Vol5「大阪市を解体していいのか?」

「大阪都構想?」「大阪市解体構想?」

2月17日のフォーラムにしなりでは、5月に予定されている「大阪都構想」「大阪市解体構想」とも呼ばれる住民投票を先取りしてみました。その結果は、

「賛成  19票」

「反対 103票」

「無効  10票」

ここでは『否決』されましたが、参加されたみなさんが住民投票の結果、『どうなるのか』をどれだけ知っているのか探るためにも、簡単な大阪都構想クイズも用意しました。

「①住所はどうなる?」

「②新中央区に入らない区は?」

「③地下鉄は誰のものになる?」

「④ごみ収集はどこがやる?」

「⑤議員定数はどうなる?」。

みなさんわかりますか?

具体的には『わからない』のに大阪都を実現するための住民投票だろうと思い込んでいませんか?

そんな参加者の本音が見え隠れした様子をお伝えします。

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【報告】小林 道弘 さん

■住民投票はいつ?

実はまだ住民投票が実施される日時は厳密に言えば決まっていません。公明党が賛成に心変わりしたので、維新の会とあわせると大阪市議会で過半数をこえます。このままいけば、可決されて、おそらく『5月17日』に実施されるだろうということです。

ただ、政治の世界はわかりません。大どんでん返しがあるかもしれません。

■何を決める住民投票?

今回の住民投票は大阪都構想の賛成・反対を決めるものと誤解されています。今回の投票は「大阪市をなくして5つの特別区に解体するか」を決めるためのものです。聞きなれない言葉になりますが、大阪府・大阪市特別区設置協議会がまとめた「特別区設置協定書」の賛否が問われているのです。

協定書の中には、「大阪都」という言葉は一言もありません。そこに書かれているのは「24区をなくして、5つのブロック割の新しい区にするよ」ということです。だから僕は「大阪市解体構想」と呼んでいます。西成区は中央区、西区、天王寺区、浪速区と一緒になって新しい中央区をつくることになっています。賛成が多ければ、住所は『大阪府』中央区西成長橋・・・となるのでしょう。

ただ、一部にはイメージが悪いからこれを契機に「西成」を削ろうと主張している方もいます。名前をとったら、このまちの問題が解決するとでも思ってるんでしょうか?

1300年の歴史ある「西成」をなくすというバカな話で断固反対ですが、どうなるかはわかりません。

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■誰が投票できるの?

今回は市議会や府議会議員の選挙と同じで、子どもたちは投票できません。永住外国人も投票できません。西成北西部には多くの在日コリアンが住んでいますが、投票できません。税金を納め、生活するまちの未来を決める大事な投票にも関わらず。

でも、2月22日に実施される沖縄県・与那国島の基地問題を問う住民投票では、永住外国人も、中学生も投票できます。条例さえつくれば、住民投票は選挙と違うしくみでやることもできます。

しかし、今回の住民投票は3年前、急ごしらえで作られた「大都市地域における特別区の設置法」で公職選挙法を規定するとあり、大阪市議会では議論の余地もない住民投票となります。

■そもそもの大阪都って?

大阪都構想は、「大阪が東京に負けているのは、大阪府と大阪市の二重行政など無駄が多いからだ。堺市や周辺市と一緒になって『大阪都』をつくって、効率化を図り、東京に負けんとこう」ということでした。

でも、堺市は大阪都にはならないと言っています。大阪市民だけの投票では大阪都にはなれないんです。今回の投票が可決されても、国で地方自治法を変えて、大阪府民で住民投票をして可決されてはじめて「大阪都」になるんです。そもそも2つあるとすべてが二重行政ですか?府立と市立の2つの体育館があったとしても、しっかりと利用されていたら、二重行政ではないはずです。

しかも効率化が図れるといっても、本当のところはわかりません。当初、松井知事は効果額が年4000億円はあると言われていましたが、大都市局の試算では年間1億円程度しか効果額は見込まれません。問題なのはそれ以上に、新しい区役所の建設やシステムの導入費用などに680億円もかかることです。

市民や企業も住所の表記変更などで相当な手間とお金がかかります。民営化が議論されていた地下鉄や家庭ごみ、水道もどうやって効率化を図るのかは明確ではありません。

都構想だけでなく、連携をしっかりとれる体制づくりで効率化が図れるはずです。

■大阪市には戻れない。

大阪市の予算は約8500億円です。このうち6418億円が大阪市独自の財源です。政令市というのは、普通の市町村よりも権限が強く、市民が納めた税金を市民のためにより多く独自に使うことができます。でも、「大阪市解体構想」が可決されると、自分たちで決めて使えるお金は4分の1になります。残りの4分の3は大阪府に権限が渡り、極端な言い方をすれば、いままでは使えた大阪市民の税金が、他の市町村民のために使われることになるのです。

最後に1つだけ大切なことを。今回の住民投票が可決されれば、5つの特別区にうまれかわりますが、やっぱり大阪市時代がよかったから、もう一回戻そうと思っても、『もう戻れません』。そんな法律はありません。大阪市解体の片道きっぷということを知っといてください。

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【報告】冨田 一幸 さん

■この街をずっと・・・

「フォーラムにしなり」はわけのわからない組織で、いろいろみんなで話をしてきましたが、今回で5回目です。これからは「この街(大阪市)をずっと・・・」という視点でしっかりと議論し、住民投票にむけた取り組みを進めていきます。

今日の模擬投票は圧倒的多数が「反対」で、多くの参加者はバカな住民投票と感じているかもしれませんが、このままいけば「賛成」が勝つと予想しています。これをひっくり返さないといけません。

せめて大阪市がつぶれることになっても、「わからないでつぶす」のではなく、「わかってつぶそう」。そのためにみんなで「都構想」を勉強しましょう。

■知ってますか?都構想

8つのフレーズで今回の住民投票を言い表してみました。

①「都」にはなれません!

