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月刊なび116号より 「地域」と「流域」を結ぶのが自治体
 投稿日時: 2016/09/21
 大阪の泉佐野市は、就労支援カレッジ事業と称して、青森県の弘前市のリンゴ園に若者を送り出している。就労経験の少ない若者等への就労支援による労働力の底上げと、農業従事者の担い手不足の解消や農業の6次産業化の促進、さらには支援が必要な社会的漂流層がいる都市部から泉佐野市、泉佐野市から弘前市への就労や移住を促進するというユニークな取り組みだ。この両市と、介護職へのシングルマザーの移住転職に取り組む島根県浜田市の三市長が呼びかけて、一般社団法人・生活困窮者自立支援全国ネットワーク内に「自治体連携推進会議」が設置されるそうだ。
 ボクは、自分でも古くから言い続けてきた「住み続けられる地域づくり」のフレーズに、途中から何となく違和感を感じ、「地域」もあるが「流域」もあるとダジャレてみた。介護を受ける高齢者は「定住」しているが、介護を提供する雇用はいま「流動化」している。介護保険は介護の社会化をもたらしたが、専門性を加算しない報酬制度が災いし、「上がらない賃金」が転職ミスマッチを引き起こし、「悪い(不利益)流動化」になっている。公共サービスも裾野を広げているが、価格偏重の競争入札による「上げられない賃金」で、せっかくの雇用創出も持続性がない。この介護や公共サービスは、広い意味では「ソーシャル・マーケット(簡単に言うと、株式会社じゃない経営体による社会益の高い生活関連産業)」と称される成長産業だ。自治体は、この成長産業の「地域」だけでなく「流域」においても重要なポジションを占めているのだが、「あまねく公平」とか「市場競争への不介入」というドグマがあって、貧困(福祉)のその先にある産業労働市場に立ち入ろうとしてこなかった。
 実は、生活困窮者自立支援法の肝は「分権」にあり、「中間的就労」は産業労働市場に橋を架けようとしたのだと思う。ボクは、夕張市を視察した時に、札幌市に転出した夕張市民が子育てNPOを起ち上げて、財政破たんと人口減少に苦しむ故郷にUターンし、夕張市が廃校となった学校を提供しているのを見て、これが始まりになったらと思った。実際、弘前市や泉佐野市や浜田市が動き出した。働いてほしいリンゴ園と働いてみたい都市の連携、札幌からソーシャル・マーケットで漕ぎ出して再び夕張に里帰りする、その交差点に自治体(自治体共同)という港があったら、どんなにありがたいものか。船には修理用ドックが必要なように、地域と流域を結ぶ就労支援(中間的就労)は欠かせない。
 「コミュニティ」を和訳するのに、「地域」だけじゃなく「流域」とも解するのは、言葉あそびが過ぎるか。自治あるいは自治体を、受益と負担の二分法で見るなんて想像力が乏しすぎるのではないか。むしろ、自治体は、消費者と生産者が重なり合った新しい事業体ではないか、そんなことを想像させる自治体連携が始まったと期待したい。

株式会社ナイス
代表取締役 冨田 一幸

月刊なび115号より 最賃改定の三方よし
 投稿日時: 2016/08/29
 安倍総理の要望通り、中央最賃審議会は、最賃を3%アップさせるという答申を出した。秋になって地方最賃審議会で決まることになる。3%というと大阪府の現在の地域最賃は、858円から26円アップで884円となる。日給8時間なら,072円、月給20日勤務なら141,440円となる。この額で改定されると、過去最高だった昨年の改定額を大幅に上回ることになるから、経営側の抵抗も予想され、中小企業の多い大阪府の最賃審議会は紛糾するかもしれない。
 この最賃額を手取りとして支払うには、企業側の負担は社会保険料等を含めると約1. 5倍と推計され、時間給1,326円、月額約21万円になる。例えば、従業員の内50人が最賃で働いている会社なら、月額約30万円、年額360万円の賃上げの原資が必要となる(最賃以上の他の従業員への波及を考えるとそれ以上になる)。安倍内閣は、政府の中小企業振興の「キャリアアップ助成金」や「業務改善助成金」を増額すると発表した。要するに、生産性を高めるために、機器購入や資格取得、資質向上の費用の一部を助成するというものだ。これは良いことだが、業務改善助成金の上限額は100万円になっているから、多少の上限改定をされたとしても、企業の持ち出しは相当なものになる。
 一方、元請、発注者が最賃に合わせて契約単価を改定してくれるかだが、最賃額(884円)じゃなく社保料も含む労務単価(1,326円)に合わせた改定をしてもらわないといけないから、話は簡単じゃない。自治体も庁舎清掃などいろんな業務を民間企業に発注しているが、「官製ワーキングプア」なんて揶揄される低賃金になっている。発注金額の基準が最賃額(848円)になっており、労務単価(1,326円)になっていないのではと疑う事例も多い。そこで、地域最賃とは別に、自治体の発注業務を発注者と受注者が対等に審議して決める「公契約条例」を創ろうという自治体も出てきているわけだ。
 もう一つ心配するのは、企業は最賃アップに合わせて生産性(能率)を求めるあまり、障がい者雇用等を疎んじないかということだ。間違うと、賃金が上がって雇用を奪われる、なんて事態になる。だから、ボクは「就労支援付労務単価」という提案をしてきた。つまり、障がい者への就労支援という社会的コストを発注者の労務単価に加算してほしいというもので、大阪府はすでに労務単価の3%を「福祉推進費」という名目で加算してくれている。
 つまり、最賃を支払うためには、社会保険料等を含めた労務単価の積算が必要であり、障がい者雇用等の社会的コストに対する単価も積算する必要があるということだ。いわゆる「所得再分配」という大義は「細部に宿る」で、今や労働者の過半に影響を及ぼす最賃改定を、賃金を上げる、契約金額を上げる、福祉を興す「好循環」にしていこう、というのがボクの「いい加減」である。

