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月刊なび174号より ベーシックインカムは是か非か
 投稿日時: 2021/10/01
 この拙文が届く頃には新総裁も決まり、コロナ禍のなか総選挙で喧しくなる。選挙の争点は「コロナ復興支援」や社会保障の再建がテーマになってもらわないと困る。維新の会はBI(ベーシックインカム)を公約にするらしい。この党が言うと、都構想のように賛否が扇情的になる。実際、その論には大阪市解体のような無謀が見え隠れしているが、BIは一考に値する。

 わが国の社会保障は、安定雇用を基にする社会保険と、税を基にした生活保護を柱としてきた。しかし、生活保護者は200万人、潜在的生活困窮者は少なくとも1~2000万人という推計がある。コロナ禍で多分その数は増えている。非正規労働者が急増して、雇用保険の加入率も半数前後とさらに低くなってきた。前号の扶養照会や生活保護ヘイトなど人権侵害も問題になった。憲法25条「すべて国民は健康で文化的な生活を営む権利がある」は形骸化している。コロナ禍にあって、生活保護の弾力運用、非正規への雇用調整金の支給、特別臨時給付金の実施に対して国民は好意的だった。

 そもそも、社会保障の基礎構造(ベーシック)には、介護等の「サービス保障」、生活保護などの「インカム(所得保障)」、そしてあまり語られないが、就労支援やケアマネジメント、隣保館のような総合相談などの「アセット(社会資源)」がある。しかし、複雑怪奇な「アクセス」がせっかくの社会保障さえ持ち腐れさせてしまう。これら違憲状態のベーシック(基礎構造)の改善・修復はコロナ復興支援でも重要課題だ。

 実は、同和対策は住民参加と自治体主導で社会保障の総合的な改善を試みた先駆例だった。所得保障の一番は公営住宅入居と家賃減免。大半の高齢者等が低額年金または無年金だったので一時金給付もあった。保育料や教育費減免、給付型奨学金もあった。職業訓練給付や雇用斡旋もあった。まず無選別で問題をたて、次第に所得制限も導入した。隣保館は効果的にマネジメントし、住民参加の中間組織が行政をサポートした。この経験知がBIの一考を促す。

 BIは社会保障の総合的な基礎構造改革の一環だ。主に所得保障(インカム)のあり方を問い、生活保護、失業保障、年金制度の改善がテーマになる。現制度の刷新でなく漸進的な改革もBI(のようなもの)だ。可能な限り「選別」しない、決して「差別」しない生活保護改革は喫緊。扶養照会の廃止。医療扶助や住宅扶助、教育扶助等、生活保護費の単独給付拡大による補足率の引き上げ。最低賃金以上の「生活賃金」を設定し、不足分を企業外措置で現金給付。国民年金保険料の免除(税負担)。難問も多いが、自治体への権限委譲で運営コストを抑制し、費用対効果の測定しながら税負担のありようと税財源の移譲等を検討する「おおさかBI」だ。

 都構想では「対案は廃案」という声も多かったが、ボクは「対案は総合区」とし、都市内分権の議論が進むことを願った。BIは新自由主義政策だと排除するのも見識だが、ならばコロナ復興、憲法25条をいかに実現するのか。自治体も「BI万能」でなく対案を提案できないのか。議論は建設的であって欲しいと願う。

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