②5つに分割されるだけです!

大阪市は都になれず、特別区に分かれるだけの「大阪市解体構想」の住民投票です。でも、多くの市民は2年後に「大阪都」ができると思い込んでいませんか?

③1人6万円が返ってきません!

納めた税金のうち1600億円が市の外に行きます。高齢化や貧困といった問題は大都市に集中的にあらわれてコストがかかるのに、このままではサービスが低下します。

④これじゃ改革の先送りです!

いろんな改革の議論をしてきたのに、協定書にはごみは「特別区」で、地下鉄は「大阪府」で判断すると書かれています。これは改革の先送りじゃないですか。

⑤「西成総合区」が一番いい!

⑥府市連携で「ワン大阪」です!

都構想だけでなく、自治法が改正されて「総合区」という制度も「連携協定」を結ぶこともできるようになりました。

これらを使えば、区長の権限がアップして、区長を評価できて、各区でサービスを検討でき、大阪市「西成総合区」という選択肢もあります。大阪市を解体して大阪府と1つにしてしまうと、元には戻せないというリスクがあるのだから、協定を結んで二重行政をなくす「ワン大阪」という選択肢もあります。

⑦「わからない」は「反対」と書きます!

極端な話、5月の住民投票にいったのが2人だけでも、結果は有効です。投票率が何%以上必要という取り決めがありません。

もし丁寧に説明を受けても、元から間違っていることは何度聞いても「わからない」。つまり「わからない」は「反対」ですが、投票率の取り決めがないから「わからない」「行かない」は賛成を応援することになってしまいます。

⑧橋下市長は「しゃべりすぎ」!

「住民投票は憲法改正の予行演習だ。」と言ったそうですが、予行演習なんかいりません。橋下さんは大阪市長です。憲法という国の問題を出すのはおしゃべりがすぎます。

■やっぱり「わからない」

みなさんわかりましたか?

今日のクイズも多くの人が間違っています。やっぱりまだ「わからない」。都構想の投票に行ったつもりが、特別区への解体構想の投票に・・・。なんてことにならないよう、みんなで勉強しましょう。

次回は3月11日。大阪府6兆円と大阪市3兆円の借金がどうなるのかを、前府会議員で大学の先生もしている西脇氏にしっかり聞きましょう。参加希望の方には、チケットをお渡ししますので、いつでもお問い合わせください。

アンケート結果

 

みんなのこえ

■東京都みたいになれる?

○『都構想』と聞くと、東京都みたいに、国の言うことを聞かなくても、自由に決められるイメージがあるけど、本当にそうなるの?

□地方交付税もいらない金持ち自治体の東京都だから、国からも自由であって、「都構想」が実現して「特別区」になったからと言って、自由になるわけでも、豊かになるわけでもありません。ましてや、大阪都になってカジノができても、豊かになるわけがありません。

■福祉のまち西成?

○福祉のまちということは、それだけ税金を使うということ。新しい中央区に入る他の4区が本当に西成を受け入れてくれるのか?

○独自の財源を持たないと、福祉が削られる。いっそのこと、西成区は単独区にできないのか?

□4年前に市長に同じ質問をしましたが、答えは「ノー」でした。西成区は他の区と一緒に中央区の一員となります。新区役所は、いまの西成区役所を使うそうです。

■協定書はどこで読める?

○協定書の話が出ていましたが、一般にも公開されていて読めるのでしょうか?

□大阪市はペーパーレス化を推進していて、HP上では公開されています。もし紙がよければ、いつでもお渡しします。

□住民投票の内容については、市長と知事が説明することになっていますので、これから協定書のダイジェスト版も出るはずです。お見逃しなく。

■堺市はなぜ政令市のまま?

○今回の住民投票が大阪市民だけで、堺市は政令市のままで残るのはなぜですか?

□竹山市長が都構想に反対ということ。政令市になったばかりで、二重行政といわれても実感がわかない点もあるでしょう。

■何がわからないかも「わからない」

□在日外国人が投票できないこととかはわかりましたが、可決されたときに自分たちのくらしにどんな影響があるかは、まったくわからなかった。

○聞けば聞くほど、難しくてわからない。もう少し具体的な影響を教えてもらえると、賛成か反対かは決められるのに。

○可決されると、元に戻れないのが少し気になる。

○詳しいことはわかりませんが、西成の名前が消えるかもしれないのなら、「反対」です。

□わかっていることは、大阪市民にとって、自分たちで納めて、自分たちで決めて使えるお金が4分の1になるということと、5つのブロックに分割されるということです。

□あいりん対策でも大阪市に24区の総合力があったから対応できたが、新しい中央区に入る5区だけで対応しろと言われたら、土台無理な話。予算がないから福祉がカットされるといった事態だけは避けないといけない。

□確かに「生活がどうなるか」ということが、一番気になると思います。市長は大阪府からしっかりと予算を確保するとは言っていますが、本当にいまのサービスが維持できるのか、福祉がカットされないのかなど、次のフォーラムでは、具体の生活がどうなるのか、いろんなところに協力をお願いしてシュミレーションしてみます。

 

フォーラム西成Vol.5本文

フォーラム議題

小林氏 当日資料

冨田氏 当日資料

都構想クイズ

投票用紙

第6回フォーラムにしなりチケット

 

Vol4 「防犯と町会」を考える

つながりは防犯力?