株式会社ナイス
代表取締役 冨田 一幸

月刊なび114号より 地域から民主主義をやり直そう
 投稿日時: 2016/07/25
 終わってみれば、「争点が定まらない」参院選挙だった。日本の政治の中期的な争点は、平和(改憲)、環境(原発)、社会保障(格差)で、そのうち「格差」は最もリアルで、なかでも「生活困窮者支援」は、受益と負担という「二項対立」な福祉の発想を転換させてくれると思ってきたが、論戦にはならなかった。
 生活困窮者自立支援法は、貧困だけでなく孤立や排除にも着目し、「誰もが生活困窮者になるかもしれないリスク社会」と現代社会を分析した。そこから、身近な基礎自治体に期待(分権)し、地域福祉と中間的就労を育むこと(一億総活躍よりソーシャル・インクルージョンと菊池桃子さんが指摘したあの議論)で、持続可能な福祉の基礎構造を構築するという、キラリと光る社会改革の先駆だ。この法の伏線にはホームレス支援法が、もっと前には地域就労支援事業や「行政の福祉化」等の大阪改革があり、同和行政改革もその渦中にあった。
 これらの政策をリードしてきた政党は、旧民主党であり公明党だった。橋下さん(維新)の「西成特区構想」もそこにベースがあった。自民党もこれらの法実現をサポートした。つまり、政党を超えるような合意が醸成されてきた。しかし、参院選を前に、維新の「教育無償化」にも安倍内閣の「一億総活躍」にも、「競争主義」や「成長主義」が色濃く出た。それはそれで、避けられない論争だと思ったが、どうしたことか、一方の民進党や公明党が論争から遠ざかって、ボクには「不戦敗」に見えた。共産党や社民党はあまりに護憲のシングルイシューで、生活の党は都市部では影が薄かった。かくして、「争点の定まらない参院選挙」となった。もちろん、福島などの東日本、沖縄、鹿児島県知事選のように争点が定まった選挙区では、意義のある接戦が演じられた。
 ボクは、「政権交代」で期待も失望も経験し、或いは「橋下改革」を体験し、そこに横たわる「二項対立的政治が、現実の生活と乖離していること」を感じた。社会保障改革に財源議論は必須だが、「一体改革はかけ声で消費増税だけがリアル」というのが前者であり、「大阪都構想なしに分権はない」というのが後者である。うまく抽象化できないが、幼児教育から大学院までのどこまでかを論じるより、不登校や高校中退者も含めて、どんな人の学ぶ権利にも「カネ」と「テマ」を惜しまない社会の合意を育むのが教育無償化、というような市民参加のプロセスこそ政治だと思う。つまり、民主主義ということだ。
 震災復興支援や沖縄の基地への問い続けも、生活困窮者支援も、出口の見えない迷路のようでも、民主主義というプロセスはくっきりと見える。いま、その民主主義が、政治の舞台で見えにくくなっている。誰かが、政治参加とは、「初めて手作りの弁当を届けて喜ばれた時のような感覚」と表現していたが、言い得て妙だ。そんな気持ちで、地方政治、地域活動から民主主義というものを立て直せないものかと思った。

株式会社ナイス
代表取締役 冨田 一幸

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