vol.18「戦争法廃止・辺野古新基地建設阻止・改憲阻止にむけてどう闘うか」「大阪市幼稚園保育料5歳児の無料化について」

第18回フォーラムにしなりは、2月2日(火)に、昨年12月に新設された民設の「にしなり隣保館」で開催いたしました(参加者50余名)。 今回は、第1部として元衆議院議員の服部良一さんを講師に招き、昨年成立した安保関連法の問題点や沖縄の基地問題などについて学習しました。
第2部は小林みちひろ前大阪市会議員より、この4月から大阪市が実施予定の「5歳児の教育費無償」についての説明を受け、意見交換を行いました。
戦争法廃止・辺野古新基地建設阻止・改憲阻止にむけてどう闘うか                      

                         元衆議院議員 服部 良一

西成で住み政治運動をしています。

私は現在、津守の西成公園横に住んでいます。20歳くらいのときに西成に来て、当時部落解放同盟西成支部と運動を共にし、特に夜行バスで東京まで狭山闘争に行ったことを思い出します。その頃、津守にある昭和起重機製作所に就職し、33年間そこで働きました。その後、政治活動を経て衆議院議員になり現在も政治運動を展開しています。

最近の国会の動き

まず今国会は色々なテーマがあります。中でもゼロ金利の問題、銀行にお金を預けたら利子がつくのではなくて手数料を取られるという常識では考えられないことです。普通の銀行が日本銀行に預けたら手数料を取られるということです。新たなアベノミクスの方針で安倍政権の経済政策は、我々の年金基金を投入して株価を上げることを中心に行っています。また、TPPの問題です。日本の農業に大きく影響しますし、本当の狙いは医療保険や年金保険だと言われています。次に労働法制の問題、これは残業代がつかないというただ働きを可能にする法律が準備されています。

戦争する国へ、改憲の動き

昨年は戦争法反対の集会が全国的に繰り広げられましたが、この間秘密保護法が成立しました。これは秘密国家にするような法律です。また武器輸出3原則廃止により、日本も武器を作る国になろうとしています。それに集団的自衛権の閣議決定など、安倍総理は今夏の参議院選挙に勝ち、秋の臨時国会で改憲草案を発議して来年4月の消費税が上がる前に憲法改正の国民投票を実施するのではないかと言われています。
去年「安保関連法案」が国会で審議されましたが賛成的意見が多い中、潮目が変わったのが去年6月4日に自民党・民主党・維新の党の各党が推薦したすべての憲法学者の意見が、この法案は憲法に違反していると発言したことでした。自民党が推薦した学者までもが憲法に違反していると判断したことは非常に大きなインパクトを与えました。

戦争法で自衛隊がどうなっていくのか?

3月29日から施行される戦争法、私はこれを「戦争法」と呼びますが、安倍政権は平和安全法制と言います。まずこの法律により集団的自衛権を行使できるようになり、他国の防衛を意味します。自衛隊をアメリカ
の戦略に使うことでもあり、その時に国会のチェックが本当に可能かどうか問題です。また自衛隊はいつでもどこにでも行けるようになります。しかし後方支援も安全とは言えません。自衛隊関係者によると逆に一番危ないそうです。自衛隊が戦場に出て行って救助することが可能となる法律で、例えばアメリカ軍が中東などで空爆している時、自衛隊が救助に向かうことができるようになります。
また、他国に対する武器の提供も可能となり、発進準備のアメリカ軍機に対する給油も可能となります。武器使用の緩和にもつながり、現在一番危険なのはPKOで南スーダンに派遣している自衛隊員です。自衛隊が初めて現地で武器を持ってパトロールすることになるのではないでしょうか。これによりアフリカ、中東の戦争に巻き込まれる可能性も出てきます。今回の戦争法に一番不安を感じているのは自衛隊員だと思います。中谷防衛大臣は自衛隊のリスクは増大しないと言いましたが、それは真っ赤なウソで死の危険があります。

戦争法で日本はどうなる

この法律のキーワードは「切れ目のない安全保障」です。つまり24時間いつでも戦争できる体制になるという意味です。「警察と自衛隊の境目は?」「日本の自衛隊とアメリカ軍との切れ目は?」「平和と戦争の境目は?」など、切れ目のない安全保障の中でうやむやにされてしまう危険があるのが、今回の戦争法です。
また基本的人権や財産権などが侵害される恐れもあります。現実に民間のフェリー会社なども防衛省と契約しており、防衛省が要請したら72時間以内にフェリーを出すという契約もスタートしています。そして、船員も予備自衛官にしようという考えもあります。第2次世界大戦では6万人の民間船員が死亡しています。次の段階になると自治体への協力要請が出てくるでしょう。港、空港、建物、人員、物資、救急搬送、病院などを活用するために自治体に要請が来ます。国の権限を強化し、文民統制が破壊されていくでしょう。