「町会」のいま。

新年あけまして、おめでとうございます。第4回の「フォーラムにしなり」は『防犯と町会』がテーマです。このテーマは第1回目の参加者からいただいた「防犯をいつか話したい。」と言う声をうけたものです。
この間、地域のみなさんに協力いただき、聞き取り調査を実施しました。近隣関係や町会加入状況、日々の不安などみなさんがどう感じているか、少しだけ探ることができました。その報告をベースに西成警察の犯罪統計や市政モニター調査などのデータも紹介しながら、「治安が悪い」「怖い」というイメージが付きまとう「西成」のいまについて語り合いました。
また、地域のつながりを探る上でも、地縁団体の代表的な組織「町会」をとりあげ、その歴史や役割をおさらいし、参加されていた町会長さんからは、日ごろの苦労や活動についての生の声をいただきました。

【発題】飯島 照喜 さん
■つながりと不安は関係する?
北西部地域住民の地域に対する「不安」と「地域のつながり」状況を、「住まいと生活アンケート調査」(120名回答)からみてみます。

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■不安に感じることは?
街に不安を感じたことがありますかという項目では、3割強の方が不安を感じています。6割近くの人は不安がないという回答です。地域別に見ますと、中開や北津守で不安があると答えた人が50%を超えています。
不安の内容は、「近隣の空家」や「ごみが増えた」、「独り暮らしになった」、「怖い経験をした(空き巣・不審者など)こと」、「夜道が暗い」などです。背景には、居住者の減少と高齢化がうかがえます。
地域別に見ますと、旭は近隣の空き家が増えた。出城は怖い経験をした。長橋は一人住まいが増えた。中開は近隣のごみが増えた。北津守は、夜道が暗いと顔見知りが減った。鶴見橋は均等にあります。
次は、つながりの強弱を、町会加入率で見ますと、大阪市の町会加入率は71%となっています。北西部全体では50%ぐらいです。隣人とのつながり関係では、50%の人が顔を知っているとなっています。

■西成区の犯罪状況と不安
二つ目は、西成区の犯罪状況から「不安」の内容についてみてみました。
西成区の犯罪の傾向を見ますと、刑法犯罪245件、街頭犯罪は111件で前年より増加しています。街頭犯罪7手口の中では、自転車盗難が圧倒的です。52%です。その次は車上荒らしです。大阪市内の中では、刑法犯罪は6番目、街頭犯罪は9番目です。いずれもトップは中央区です。
最後に、防犯カメラについて市民意識調査を見ますと、9割に市民が安全・安心を確保するため、防犯カメラを設置するほうがよいという回答をしています。あいりん地域では、通学路にカメラの設置に力を入れています。

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【発題】荒木 幹雄 さん
■町会の歴史
町会、いわゆる地域共同体は、中世ぐらいからあったといわれますが、1940(昭和15)年、戦争への国民の総動員を前提に、内務省訓令により、市町村を補助するための下部組織として、町内会・部落会の全国的な整備がなされます。
戦後、GHQにより廃止されますが、実態としては続いていきます。大阪市では日赤奉仕団という形でつづき、同じ組織で振興町会を兼ねます。2008年のデータで、大阪24区に区振興町会があり、331の連合町会、4056の単位町会があります。連合町会も年々高齢化が進んでいます。

■町会の役割
人間は同じ土地に定住して、一緒に生活していると共同で解決すべき問題が生まれてきます。ごみの処理や公園の活用など、そういった問題に対処するのが町会です。地縁組織で全世帯加入が原則です。
また、町会の仕事には、行政からの事務委託、つまり印刷物の配布や連絡事務、募金の協力依頼などがあります。
核家族化や個人中心の生活が進むと、子育て支援や独居老人の見守り、また災害や犯罪に対する不安から、防災防犯などに町会の役割が期待されます。

■防犯と町会
犯罪多発地区の特徴として、地域の暗さがあります。一つは物理的に街灯や防犯灯が少なくて暗い、もう一つは地域に元気がない暗さがある、といわれます。街灯をつけたり物理的な問題は解決できても、街を元気にする取り組みはなかなか大変です。
防犯の具体的な取り組みは、青色パトロールが法的に認められ,NPO法人まちづくり今宮防犯パトロール隊、玉手青色防犯隊、西成区役所がパトロールに取り組んでいます。
ただ、パトロールだけではなく、子供や青少年の犯罪を防ぐためには、居場所づくりを家庭・地域・学校の総意を尽くして進め、地域に魅力を感じられる状態にすることが大切です。
また、防犯カメラの設置を求める声は大きいですが、地域の力で防犯に努めるといったことに町会への期待がかっています。
みんなのこえ

■町会の加入状況
○新しく西成に入ってきた生活保護世帯の多くは町会には入っていない。「勧誘されていない。」と言う声もあるが、こちらからすれば、声のかけようがない。
□新しい住民が町会に加入するかは、生活保護の有無に限らず新しいマンションが建つ際にはよく起こる問題。建設時にオーナーや管理組合に働きかけて、町会加入を勧めることが大切かな。
○天王寺や阿倍野の高級マンションは、町会加入率が高い。なぜ?
□恐らく、共益費に町会費が含まれている。町会費というより、防犯や安全・安心のためにも共益費を払っているという感覚が強いのだと思う。
○町会に入らなかったら、何か影響はあるの?
□回覧板は受け取れません。ただ昔は回覧板が行政や地域の情報を得る大切な手段でしたが、今はインターネットやゴミの収集日等の情報は管理会社が掲示したりしています。
□地域側からすると、地域活動の活性化やひとり住まいの孤立予防など、地域コミュニティに参加してもらうきっかけとしては大切かな。
○なんで、加入しないのだろう?
□なにより、問題は「町会に入っても入らんでも、どっちでも良い」という、中途半端なところにあるのでは。

