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月刊なび18号より オセロの次の一手はツルミンバンク
 投稿日時: 2008/06/01
オセロの次の一手はツルミンバンク

 府職員に「皆さんは破産会社の社員」と宣告して、橋下府知事が「破産会社の管財人」のように振る舞いだして、ボクの「まちの銀行」構想は、曖昧をふっきった。
 知事は、「府政改革」を通り越して、「府政開放」に向かっているようだ。ボクは、知遇を得て、働きたいけど、働けないまま放浪する人々に寄り添う府の地域就労支援事業の創設に参画してきたが、費用対効果が低いと存亡の危機に立たされている。人権相談事業なども同様に査定され、廃止を宣告された。府施設の清掃の入札で、障がい者雇用などの公共性を評価する「総合評価入札制度」も先行きが心配だ。ボクは、「社会運動の市場主義者」と「自虐」してきたが、そんなボクの前を、橋下知事は、走り抜けていきそうだ。
 橋下知事が疾走するゴールは、このまち西成だ。何もかもが市場に開放され、ボクは「ブラックマーケット」と呼んできたが、誰かが、最近、「貧困ビジネス」と言い当てた。「公」が開放した「民」の自由市場は、「人の命も金しだい」、生活保護などの「救援物資」も市場の冠を被った「ブラック」に絡め取られる、「オセロ」社会だ。
 前号の『なび』で、ボクは、橋下知事の「過激派」のような社会観に、若い頃を想いおこしてエールも送ったが、あるべき社会を描きすぎると、市場に呑み込まれていくと忠告しておく。ボクは、「いい加減」という社会観?にたどり着いた。だから、600億円の生活保護費でまちづくりをする、とホラを吹き始めた。クロをもう一度シロに変えるオセロ、「社会的ビジネス」だ。
 そして、ボクは、「まちの銀行」を創りたいと、またホラを吹いたが、飛鳥会事件でたじろいだ。どんな曲解にさらされるかわかったもんじゃないと。でも、ボクは、このまちに暮らして、「こんなんあったらいいなぁ」という茶話しにヒントを盗み、「役にたってみたいなぁ」という無言のまなざしに、背中を押されてきたが、その潜在力を「開放」できないかと思い続けてきた。ボクは、それを「イルミネーション」として、御堂筋ではなく、西成に掲げたいという気持ちの高まりを、もう抑えることができない。
 まちの銀行は、「ツルミ・ヒューマン・バンク」、愛称は「ツルミンバンク」、グラミン銀行を盗んだ。小さく開店するが、大きく育ってほしい。
?ナイス代表取締役 冨田一幸

月刊なび17号より 過激派知事にもの申す
 投稿日時: 2008/05/01
過激派知事にもの申す

 若松孝二監督の映画『連合赤軍』が話題になっている。ボクも観たいと思いながら、リンチのシーンを観るのが恐くて、まだ躊躇している。あの時代、ボクは、角棒こそ持たなかったが、激しく体制を批判していた。「闘争」に夢中だったのは、赤軍派の彼らと変わらなかった。ボクは、テレビで、感極まりながら「府財政再建」を叫ぶ橋下徹府知事が、あの頃とダブった。
 時には若い職員と真っ向から論争し、時には感極まって涙さえ流す。この人は激しい。大阪府の財政再建への並々ならぬ使命感がそうさせているのだろう。それは認めるし、心地よい。でも、あまりに過激派すぎるのではないのか。街かどデイハウス事業というのは、介護を制度にだけ任さず、府民の互助の分野も残しておこうという、なかなか味のある事業だ。地域就労支援事業というのも、生活保護の前に、働くチャンスを見つけ出していこうという、財政難だからこその知恵の産物だ。でも、橋下さんは全廃するという。ボクが理事を務めている府が出資する福祉法人や人権の法人も、ほぼ全廃するという。
 ボクは、知事の過激さが府民の共感を呼んでいると思う。きっと、古い体制に呻吟している若い世代や女性たちが知事にエールを送っているのだろう。でも、知事の次のメッセージ次第では、府庁の中枢を担っているボク達と同年代のオジさん達、あるいは社会でさまざまなポジションにいるオジさん、オバさん達も、あの頃を想い出すかのように、府財政再建という「闘争」に馳せ参じるかもしれない。
 ボクは、平理事に過ぎないが、福祉法人や人権の法人で、それこそ「ゼロベースからの見直し」という「闘争」をやらなければと奮い立っている。「廃止」を宣告された者の、リ・トライだ。そう思わせた知事はエラい。でも、「廃止」はダメだ、知事。それは、あの頃の過激派と同じだ。あの頃、いつも社会は二極に分裂していた。まるで、そうすることが社会発展の力になるとさえ勘違いするほどに。その象徴が過激派だった。財政再建は、すべての人々の、リ・トライへの切磋琢磨の総合力だと思う。それが、知事の次のメッセージであるよう、ボクは、近所の橋下ファンのオバさんに頼んでみる。

月刊なび16号より 「あいりん地区にお花屋さんがオープンする」
 投稿日時: 2008/04/01
ボクが「就労支援会社をつくる」と啖呵を切って、かれこれ半年を過ぎた。ようやく第一号の就労支援会社、有限責任事業組合Wac-LLP(ワック)が、五月に萩之茶屋に、花屋を開店することになった。この会社は、ホームレスやニート等を社員として迎えて、就労を支援する会社だ。あいりん地区のど真ん中に花屋・・・誰もが耳を疑い、苦笑いをしてしまう。しかし、ボク達はいたって真面目だ。ホームレスの人たちが、リヤカーに花を積んで、例えば、風呂屋や住宅、銀行の前などに露店を出すことも考えている。読者は、駅頭で『ビッグイシュー』という雑誌を売っている人を見たことがあるだろうか?あれの花屋版というわけだ。これ、あたる!とボクは酔っているが、いかがなものだろうか?
 このアイデア、実は、西成区の古参の社会福祉法人・自彊館から盗んだというか、合い呼応したものだ。気づいてる人がいるだろうか?自彊館さんは、自分たちの施設の壁などに花のプランタンを設置している。さりげなく、花いっぱいのあいりん地区にしたいと呼びかけているのだ。ボク達は、あうんの呼吸で、「こんなんあったらいいなぁ」とささやき合った。その結果が花屋だった。
 ボクも、五〇の峠を超えたら、ちょっとは肩の力が抜けてきた。社会問題のコツは、流れを変える、そんな一石を投じることだと。社会運動は、あれこれ講釈をしたがる傾向があるが、期待されているのは、そんなことじゃない。この歳になって、やっとわかるようになった。ゴルフのクラブも、こんな風に振れたらいいのだが・・・。ボクは、応援している民主党にも、肩の力を抜いて、そんな一石を投じたらどうだろうと、今度、ボクと同年代の松岡徹参院議員に進言してみるつもりだ。
 ちなみに、あいりん地区のお花屋さんは、いま、お店の名前を募集している。

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