だという人も勝った人に票を入れている。地方選挙は辺野古新基地ひとつだけでの選挙ではなかった。
(会場) 今回の選挙報道は沖縄だけの問題のようになっていた。市長選挙の争点が基地だけのようになっていて、これで反対派が負けたら辺野古にいくやろという書き方になっていたと思う。
(質問) 普天間移設関連で、本土に基地を引きとろうという動きについての考えについて。
(服部) 本土に基地を引き取るということは、パフォーマンスとしてはありえても運動としてはありえない。アメリカに基地を引き取ってもらうようにしないといけない。
(質問) 戦争法案に反対するある政党などは、破棄しようとする考えを出しているが、一旦できた法律を破棄するよりも抑止・抑制する法案が大事だと思うがどこか準備・研究しているとこがあるのか。
(服部) 戦争法が明らかに憲法違反というところもあるので訴訟も視野に入れて考えている。また廃止法案の骨子も民主・維新(東京)で作っているので、他会派の意見も取り入れて進んでいくと思う。
(質問) 今回の法律に反対の声が大きかったが、現在の日本の置かれている状況を考えるとどうなのか。
(服部) 安倍政権のもと、「中国の脅威」などといった宣伝に惑わされてはいけない。現実的に中国との戦争は考えれないし大局で考える必要がある。

小林発表をうけて

(会場) 前大阪市長の橋下さんはこれまで「地方分権で改憲」と言っていたが、今回は「教育無償のために憲法改正を」と言い出している。教育や分権で憲法を変えようとする世論を作ろうとしていることに危惧を持っている。過去の歴史を考えると簡単に憲法を変えることがあってはならないと思う。

 

今後フォーラムのありかたは、意見を書いていただくとか学校や地域などにフィールドワークに行くとか色々な形を考えていきたいと思います。次回は武市会議員をむかえて大阪市の新年度予算について勉強します。

VOL16「市長公約を考える」

あっという間

11月22日夜8時。知事・市長ダブル選挙の投票が終わりました。それから1時間足らずで、知事選では松井氏の当確、少し遅れて市長選の吉村氏の当確が報道されました。

前回のフォーラムで、知事選は松井氏が優勢であり、市長選では柳本氏が苦戦するだろうとお伝えはしていましたが、想定以上の大差でした。西成の補欠選挙は接戦でしたが、1000票あまりの差で維新の岡田氏が当選しました。トリプル選挙は大阪維新の会の勝利に終わりました。

橋下氏は政界をいったん引退しますが、これからの4年間も引き続き大阪維新の会に府政・市政の改革の主導権が委ねられることになります。

今回のフォーラムでは小林道弘さんに選挙戦の振り返りと市長公約から吉村新市長による改革を読み解いていただきました。

そして、これからの4年間は、何ができるのか。参加者でワイワイ語り合いました。

151124-1

【報告】小林 道弘  さん

■まちの声

「こばみち教えたろか、柳本さんが負けたんは、共産党と手を組んだからや。」「岡田さんが勝ったんは、喫茶店で自ら握手してたからや。」などなど、選挙戦が終わってから、まちの人はそれぞれの選挙分析を僕に教えてくれます。特に年配の男性はあちこちで政治談議をしています。

ネットの世界でもフェイスブックやツイッターで敗因や勝因を分析する人もたくさんいますが、地元西成の補欠選挙を分析してみました。

 

■1万票はどこに?

当選した岡田さんは1万7千票で矢田さんは1万6千票。前回の市議会選では維新の辻氏・藤岡氏の得票数が合わせて1万5千票だったので、維新支持票はそのままスライドした感じです。自民党の柳本さんは8千票だったのでそれに共産・民主支持層票を合わせると1万5千票ぐらいになります。

残るは、西成で1万票を持つといわれる公明党の票ですが、この部分が不明です。真相は知りませんが、今後のことを考えて維新支持でも反維新でもない態度をとったとも考えることができます。

 

■不思議な負けなし

ヤクルトを日本一に導いた野村監督は「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし。」と言っているように、選挙戦を振り返ると、負けるには負けるだけの必然性がありました。

1つ目は「既得権益の改革に対する姿勢」。柳本氏も改革を訴えてはいましたが、既得権益の追求については、維新のこれまでの実績が市民の支持を集めました。

2つ目は「わかりやすさ」。維新が提案する「市場原理を重視した政治」「多数決による迅速な意思決定を重視する政治」「自己決定で地方が決める政治」といったイメージに対峙できるような「再分配」「熟議」「中央追随(政権与党)」といったことをイメージできる政策提案が不十分でした。印象に残る提案は、市バスの敬老パス1回50円の負担見直しといったところでした。

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■新市長の公約は?