■町会費の相場と徴収方法
□うちの町会費はわずか200円。コーヒー一杯が300円。地域や自分の暮らしを考えたらどっちがええ?と問い続けて、加入してもらっている。
○200円と言うのは一般的?
□300円・500円の町会もある。ただ、それぞれ意味合いが違う。500円の場合はその他費用(日赤募金等)も含まれているのではないか。
○町会費は銀行振込できるの?
□毎月、班長さんが個別訪問で徴収している。これを嫌がる人は多い。
□確かにめんどくさいけど、地域役員がボランティアで頑張っている姿を知って欲しいから続けている。ただ、歳をとると階段の上り下りはきつい。
□マンションの共益費として強制的に入会してもらう方法もあるだろうし、その時は徴収代行として、管理組合とかと交渉して町会費を値引きするのも可能では。
○マンションやアパートは、住民というより、オーナーの理解により態度が変わるのでは?
□町会加入の意義づけは難しいだろうけど、区役所が開発の段階で業者に町会加入を推奨したりできないものかな。

■行政と町会
○地域活動協議会が新しくできましたが、会計は複式簿記になりました。経理経験の無い人には正直難しい。家計簿みたいな単式簿記でええと思う。確かに一部の団体で不正会計があったかもしれないが、多くの町会は不正に関係ない。地域で頑張っている人を、さらに苦しめているように感じます。
○役所はなぜ、生活保護受給者に、行政の一部の仕事を担う町会加入をすすめないのか。
□町会は公的だけど、町会だけがコミュニティ団体ではないので、特定の団体への加入を勧めたりすることを嫌がっているのでしょう。
□町会は区役所の本来業務をボランティアでしている、という合意ができれば、区役所が加入促進をできる可能性はある。

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■おまわりさんはどこに?
○昔は怖いことがあれば交番に駆け込めたのですが、今は交番におまわりさんがいないことが多くて不安です。
□府警も空き交番の解消には取組んでいるみたいですが、常駐は難しいのでしょう。
□今は、準おまわりさんみたいな警察OBが嘱託で交番にいます。ただ、以前相談に行ったら、根掘り葉掘りいろんなことを聞かれて、「その内容なら、警察署に行ってください。」って。何の役にも立ってないやん。
○住民が意識的に出来る防犯対策は、見知らぬ人には、笑顔で声を掛けることぐらいですかね。やはり、住民だけに任せず、警察にも役割は果たしてもらいたい。
○準おまわりさんみたいな、ボランティアは出来ないのかな。
○警察官そのものではなく、自警団は無理だろうか。
□重大事件に巻き込まれる可能性もあるので、それはするべきではないと思います。
□自警団は無理でも、青色パトロールは可能かな。行政からの予算措置もあるし。

■防犯カメラをつけるには?
○防犯カメラはどうやったら設置できるの?
□単に「この辺が暗いから。」と言う理由では、行政も設置しません。通学路など教育的安全のために、町会が協力して、区役所と協議する必要があります。
○でも、設置の助成金も設置費用の一部だし、維持費用は町会まかせ。助成金といえば、聞こえはいいけど…
○防犯カメラもいいけど、カメラがなくても安心なまちをつくるのが大事では。
○まちがどんどん都市化していく中で、危険度が増えていくのはわかる。でもどうしてカメラが増えなければならないかを話す必要はあります。
□カメラが嫌なのは分かるが、24時間の管理は人間には出来ないから、必要だと思う。特に、子を持つ親はカメラを必要という意見が多いし、人権の視点を持つ人は反対派が多い。

■西成区のイメージ
○今日の報告で、西成の犯罪件数は市内6位でしたが地域を商売型と生活型に分けると、生活型では西成が1位になりませんか。
□その通りで、中央区、浪速区、天王寺区と繁華街が上位を占めています。これは必然ですね。
□それに加えると、外国人の犯罪率が無視できない数字になっています。一位の中央区は65~70カ国、西成でも37・8カ国の方が在籍しています。
○しかしなぜ西成のイメージはこれだけ悪いのか。
□3回の暴動は大きかったみたいです。あと「西成」の名前で少し偏りのあるセンセーショナルな報道をしています。一度報道に「他の地域で同じ事件が起こったら、同じ様に名前をだすのか。」と抗議にいきました。

■新しい人に来てもらうには?
○土地・建物の値段は犯罪件数からも影響を受けるはず。犯罪が減ったら、値段は上がるだろう。ただ、何かに取り組むことで犯罪が減ったという理由があれば、なおさら値段も上がりそう。
□町会や地域が努力しているところに住みたいという人は結構いるはず。そこに市場原理が働いて、治安で地域が潤う。そして若い人が住み、町会が潤う。こんな好循環になれば。
□安心の象徴として「町会加入率」受け入れられるようになればおもしろい。

■企業と町会
○企業の町会加入状況は?
□うちは一律200円。ある地区では企業は1000円。地域との関係をつくらないと仕事しにくいこともあるので、積極的に町会に協力してくれる企業もあります。

■新しい町会像
□北九州では、「町会に入って、暴力団を追放しよう。」と区長が先頭に立って、結束力で解散まで追い込んでいます。町会も伝え方で変わるかもしれない。
□今回、アンケートをとっていると、最初は嫌がるのに、話しだすと、止まらない。自覚してないけど、話をできるような場所を求めている人は多いのかもしれない。町会がそんな場を提供できないかな。

 

フォーラムにしなりVol.4本文

飯島氏 当日資料

飯島氏 当日スライド

荒木氏 当日資料

荒木氏 当日資料 投票結果

荒木氏 当日スライド

 

