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月刊なび122号より 共同浴場の存亡の危機
 投稿日時: 2017/03/24
 皆が貧しかった西成の被差別部落で、部落解放運動主導の共同浴場(文化温泉)が落成したのは1955年で、いわば「民設民営」だった。しばらくして同和対策事業が始まって、「公設民営」の共同浴場は三つに増え、地域内の8つの純民間の銭湯にも入浴費助成が付いた。ところが、2002年に同対法が終結すると、入浴費助成は全廃され、共同浴場は無償貸与されたが有期限となり、廃業時には更地にして返還することが義務付けられた。
 西成の部落解放運動は、廃業か存続か判断を迫られたがNPOを創り、市から貸与を受け、「くらし組合」で高齢者等利用者の受け皿を創り、11の銭湯と通常より100円安い「組合料金」を設け、銭湯離れを防いだ。若くて比較的所得の高い人は流出し、高齢者や困難を抱えた人々が滞留、流入、再流入する西成特有の「一方通行現象」を逆手に取った妙案で、「このまちでは60歳になると風呂代が安くなる」と評判にもなった。
 それから15年、地域の人々も、また銭湯の建物も齢よわいを重ねた。大阪市の人口は「まだら現象」で増減したが、西成の被差別部落では減少の一途を辿った。結果、三つの共同浴場の内一つは廃業に至り、建物の解体除去費用の工面に奔走している。残りの二つも、利用者の減少を食い止めて健闘しているが、増えることはない。建物は時と共に修繕費を膨らませ続けており、繰り言のようだが、公の支援があったがために「オーバーストア」気味の建物になっている分、修繕費に跳ね返った。収入は増えないのに、支出は増え続ける悪循環に陥っている。
 施設の複合利用や複合施設化で収入増を図るべく市に要望を繰り返したが、門前払いだった。そして、大阪市との貸与年数と建物の耐用年数が足音を立てて近づいてきた。人口減少も加速度的に進み、小学校さえ廃校の危機を迎えるに至った。当然のように、経営側は、先行きの見えない中で修繕費用を控え気味になるし、その分利用者からの苦情も増え、間に挟まった従業員はストレスを溜めてしまっている。
 さて、去るも地獄、残るも地獄の状態から、西成の部落解放運動、社会的企業に、くらし組合に続く「二度目の妙案」は閃くのか。二つを一つにする手もあるが、解体除去費用が要る。大型施設の大規模修繕は、先行きの維持費に苦しむ。「スモール」な建物に建替えるには新築コストがかかる。廃業してしまうと地域の高齢者が悲しむ。総合区になれば、市のアタマも変わるか。「富山方式」の多機能型ワンストップ福祉はヒントにならないか。にしなり隣保館の付帯施設にすることで、多目的化施設にすることはできないものか、と苦悩は続く。
 それにしても、1950年代の地域の先達は、共同浴場建設という勇敢な計画を思い立ち、実行に移したものだ。いまさらだが、時を経て、そう思う。

株式会社ナイス
代表取締役 冨田 一幸

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