ブランコート

都市型デザイナーズマンション

ガラシャ

ガラシャ

アジールコート

なにわ筋と鶴見橋商店街の結節点

ガラシャ

ガラシャ

月刊なび163号より 障がい者自死事件は残念だった
 投稿日時: 2020/08/31
 平野区の市営住宅で知的障がい者の成人が自死した。住宅自治会の当番制班長を自信がないと断った際、理由となった障がいの状況を書かされ回覧されたことにショックを受け、苦悶し自死に至ったとのこと。遺族が住宅自治会等を相手取り2500万円の損害賠償を求めて提訴したことでニュースになった。「班長を務められない理由(障がい)を書かせ、回覧する」こんな方法しかなかったのだろうか、ホントに残念でならない。
 障害者差別解消法(2016年施行)は、「不当な差別的取扱いの禁止」と「合理的配慮の提供」を定め、支援措置を規定している。法に照らせば、住民役員及び同席していたとされる社会福祉協議会の関係者の行為は「不当な差別的取扱い」にあたる。住宅自治会は任意団体であるとはいえ、このような抗争(コンフリクト)は想定されたものである以上、設置者の大阪市、平野区と、そこから管
理を任せられている住宅管理事業者の「合理的配慮の不提供」も裁判で争われることになる。8月10日時点では、大阪市は沈黙し、取材も拒否しているが、これは良くない。大阪府は「障害を理由とする差別の解消の推進に関する条例(2018年施行)」で、こうした抗争を想定して「広域支援相談員」の配置を定めているが、話し合いに同席した関係者がそれにあたるのか定かでない。
 「どこの住宅自治会でも、いや町会でも役員のなり手がなくて困っている。当番制班長まで自由意志だとなると、自治は成立しないではないか」という反論、住宅役員側への同情の声もあろうが、差別的取扱いの免罪にはならない。むしろ、コロナ禍でも指摘されている「同調圧力」も影響して、「社会全体が不寛容」になっているのではないかと反省されるべきだと思う。自死した障がい者は、頑なに班長就任を拒否したのではなく、行政や社会福祉にも相談し、助言を乞うていたように思われる。想像でしかないが、この種の抗争も伴う社会的体験は彼にとって未知のもので、そこでの取扱いは想像を超えた冷徹さだったのではなかったのか。
 さて、にしなり隣保館(ゆ〜とあい)は、民設置民営だが、同和対策事業時代からの公営住宅自治運営を引き継ぐ数少ない「地域自治支援の非営利民間組織」だ。さっそく、寺本良弘館長は事件の調査に乗り出し、自らの組織の再検証も実施されておられた。障害者差別解消法や一連の法制度はどれほど深められてきたか? 住宅自治会運営の難しさにどれほど付き合ってきたか? 大阪市は来年度から住宅管理を民営化して、民間事業者に管理を委託することになるが、ただの効率化になりはしないか? 心配の種は尽きないことだろう。
 にしなり隣保館も交流する部落解放同盟大阪府連は、公営住宅の自治や管理に精通する稀有な団体だ。行政責任を免罪するわけではないが、公営住宅等での自治のあり方には非営利社会活動の役割が大きいと期待する。大阪府や大阪市が沈黙しているのは、まさかとは思うが、コロナ対策や都構想の住民投票対策に忙しいからではあるまいか。そうであるなら、困ったことだと思う。

_