Vol3 「民営化問題」を考える

2つ目の『民』?
「民営化問題」を考えた

第3回の「フォーラムにしなり」は『民営化問題』がテーマです。
大阪市ではバスや地下鉄、上下水道、ゴミ収集・保育所などの民営化が検討されています。議会では否決されましたが、まったなしの財政状況を考えると、民営化がすすみ、サービスの向上と業務の効率化が図れるのであれば、これ以上ないことです。
でも、過度な効率化が進むとサービスの切り捨てが起こるのでは。危機管理体制は大丈夫か。一部の民間企業しか参入できないのでは。という心配があるのも事実です。
そんな話から始まったフォーラムでしたが、「民営化は『民』間企業だけ。市『民』はないの?」はたまた、「公務員の給与の決まりかた」「民営化が進んだときの行政の役割」「過度なダンピングの予防策」「事業の継続性を担保する指定管理者制度のありかた」にまで話が広がりました。

【発題】荒木 幹雄 さん

■なんで民営化?
民営化というのは国や自治体の事業について、民間企業にゆだねるもので、民間委託やPFI、独立行政法人化や指定管理制度などがあります。民営化にするのは、行政では赤字経営で効率が悪い、公務員の給料が高すぎるといった問題があり、一方ではもうかる仕事は民間も参加させよう、競争で住民サービスを充実させようといったことがあります。

■どんな民営化があるの?
今までの民営化の歴史は、明治時代の官営工場の民営化、製鉄会社・炭鉱が払い下げられた例などがあります。
戦後は中曽根内閣の国鉄がJRに、電電公社がNTTに、専売公社がたばこ産業に、最近では小泉内閣の郵政民営化などが代表例です。
最近は国事業の民営化から自治体事業の民営化に焦点が集まってきました。PFI法や構造改革特区法、指定管理者制度の導入や地方独立行政法人法、市場化テスト法など法律も整ってきています。
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事業別に見ますと、都道府県立の病院事業は、医師・看護師の不足、診療報酬の削減、未収金の増加などの問題もあって、行政と切り離して、法人化されたりしています。8年前には府立病院が独立法人化され、5つの病院機構になりました。
公営地下鉄事業は9都市にあります。地下鉄は建設費が巨額に上り、支払利息が収益を圧迫しています。経営状態は3都市ずつに分かれます。黒字は大阪、東京、札幌。利益はあるが支払利息を賄いきれない仙台、横浜、名古屋。純利益が赤字の京都、神戸、福岡。いま民営化を検討しているのは横浜と大阪です。京都は公営の中でリストラと運賃の値上げで、経営健全化に取り組んでいます。
水道事業は、水需要の伸び悩みを受けて料金収入は頭打ち、収益環境は厳しい状況です。明治時代から自治体が原則経営していて、ノウハウを持つ民間企業は少なく、公営から民営に移行した水道事業はありません。ただ、関連業務のアウトソーシング化を実施しているところはあります。

【発題】小林 道弘 さん

■公のしがらみ
公というのは法律でがんじがらめにされていて、やりにくい面があります。その点、民の方が自由にできることがあります。昔は公しかできなかった事業も民間に力が備わってきて、公に替わってできるようになってきた。
また、NPOなどの公益活動の新たな担い手も登場しました。そういった中でサービス向上や財政再建の問題を含め、大阪市では各事業の民営化について議論がされています。

■行政の役割
民営化が検討されているのは、交通・上下水道・ゴミなど大きくは3つです。これらは長らく行政サービスとして位置づいていましたが、私鉄があったり民間廃棄物業者もあったりで、『公』でなければならないのか。それとも『民』でできるのか。といったところを慎重に議論しています。
特に「効率性と公平性のバランス」や「いのちの問題や非常時対応」など財政再建だけではない行政の責務としての視点も持ちながらの検討です。

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■個別の検討状況
まずは、地下鉄とバスですが、11月議会は否決しました。市長の思い付き答弁も含め、少し政治の駆け引きに使われている面が嫌われました。再度民営化案は出てくるでしょうが、いくつかの問題を解決すれば、民営化がすすむでしょう。もう1つ、誤解が多いので整理しますが、地下鉄の1区間180円の値下げは民営化を目指すから安くなったのではありません。消費増税分をそのままにすると一桁の端数が出るので、2区間230円が240円などの便乗値上がり分の調整として、1区間を180円にしたというのが本当のところです。
次に、水道事業です。水道は施設と運営を別にして、運営だけを民間にまかせる方法を提案しています。私は水の民営化については反対です。水はひとの命にかかわる問題です。琵琶湖を水源に持つ近畿各地は、行政組織だからこそ横の連携ができ、琵琶湖になにかあった時にすぐに対応できますが、現時点に民間が参入してもそうはいきません。フランスでは水道の民営化をすすめましたが、水道料金が高くなったりで、再公営化が検討されています。
ゴミ収集の環境局も予定ではもう民営化しているはずでしたが、議会の否決でまだ実現していません。紙などのゴミ収集では民間参入を進める一方、家庭ごみ回収の現場では退職不補充が続いていて、このままではサービスが低下します。はやく結果を出さないといけません。
ただ、オール大阪市が対象のゴミや水道は、都構想の動き次第で民営化を決めても施設の配置状況に矛盾や無駄が起こるので、慎重に検討しているところです。
その他にも福祉施設や幼稚園、卸売市場なども含めて民営化が議論されています。すでに民営化された事業でいえば、病院がすでに独立行政法人になりましたし、施設のほとんどに指定管理者制度が導入されています。
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みんなのこえ

■給与はどうやって決まる?
○交通局や環境局の職員給料は人事院勧告で決めるのはおかしいではないか?
○世の常識は収支のバランスで給料はきまるものだし、交通局の職員と私鉄の職員は何が違うのという意味では、純然たる公務員だとは思えない。
□大きな開発を伴う事業を官としての大阪市が実施した経緯があって、大阪市が経営するわけだから、そこで働く人は『公務員』ということ。またスト権もないので、人事院勧告に準じてきたのだろう。
○でも、人事院は国家公務員の一般職職員の給与について勧告するだけで、ならうかどうかは各自治体の議会判断ではないの?となると、議会が経営を判断することになるが、政策を考える場で適切に判断できる?民間業者が育っている事業で、経営のことを考えるなら民営化の方が適しているのでは?

