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月刊なび150号より 最賃の全体像を見よう
 投稿日時: 2019/08/01
 最賃(地域包括最低賃金)は、10月から全国874円、大阪936円になったのだが、参院選の公約で、自公国民は1000円、立憲は1300円、社民共産は1500円と掲げた。ボクは、各党の説明不足がちょっと歯痒かった。
 とりあえず時給1000円(月額16万円)なら、法定福利費等を足すと約1・4倍にはなるから1400円(月額22・4万円)が経営側の負担となる。この「労務単価」で商取引の発注側と受注側が合意しているかと言うと、発注側の仕様書がそうなっていないことがままある。入札など契約段階での価格競争も重なって「半値八掛け」になる場合もある。最賃は法律で定められても、労務単価の遵守は法律では定められていない。
 さらに、新規社員教育や障がい者雇用などに掛かる間接人件費等が仕様書に積算されているかと言えばそうではない。つまり就労支援費は労務単価に積算されていない。とりあえず就労支援費等を労務単価の5%程度と仮定して加算し1500円を「福祉単価」と呼んでおく。
 つまり、最低賃金1000円は労務単価1400円、福祉単価込みなら1500円だと想定して、それらを連動させるフェアトレード(公正契約)な政策を、政治は論じるべきだ。ここを間違うと、最賃引き上げが生産性だけを争点にし、障がい者等の雇用や人権の論点を失わせかねない。
 ボクは、ずっと「総合評価入札」と「就労支援費込労務単価」で障がい者や就職困難者の雇用を創出すると言い続けてきたが、この4月、大阪府でユニバーサル就労条例(正式には「ハートフル条例」)が施行された。ところが、それでも最賃で生活できるか疑問だ。最近話題になった「老後2000万円」が参考になる。厚生年金受給者(平均月額18万円として)の老後でも月額5万円足りないというのだから、これを現役世代にあてはめると、個人差はあるが、少なくとも月額25万円、時給にして約1500円になる。これが「生活(できる)賃金」とすれば、その労務単価は時給2100円、福祉単価込みなら約2200円だ。
 労務単価の積算根拠に、最低賃金ではなく生活賃金を充てるところまで含めると「社会指標」になる。つまり、生活賃金1500円を基準に、生産性と「共生性」の向上を社会指標としたうえで、法定下限額の最賃を設定するということだ。「守る最低賃金」と「めざす生活賃金」を併記し、守るにはペナルティ(是正)、めざすにはインセンティブ(奨励)、それが政策だ。
 例えば、自治体は自ら発注する委託業務を、少なくとも最賃を払える労務単価と福祉単価で積算し、公正な契約制度(総合評価入札等)で運用する。その上で、生活賃金で労務単価を積算できるよう発注側と受注側、さらに受益者でも負担者でもある市民の「三者」が合意をめざす。一朝一夕にはいかないが、これは税と社会保障の関係と似ている。
 決まった最賃は守る、それは法治国家日本の良いところ。でも、市場での契約規整は自由競争で野放図、それが自民党政治の悪いところ。社会指標(対案)を示さないまま「最賃上げろ」としか言わない、それが野党の頼りないところ。ボクは、それらが歯痒いと思ったのだ。

株式会社ナイス
冨田 一幸

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