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月刊なび137号より この事業がずっと続くために
 投稿日時: 2018/06/29
 5月6月は、ボクが役員を務める法人の決算理事会シーズンだった。非営利法人が大半だが、どの法人も経営環境は厳しく、持続可能な経営体制の整備がテーマとなった。随分身内の話になるが、議論の一端を紹介したい。
 国際障害者交流センターを運営するビッグ・アイ共働機構は、厚労省からの委託事業費の激減に直面し、障害者のアート支援事業を他法人との連携事業に移行した。持続性を担保するための賢明な判断だと思うが、手塩にかけた事業を手放すかの寂しさもある。㈱ナイスは、施設及びホテル管理とレストラン運営を受け持っているが、夜間の断続労働の適正化など、人件費増嵩に直面している。国の施設なんだが、「安定の中の不安定」とでも言うべき葛藤がある。ただ、このセンターは、有識者や障害当事者の事業評価システムがしっかりしているのが救いである。
 Aダッシュワーク創造館を運営する有限責任事業組合( LLP)は、大阪府と大阪市の補助金がゼロになり、国の地域職業訓練センター事業も廃止された中で、民間法人でこれを再生、10年間持続し続けている。ここの問題は、実施事業そのものは公共や民間からの単年度の委託事業で、どうしても増減があるのだが、土地と施設は無期限同額負担という、いわば「安定の上に不安定」が乗っかって「ねじれている」ことである。それなら、大阪市有の土地、国譲渡の施設でないところで事業をやったら良かったのにと言われるが、Aダッシュという20 年来の施設は利用者に熟知されたポテンシャルがあった。そこに「新たな公共」を試みたのがLLPだった。
 障害者雇用の事業協同組合エル・チャレンジの関連3法人の理事会は、相対的に「穏やか」だったが、ここでも持続可能性が議題となった。ここの特徴は自治体からの随意契約による就労支援の受託と、雇用先を確保するための総合評価入札(それを担保している大阪府の「行政の福祉化」施策)にあるが、これを大阪府社会福祉審議会から「行政の福祉化の条例化」で持続可能なシステムにすべきという提言をいただいたのは朗報であった。問題は、府議会の合意に至るかである。いわば「安定のための挑戦」の時を迎えているのだから、穏やかでも緊張感が走った。
 ㈱ナイスの課題は、ある意味身の丈以上の住宅建設融資を受けているのだが、それは「甲斐性」で良いのだが、その分返済の利子負担が重荷になっている。まちづくり会社なのに、新たな事業展開が停滞している遠因にもなっている。㈱ナイスの進路に係わる、いわば「安定のための脱皮」を構想する時だと思う。
 4社4様の課題を抱えた理事会を終え、ボクは、㈱ナイスの代表を辞した。それぞれの法人が持続可能な事業体へと発展できるか、その動向から目が離せない。

株式会社ナイス 
冨田 一幸

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