■官と民。その間には公がある。
□民営化を前提に考えるのは大切。でも困る人も出てくる。例えば「赤バス」や「ゴミのふれあい収集」などの取り組みの継承方法も考えないと。これまでは、「市営」=「官営・公営」と言っていたけど、市場原理の民間企業による「民営」と行政がやらなければならない「官営」の間にあるのが、「公営」とわけて考えて、地域原理の市民参加による「『市民』営」の領域も考えていきたい。
○赤バスも民間企業は参入しないと当たり前のように言われているが、NPOなどの「市民営」ならやるところが出てくるかもしれない。年収500万円ないと無理という人ばかりではないし、福岡市の葬儀屋は自分たちが使っていないときに、社会福祉協議会にバスを無償で貸している。
○民営と官営は分かりやすい。勝手に公営と言っているだけで、本当は特権的イメージのある官営をどうしますかというのが、「民営化」の本質では。
○税収が豊富にある時代ならまだしも、同じ仕事で「官」と「民」の賃金が大きく変わるのは納得できない。

■民営化で地域も豊かに
○安易な民営化は反対。明治時代は最初だけ国にやらせて、大きな民間企業が引き継ぐ形でボロ儲けということもある。いまでは、ハローワークや自治体の就労相談に大手派遣会社が参入していっていて、大きな資本の言いなりはいやだ。
□あるNPOの人が「わたしたちは、公務『民』やねん」と言っていた。「市民営」と同じこと。大きな資本の「民」だけではなく、地域の小さな「民」もある。
○行政だけでサービスやっても官製ワーキングプアが増えるんだったら、民営化で豊かになろうというぐらいの意気込みが欲しい。そうしないと、ダンピングダンピングで恐ろしいことになるかもしれない。お金だけでなく、地域への付加価値をどう評価するか。
○いまでも、民間保育所の若い保育士の給与は安すぎる。そのうえ、これから少子化もあるし、本当に経営が成り立たなくなる可能性もある。
○事業評価にもう少し熱心にならないと、安かろう悪かろうの問題や、数字で見える効率化ばかりを追い求めてしまうと、本来の事業趣旨が忘れ去られてしまう可能性がある。
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■誰のための民営化?
○中曽根内閣時代に国鉄がJRに変わって、一大闘争が起きていたけど、国民は困ったのかな?概ね評価されているのでは。ただ、原発の導入を決めたのもその時で、これは禍根を残している。
○いまの議会は最低。発言者の好き嫌いで賛成反対を決めているのでは。市民を見てる?
○民営化の議論はわかりにくくなっている。たぶん、民意は民営化賛成だと思う。でも、民営化していい部分とダメな部分があるのもわかっている。そこの整理をしっかりすることから始めたらわかりやすい。
○民営化だけでなく、指定管理制度もなんとかならないか、3年でおしまいと言われたら、指定管理者も中長期の視点を持って運営できない。利用者も「明日から指定管理者が変わります。」は困る。継続性を担保できるしくみを考えられないか。
□非常時対応が難しい。東日本大震災の時も直営だからカウンターパート方式で、環境局が活躍できた。災害時に家族をほってでも現場に駆けつけるのが公務員の使命。同じような危機管理が民でも構築できないと、民営化は進みにくい。
○行政の役割を民でも担える契約や評価、権限委譲をしっかり考えないと。
■ゴミはどうなった?
○一般廃棄物のゴミセンターをまずは民営化して、そこから家庭ゴミ収集の民営化という話だったけど、どうなりました?
□ゴミ収集は公務員と民間で賃金が大きく離れているという議論がありますが、いまの「ふれあい収集」「労働者への感染症予防対策」「災害時の対応」「3人体制での収集」などの仕組みを維持するとなった時に、本当に民間並みの賃金で希望者が出るのか。という心配もあります。
○市民からの「安全・安心・信頼」というのは大切なことだけど、それをふまえても、今よりは賃金が安くても希望者が来るのでは。
■これからの行政は?
○極度の民営化がすすむと行政の機能も変わるのでは?
□政策づくりのしごとや、委託業務とかのチェック・コントロール機能に集中するだろう。その時は、議会ももっとスリムになってるだろうけど。
○チェック・コントロール機能ばかり強化したら、何のために民間がやっているのかわからなくなる。創意工夫を導入しやすい民間がやっていることを忘れて、単なる行政サービスの代行業者、下請けに過ぎない形が民営化だったら空恐ろしい。

フォーラムにしなりVol.3本文

レジメ

小林氏 当日資料

荒木氏 当日資料

 

