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月刊なび167号より 労働者協同組合が成立
 投稿日時: 2021/01/05
 労働者協同組合法という聴き慣れない新法が国会で成立した。簡単に言えば、「雇う/雇われる」株式会社ではなく、共同で出資して共同で働く事業体にも法人格が与えられるということだ。20年以上も昔、西成のまちづくりでも、子育て中の母子家庭等のお母さんが、個々人の事情を配慮し合って働く「クリック」という事業体を立ち上げたことがあった。当時は、適合する法人格は見当たらず、毎日型配食サービスを担ってきた「西成ボランティアバンク」も法人格を持っていなかった。クリックもボランティアバンクもコンセプトは「働くことでまちづくりに貢献する」で、新法も「持続可能で活力ある地域社会に貢献する」と目的を謳っている。

 類似のNPO法では従事者の出資は認められていないし、事業項目も福祉やまちづくりなど20分野に限定されている。NPOは「市民活動」に適しているが、労働者協同組合は「市民生産」を奨励する。その代わり最低賃金などの労働法規も適用される。ウーバーイーツが若者に人気なのは「雇う/雇われる」に代わる「自由な働き方」なんだが、生産活動の全貌はまったくわからないまま一方的に失職してしまう欠点がある。その点、労働者協同組合は「民主的運営」「情報公開」を社是とするから、もっと自由に働けると期待できる。

 この労働者協同組合が地域社会に貢献すると言っても、直ちにそうなるわけではなく、地域社会の受け皿づくりが欠かせない。まずは、発想の転換が必要だ。自治体と市民の関係は、税金を納め、必要なサービスを受けることがセオリーだ。しかし、税だけでなく、地域のために働くこと、活動するという「税外」行為もセオリーに加えてみるのも良いのではないか。これからの自治体は、市民サービスが増えこそすれ減ることはない。その度に公務員を増やすのも、民営化するのも帯に短し襷に長しだ。もう一つの「自治の力」として市民活動、市民生産が注目されても良い。

 ボクは、長年、公共サービスの「(市)民営化」を提唱し、自治体の入札制度改革に取り組んできたから、自治体が変われば、「自治の力」はもっと強くなれると確信する。元々㈱ナイスも株式会社だが、市民生産事業体だ。寺嶋社長は労働者協同組合法に注目してみるのも良いと思う。いずれにせよ、「雇う/雇われる」や「税を納め、サービスを受ける」という常識からの転換を図るのは良いことだ。

 さて、都構想はもう終わった。しかし、肥大化してしまって、市場にも疎いが、市民にも遠くなった政令市としての大阪市には、やはりニア・イズ・ベターの改革が必要だ。総合区も提案されていることだし、自治と市民の関係を、市民活動、市民生産の振興という観点から考えてみるのは有意義だ。労働者協同組合法もその契機になればと思う。

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