沖縄の問題

2013年に沖縄のすべての自治体首長・議会・超党派の政党で「建白書」を作成しました。これはオスプレイ配備と普天間基地県内移設反対の内容です。
翁長知事の言葉に「沖縄のことは沖縄が決める」「沖縄のアイデンティティ」「誇りある豊かさ」という言葉があります。終戦後、基地があればお金を落とすという時代もありましたが、今は米軍基地が沖縄経済発展の阻害要因であり、基地を撤去し民間が来て雇用を作る方が、沖縄は発展するという考え方です。しかし現在も辺野古の闘いは続いています。翁長知事はあらゆる手段を使って基地建設を止めたい考えで、そのひとつに土砂埋め立て許可を取り消すというのがあります。基地をつくるのに埋め立て用の土砂がたくさん必要で、沖縄だけでは足りずに本土からも運んでこようとしています。これを条例で規制しようとしていますが、埋め立て許可取り消しは全面的な裁判闘争になっています。

戦争法の廃止に向けて

政治の反撃が必要です。国会に戦争法廃止法を出そうとする動きや参議院選挙での野党協力の実現も重要です。現在はシールズとかママの会とかいろんな団体の動きもあり、大阪でもデモをしたり新しいうねりが出てきています。また2000万人署名なども考えています。これらを含め司法判断を求めるために全国一斉に違憲訴訟も行いたいとも思います。
いずれにしても私たちは歴史の重大な転換期にいます。平和憲法がいよいよ変わるかもしれません。現在憲法9条はまだ変わっていません。しかし、今年7月衆・参議院選挙が実施され、自公政権が多数3分の2を取れば、今年の秋にも憲法改正の住民投票があるかもしれません。今、こういう時代になって来ています。沖縄県民も基地建設反対に頑張っていることも知っていただいて、一緒に連帯して頑張っていけたらいいと考えています。

大阪市幼稚園保育料5歳児の無料化について
                         前大阪市会議員 小林 道弘

今回の改正で大きなポイントは3つです。
①現在は5歳児のみだが、今後教育として考えると対象を広げていく視点が必要です。
②年収が多い家庭も含めた所得制限なしの事業をどう考えるのか。大阪市財政との関係も考えることが必要です。
③大阪市の幼稚園・保育所は無料ですが、無認可は認めないとなっています。市は認可していない所は把握できない、としていますが、それで多様化する社会の現状を捉えられるのでしょうか。また、認めるならばどんな方法が考えられるでしょうか。
このたび5歳児だけと決めたのは、待機児童の数が大阪市全域で二人だけでした。ただ幼稚園と保育所の教育の時間の決め方が違います。幼稚園は4時間教育ですが、保育所は決まっていないので、おおよそ半分が教育ということで、その分が無料になりました。
無認可の問題は大阪市が実態を把握しきれないという理由で、このたび無認可の事業所は5歳児無料化の対象から外されました。西成でも無認可のインターナショナルスクールも出てきたので大阪市に意見を出していきたいと思います。

 

フォーラムの声

服部発表をうけて

(質問) 基地闘争など沖縄の事で報道で知らされていないことがあれば。
(質問) 米兵の事件事故は沖縄では多く起きている。しかし、日米地位協定により日本の警察は手が出せなく県民はほとんど泣き寝入りの状態。まともな補償はもらえないのが現状です。
(質問) 今回の宜野湾市長選挙結果をどう見るか。
(服部) 負けた要因はいろいろあるが、今回は新人という事もあり選挙スタートが遅れた。また基地に反対だという人も勝った人に票を入れている。地方選挙は辺野古新基地ひとつだけでの選挙ではなかった。
(会場) 今回の選挙報道は沖縄だけの問題のようになっていた。市長選挙の争点が基地だけのようになっていて、これで反対派が負けたら辺野古にいくやろという書き方になっていたと思う。
(質問) 普天間移設関連で、本土に基地を引きとろうという動きについての考えについて。
(服部) 本土に基地を引き取るということは、パフォーマンスとしてはありえても運動としてはありえない。アメリカに基地を引き取ってもらうようにしないといけない。
(質問) 戦争法案に反対するある政党などは、破棄しようとする考えを出しているが、一旦できた法律を破棄するよりも抑止・抑制する法案が大事だと思うがどこか準備・研究しているとこがあるのか。
(服部) 戦争法が明らかに憲法違反というところもあるので訴訟も視野に入れて考えている。また廃止法案の骨子も民主・維新(東京)で作っているので、他会派の意見も取り入れて進んでいくと思う。
(質問) 今回の法律に反対の声が大きかったが、現在の日本の置かれている状況を考えるとどうなのか。
(服部) 安倍政権のもと、「中国の脅威」などといった宣伝に惑わされてはいけない。現実的に中国との戦争は考えれないし大局で考える必要がある。

小林発表をうけて

(会場) 前大阪市長の橋下さんはこれまで「地方分権で改憲」と言っていたが、今回は「教育無償のために憲法改正を」と言い出している。教育や分権で憲法を変えようとする世論を作ろうとしていることに危惧を持っている。過去の歴史を考えると簡単に憲法を変えることがあってはならないと思う。

 

今後フォーラムのありかたは、意見を書いていただくとか学校や地域などにフィールドワークに行くとか色々な形を考えていきたいと思います。次回は武市会議員をむかえて大阪市の新年度予算について勉強します。