吉村新市長の選挙公報を見ると、具体的な政策はほとんど書かれていません。これまでの維新の実績が中心に書かれ、このまま改革を続けていく姿勢はわかるのですが、市長としてしたい独自の政策は伝わってきません。やはり「都構想」への再チャレンジが一番のテーマになるのだと思います。

当選会見でも明言されていましたが、4年の間にもう一度「都構想」が議論され、住民投票が実施されると思います。ただ、府議会・市議会とも維新は単独過半数ではありません。公明党の「都構想は反対でも、住民投票はやってみよう」という姿勢がなければ、5月の住民投票は実現しませんでした。西成区補欠選で消えた1万票のように、次の衆議院・参議院選挙をにらんだ公明党の動きには注目が必要です。

また、維新がつくった都構想は住民投票で否決されましたが、次の案は、他の政党の意見に耳を傾けながらつくるとも言っています。こうした状況で自民・共産・民主も引き続き都構想に反対するならば、しっかりとした改革の対案を示すことが必要です。市民は「大阪市がなくなること」には反対でしたが、改革を求めています。

 

【みんなの声】

■敬老パスの復活

○正直、ここまで大差で負けるとは思っていなかった。反維新、反橋下だけではもうもたない。しっかりと維新の政策にも向き合って、評価すべきものは公正・適切に評価し、維新の政策であっても、時には応援することがあってもいいのではないか。

○まちづくりには行政の協力は不可欠。行政との新しいパートナーシップを模索するためにも、地域で政策提案力を高め、行政に提言できるしくみづくりが必要だと思う。

■都構想は周辺市町村も

○これから都構想がもう一度議論されるが、大阪市と大阪府だけの都構想であれば反対。豊中市や堺市など周辺の市町村を巻き込みながらでなければ、都構想の意味がない。

○都構想を府民の立場で考えると『なるほど』と思うことも多いが、大阪市民の立場で考えると『やっぱり損』なことが多すぎる。

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■府民も市民も冷静に

○ダブル選は負けたけど、大阪が東京のようになれるというのは幻想にすぎない。大阪が副首都になっても、企業がついてこなければ、税収は伸びない。財源がなければ、結局、国の言いなりになってしまう。

○上・下水道・交通局が民営化されたらムダが省かれ、よくなると考えている人も多いが、電気・ガスのように、赤字になった瞬間に値上げをするのが民営化の姿。結局、市民にツケが回ってくることをしっかりと知っておくべき。

 

■これから考えたいこと

○東京オリンピック後に、大阪万博開催の話も出ている。わかりやすいけど、半世紀前と同じ話をして意味があるのだろうか。それよりも、地域に密着して新しい産業や仕事を興せるような地域分権が必要では。

○交通局が民営化された場合、大手私鉄のように子会社をいっぱい作るのではないか。単に営利や効率化を追求するだけでなく、大阪市が公益性や政策性を持たせた取り組みは、民営化後も継続させるべき。

○政策の伝え方を考えたい。橋下さんのワンイシュー政治がいいとは思わないが、丁寧に説明したのに何も頭に残らない、というのは考えもの。

○維新の全否定ではなく、次の住民投票まで、約3年の時間をかけて大阪の改革案を共に考えたい。そのためには設計図づくりも必要だし、議員に伝える必要もある。フォーラムというこの場に、西成選出の議員を招いて議論を築いていきたい。

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次回のフォーラムにしなり

フォーラムにしなり(第17回)は新年1月の開催を予定しています。

決まり次第、お伝えいたします。みなさま よいお年をおむかえください

フォーラムにしなり‚ŠVol.16

小林氏 当日資料 市長公約を考える