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月刊なび 158号より 緊急事態に漂流し続ける人権
 投稿日時: 2020/04/01
 前号で大型客船乗員乗客の隔離問題に触れた。強制停泊・船内隔離に法的根拠はなく、重大な人権侵害が懸念されると書いた。やむを得ず非合法措置を認めたとしても、患者保護と船内感染防止及び情報公開による当事者保護は、ご承知の通り最悪に近い結果になった。⦆
 次のステージは政府によるイベント等の自粛、全国一斉休校要請
となった。北海道知事は「全道非常事態宣言」を発し、政府も特別措置法の制定を提案した。これらの強硬策もやむを得ないとしても、首相の説明はあまりに言葉少なで、現場に準備の時間を与えなかった。ここでも人権は軽んじられた。
 その次のステージは、イベント自粛、休校措置に伴う国民生活の被害救済。学校教室の活用や学童保育等地域の実情に応じて実施される取り組みは全額国庫助成となった。休校に伴う保護者の休業補償は雇用形態や企業規模にかかわらず日額8330円を上限にする賃金補填が企業を通じて支給されることになったが、対象は小学生に限定された。ベビーシッター利用助成の月額上限は5万2800円から26万4千円に引き上げられた(3月に限り)。低所得者支援の生活福祉資金貸付制度の特例措置では、非正規労働者やフリーランサー世帯の休業補償として10万円を貸し付け、返済期間を延長した。個人事業主を含む中小企業事業者対象に、実質無利子無担保の融資の実施も示された。これらの措置はいずれも流動的であり、国会内外の要望で補強されていくものと見守りたい。
 課題は山ほどあるが、ボクが懸念することを列挙してみる。①大型客船で寝食を忘れて働いた一二〇〇人の乗員の多くは、フィリピンで雇用された臨時労働者だった。船内感染した人もいるし、除菌のないまま本国に移送された。何よりその境遇はほとんど報道されなかった。②休校に伴って学校で働く非正規労働者は収入も雇用も「自動的に」停止されたまま放置された。③企業がテレワークに移行したのに、派遣労働者は企業施設への出勤を命じられた。④障がい児やさまざまな課題を抱える子どもたち、その家族が学校に行けないことでどんな境遇にあるか、政府からのメッセージは未だ届いていない。
 ボクは、全国一斉休校やイベント自粛の効果を現時点で論じる気はない。大型客船の強制停泊・船内隔離の時も人権侵害ではあったが、置かれた状況で最善を尽くすことだと見守った。ただ、安価な労働力の海外への求人、労働者の安易な非正規化、はたまた「生活困窮者」を画一化した福祉等は、人権保障という観点で充分に検証されてきたわけではない。その脆弱さを認めたうえで緊急措置が講じられているか、しっかり見届けたい。
 ここまでの政府の措置は大いに問題ありだと懸念する。ならば、身近な地方自治体、もっと身近な中間組織で人権を進取しながら、政治に関心を持ち続けたい。マスコミ等ではそれを「ボランティア」と一括りにして「番外」に扱うが、政治と同じ「主役」の人権活動である。

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