Vol2 「西成特区構想」を考える

どこまで知ってる?
『西成特区構想』

第2回の「フォーラムにしなり」は西成特区構想がテーマです
橋下市長は西成特区構想を「えこひいき政策と言われても、地域が変わるということを示し、大阪全体のまちづくりに生かしたい」と決意表明し、圧倒されるほどのスピード感と情報公開の徹底で西成区役所のHPに行けば、誰でも大体の資料を手に入れることができます。HPには動画もあります。ついこないだの資料も議事録もあります。大阪都構想とならんで、テレビや新聞で目にすることが多いはずです。
最近では9月からスタートした「あいりん地域のまちづくり検討会議」が30人もの住民(委員)が参加するボトムアップ型の取り組みとしても紹介されていました。
でも、実際にみんなは、どこまで知っていて、どんなところに興味を持っているのでしょう。そんなところを知りたくて、寺嶋さんと小林さんが発題しました。

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【発題】寺嶋 公典 さん

西成特区構想は、2012年2月のプロジェクトチームから始まりました。生活保護率が非常に高く、高齢化が進み、若い世代が少ないなど多様な課題を抱える西成区の活性化を大きな目標にしています。
そこでは、「子育て・教育」「住まい」「環境対策」「安全」などに関わる様々な分野から西成を総合的にとらえなおし、大阪市の各局長が一斉に集う中で、議論されました。
また、役所の中だけで議論するのではなく、「幅広く意見を募集すること」「過程を公開すること」を意識し、2012年中は市長と市民の公開懇談会やシンポジウム、そして12回に及ぶ有識者座談会が開催され、「西成特区構想有識者座談会報告書」が取りまとめられました。この報告書の中では、「①短期集中的な対策」「②中長期的な対策」③「投資プロジェクトや大規模事業」の3つの段階に分けた8分野56項目の具体的な提言がされていました。
これらの実現にむけ、2013年度には実際に事業化されたものや議論を深めるための4つの専門部会「地域資源活用」「観光振興」「環境・福祉」「こども・子育て」が設けられるなど、5年程度のスパンで取り組みが始まっています。
具体的には「①短期集中的対策」として、あいりん地域を中心とした、ゴミの不法投棄や薬物など。「②中長期的対策」として、西成区全体の将来をふまえた、子育て施策、子育て世帯の呼び込み策など。「③将来に向けての具体的なプロジェクト・大型事業」として、あいりん総合センター・日雇労働市場の今後のあり方などがあります。
そして、実際のお金ですが、特区構想には、2012年度は9億円、2013年度は13億円がつきました。2013年度からは防犯カメラ、道路照明灯の整備、塾代助成(1万円助成)などの事業が始まり、2014年度には大阪府・大阪市・大阪府警察本部があいりん地域を中心とする環境整備の取り組み【5か年計画】がスタートしています。

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ただ、「あいりん地域」での取り組みが先行していることもあり、「実際に北西部に関わるところがあるの?」との声もよく耳にしますので、北西部で関わるところを整理してみました。
まず、子どもの居場所づくりとして、「プレイパーク」の設置があります。子どもが思い切り遊べる冒険遊びの場として、暫定的に西成公園などで開催されていますが、来年4月に梅南小学校に統合されることになった、津守小学校を「プレイパーク」としての活用する計画もあるようです。
また、新今宮の「ひと花センター」という高齢者のつながりづくりや居場所づくりに取り組む事業が、北津守の空地に「ひまわり迷路」をつくっていました。もっと近くでも、市民交流センターの隣にある研修情報センターに西成区の歴史や地図が学べる「にしなりアーカイブ」が設置されています。
いまでは、大阪市全域に広がった「教育バウチャー」(塾代助成)も西成区が先行していました。でも、北西部には塾が少ないということもあり、今年からは鶴見橋中学校で月曜日と金曜日の放課後に「西成まなび塾」がスタートしています。

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確かに、ゴミの不法投棄をした人が逮捕されたニュースなど、ゴミの不法投棄対策や防犯カメラの設置、覚せい剤の取り締まり強化、あいりんセンターの今後などあいりん地域の出来事が多く報道されていることは事実ですが、整理をすると、実は北西部でも西成特区構想がらみの事業が展開され、参加できる取り組みもあります。

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ただ、北西部には大阪市が所有する「未利用地」がたくさん残っています。有識者座談会ではこの部分の活用方法についても議論されていたので、今後どうなるか注目したいと考えています。

【発題】小林 道弘 さん
特区とは簡単に言えば「規制緩和」のこと。国には法律、地方には条例があり、できることできないことが、縦筋で決まっていることがいっぱいあります。
例えば保育所関係なら厚生労働省、商店街のことなら経済産業省などと決まっています。だから、地域という面的な整備をする場合には、横ともいえる他の省庁の規制を外したり、認可を取ったりする必要があります。これらの規制緩和を一定の地域・特別な区域に認めることが「特区」です。
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では、西成特区構想の「特区」は、どうでしょう。本来であれば、局と局との壁を超えて、横断的な事業を行うことになるのでしょうが、今の段階では、新たな事業の予算化、いわゆる「えこひいき策」が先行しています。部局横断型のプロジェクトチームや有識者座談会など、広く意見を募った取組ですが、本来の意味の「特区」とはいえないので、厳密には「特区」と言わない方がいいと思います。全国にもさまざまな特区がありますが、規制緩和をして経済を発展させようというようなものがほとんどです。最近では「カジノ特区」が分かりやすいと思います。
西成特区構想のスタートはあいりん地域でした。その中心は「結核対策」と「治安対策」です。西成区が先行した「バウチャー」や「プレイパーク」などは子育て環境の整備という点で評価されますが、西成全体が変わるにはインパクトが弱い。「西成区」特区であるならば、基本的に西成区全体を対象とするにもかかわらず、今のところは、あいりん地域が中心になっています。
環境整備の5か年計画もタイトルに「あいりん地域を中心とする」と書かれていますし、覚せい剤等の薬物取引の取締や防犯カメラの設置など安全対策が進められているのは、あいりん地域です。今のところ、特区構想の要はあいりん地域の改善です。ただ、何度も言いますが、「西成区」特区構想を意識しているのであれば、西成区全体を対象に、面的に規制を緩和していくことが必要です。
では、どうやったら「西成区」特区になるのでしょう。まずは、西成区の実態を知ることが必要です。役所のメンバーと議論をするときには、24区の中での西成区のポジションをはっきりさせています。
例えば、西成区の高齢化率は24区で1番高い。生活保護率、空家率、不法投棄、結核発生率、救急車出動率、火災発生率なども1番となっています。その反面、市税収入、自動車保有率は24区でワースト1です。この良い悪いの1番を入れ替えるような取組こそが、「西成区」特区にふさわしいと思います。
岸里や玉出は関係ないとの声もあり、まだまだ、オール西成のコンセンサスは得られていない面もあります。「西成特区=あいりん特区」で終わらせないためにも、西成区全体をみすえた提案をしていきます。

