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月刊なび169号より 市場を市民に、選挙を参加に代えてみる
 投稿日時: 2021/03/01
 「ミュニシパリズム」という言葉を教えてくれたのは谷元昭信さんだ。「地方自治体」という意味だが、その「対国家(中央)」性からさらに踏み込み「対市場(利潤)」「対政治(選挙)」を読む込む。すると、現に存在する「市場(原理)では解決できない問題」「選挙では反映されない民意」の対案として、「市民(原理)」と市民参加への自治機構改革が浮かび上がってくる。

 ミュニシパリズムの実践で有名なのはスペインのバルセロナ市だ。ボクが長らく取り組んできた公契約の入札改革や公共サービスの「市民営化」が、市を挙げて実践されていると岸道雄さん(立命館大)に紹介された。バルセロナ「市民議会」なんて試みもあると斉藤幸平さん(社会思想家)から聴いた。通常、議会は選挙で選ばれた「プロ」の議員で構成されるが、市民議会の議員は、日本の裁判員制度のように無作為で指名された「素人」によって構成される。谷元さんの知人達も島根県松江市で、反原発運動から「市民議会」による直接民主主義に挑戦している。

 ちょっと見ると維新の主張に似ていると感じたのは、ボクの「橋下贔屓」故だ。しかし、維新は市民営化ではなく「民営化」だし、市民議会のような直接民主主義ではなく、選挙至上主義だから、似て非だ。それでも大阪人に強く支持されたのは、似て非でも、市場や自治体機構は今のままではダメではないのかという漠とした志向があったからではないか。いや、橋下改革は途中駅で、その先がある。天王寺公園を「官営」から近鉄に「民営化」したのが橋下改革で、その先の「市民営化」に向かうべきだ。大阪府立住吉公園などが企業と社会的企業のJV(共同企業体)で運営されているのは先駆ではないか。都構想も問題提起は良しとして、大阪市解体ではなかろう、その先はなんだ? ボクはそう振り返っている。

 そんなことを考えていたら、部落解放同盟大阪府連の赤井委員長のコラムに出会った。赤井さんは、今年の運動の目標を①差別を法的に禁止する、②地域共生たる市民運動、③生活圏からの政治スタイル、④水平社宣言にふさわしい運動と組織を地域から再構築すると書かれていた。赤井さんもミュニシパリズムで解放運動を考えておられるのか。

 国会はコロナ特措法を改正したが、国民に罰則を課すというのだから「コロナ罰則法」で、百年前の「ハンセン病隔離法」と何ら変わらない差別法となってしまった。大阪府に対する赤井さんの「コロナ差別防止条例」提案は、罰則法の国に対抗する地方からの人権条例運動だと共感した。また、先頃、労働者協同組合法制定を実現した生協運動のリーダーは、これからの社会運動は「社会連帯運動」に脱皮すべきと語られたが、赤井さんも資本主義そのものに対抗するような「地域共生(連帯)たる市民運動」を思い描かれているみたいだ。政治はその「スタイル」を中央集権型・選挙中心(対立)型から、地域創造型・市民主導の提案型に変えるべきだとも提案されている。最後に、水平社から百年も続く当事者運動団体たる部落解放同盟を改革するとも。その趣旨は、部落民あるいは障がい者だけでなく、すべての「マイノリティ」の拠り所となれる地域組織、地域運動の創造だと解釈した。

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