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月刊なび139号より 「自分ごと化」で政治の風景を変える
 投稿日時: 2018/09/03
 世論調査で過半が反対し、国会周辺をデモが席巻し、ネットも炎上しているのに、議会が強行採決して一丁上がり。安倍政権の風物詩になった感がある政治風景だ。橋下市長が都構想を住民投票で決するとしたのは一つの案だったかもしれないが、「強行」という悪印象はついて回った。大阪の識者にはカジノ誘致も住民投票にしたら良いなんて意見もあるが、唐突感は拭えない。直近では、吉村大阪市長が、学力テストの結果を教員のボーナスや学校予算に反映させる方針を表明され、ネット上で反対キャンペーンが盛り上がっている。市長と議会が世論に耳を傾け、こんな愚策を思いとどまってくれたら良いのだが、そうならない場合打つ手はあるのか、よくよく考えてみたい。
 そんな折、松江市の市民団体のユニークな試みが新聞で報道された。テーマは島根原発3号機の新規稼働の可否。無作為に抽出された市民による「住民協議会」を立ち上げ、原発推進と反対の専門家を招いて意見を聞いたり、市民同士の議論を深める過程を公開することで、大きな決定権を持つ首長と議会とは別の意思形成を対比させようという試みだ。何だか陪審員とか裁判員制度を想起させるが、面白い取り組みだ。この住民協議会の名称が「自分ごと化会議」だと知って、これは良いとボクは膝を叩いた。
 強行採決する側も横暴だが、反対するデモ側もエキサイトしているように見えてしまう。そこで「自分ごと化会議」だ。市民運動というのは「まず隗かいより始めよ」で、「自分ごと化」のキックオフをするのが役割。多様化した市民の意思を形成するには、政治参加という「自分ごと化」のラウンドテーブル(住民協議会)にバトンタッチするのが良い。議員は、議会と住民協議会の「複線」で丁寧な意思形成を図る役割を演じることになる。前述の「学力テスト問題」なら、市民運動が隗になり、無作為抽出で委員を選出し、様々な関係者の意見を聞き、ボーナスや学校予算への反映の可否を問うだけでなく、学力や教育向上の多様な討議を公開し、意思を形成していくということになる。
 ボクも参加している「自治フォーラムおおさか」の場で、武直樹大阪市議(無所属)も、たった一人の市民でも、A4用紙一枚で、市議会の委員会に「陳情書」、本会議に「請願書」を提出できる制度を活用してくれたら、一人会派の自分が、他会派議員へのロビー活動をして意思を形成していくと提唱されていたが、主訴は自分ごと化会議に通底している。あまり認知されていないが、大阪市が総合区に移行した場合の「総合区常任委員会」や「区政会議と自治区協議会」にも、同じような志向がある。
 まるで、暑すぎる夏のように、不快指数の高い国会、大阪市会だが、市民運動や野党の発想の転換で、ちょっとは涼しい秋を迎えたいものだ。キーワードは「自分ごと」だと思った。

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