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【発言】冨田 一幸 さん
「特区」とは縦割りを横割りに使うのが基本で、西成区特区構想は西成区を「特別扱い」にしただけといえます。そのなかで、「あいりん総合センター」のあり方については場所を変えて規模は縮小し、日雇労働市場は残すということで「雇用特区」になるかもしれない。職安を超えた労働相談ができる公的な場所はなく、また日雇労働市場は多様な働き方の1つとして捉えることもでき、「労働のシリコンバレー」になる可能性がある。
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「あいりん地域」の定義に「地勢的あいりん地区」と「社会的あいりん地区」があると思う。昔、簡易宿所密集市街地といった人がいる。最近は福祉アパートが点在している地区、ホームレス多住地区などと定義されている。あいりん地域をどう定義するかで、人々の見方は変わります。
来年生活困窮者支援法が施行されることもあり、生活保護は抑制されます。それから西成区の統計、平均を比べることは、信用できないところもあります。あいりん地区が数字をグーと上げているところがあるので。
「防犯カメラの設置」に対して、カメラを設置するならば、人によるパトロールで対応したほうがいいのではないのか。治安対策を雇用創出や会社設立につなげるという海外の事例もあり、さらに西成特区に雇用をプラスするということでもいいのではないか。

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みんなのこえ

○まわりでも、西成特区構想は、我々には関係ないという人は多い。「あいりん地域のことでしょ。」と考える人は多い。

○西成特区だけでなく、お隣の浪速区では浪速「得」区として、大阪市の未利用地を活用する取り組みが始まっている。淀川区ではLGBTを応援したり。各区独自の取り組みをもっと知りたい。

○テントからから福祉アパートに入居した方は、風呂もエアコンもなしでもいい、屋根さえあれば、という方がいて、古いアパートがそのまま残る。

○登校時は集団で通学するが、下校時はバラバラで帰宅する、防犯カメラがあれば一定の抑止力になる。あいりんだけでなく他の地域にも付けてほしい。

○ホームレス支援の経験からすると、特区はあいりん地域中心のイメージである。それにより周辺の文化と断絶・落差につながるのではないかと思う。畳のある生活になっても、生活歴の問題もあり、ごみ屋敷化することも考えられ、それがどんどん周辺のまちに拡がり、あいりん化する。居酒屋のママもまちが変わってきたといいます。よい意味ではなく、生活保護の普及に合わせて、周辺にそのライフスタイルが波及し、あいりん色になってきたということです。

○昔は西成は悪いニュースばかりだったけど、最近は西成特区構想や音楽ライブなどいいこともよく出ていて、郷土心はくすぐられる。

フォーラムにしなりVol.2本文

レジメ

寺嶋氏 レジメ

寺嶋氏 当日資料1

寺嶋氏 当日資料2

小林氏 当日資料1

小林氏 当日資料2

Vol1 『人口減少問題』を考える

さぁ!はじめよう。
『フォーラムにしなり』

「フォーラムにしなり」が10月3日にはじまりました。呼びかけ人は、小林みちひろ氏(大阪市会議員)、荒木幹雄氏(元大阪府議会議員)、寺本良弘氏(部落解放同盟西成支部長)の3人です。
設立準備号でもお伝えしたように、低成長時代で富の分配を担う政治の役割が大きくなる一方で、なぜだか、くらしと政治の話題がミスマッチしてしまう。○か×では解決しない問題が山ほどある。こんな状況に一石を投じる「現代風の井戸端会議」がフォーラムにしなりです。発題者はいるけど、講師はいない。結論を出すのではなく、それぞれのとらえ方を合意していく。そんな、月に一度のフラットな場を目指します。
第1回は呼びかけ人の荒木さんと飯島さんが「人口減少問題」をテーマに発題し、20人を超えるメンバーがわいわいがやがや語り始めました。その様子を少しお伝えします。当日の資料などはHPをご覧ください。

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Vol.0 設立準備会ニュース

名前のない座談会
『政治と生活の溝を埋める』

「地方分権」、最近では「地域分権」とさえ言われるようになってきました。しかし、家庭ごみの収集一つとっても、市民のニーズは多様で、一つにまとめていくのは大変だと思います。それなのに、議会で議論されていることと、日常の地域の話題がかみ合わないことも多々あります。このミスマッチを解消するにはどうしたら良いのか・・・。西成区で活動する有志が座談会を始めました。いまは「名前のない座談会」ですが、近いうち名前もつけ、お誘いもしようかなと思っています。この座談会は、7月10日、西成市民交流センター会議室で行ったもので、要旨を紹介します。

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