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月刊なび97号より 住民投票で「中間組織」の役割を自覚する
 投稿日時: 2015/06/29
 いろいろ書きたいことはあるし、前号と同じ話題になってしまうのも心外だが、やっぱりこの問題を避けられない。とんでもないことになってしまったものだが、「大阪都構想」ならぬ「大阪市廃止・分割構想」が5月17日住民投票に付される。ボクも「フォーラムにしなり」で忙しい日々となった。
 市政改革のはずがまさか大阪市廃止にまで至るとは、正直予想外の展開となった。ボクは、昨年、自治法改正により「総合区」分権や、自治体間「連携協約」締結、「広域事業化」に道が拓けたことで、橋下市長が「実を取った」と拳を下ろしてくれる、議会もそう動くと期待した。ところが、公明党が態度を豹変させたことで、事態は一気に住民投票に動いてしまったのだから、この世界、一寸先は闇だ。
 振り返って、橋下改革は舌禍が過ぎるとはいえ、公募区長と区政会議に西成特区構想、ごみ処理施設の広域事業化とごみ収集の分割民営化、地下鉄や水道民営化等、細部の議論を必要としているが、大胆な改革を俎板に乗せた。これらの改革は、「都市内分権」と「大大阪市構想」への道筋とも読め、大いに議論の価値ありと見えた。都構想よりもむしろ大阪府の方を廃止する「大都市共同体」という選択肢もあり、まさに百年の統治機構を見直す大事業が始まるかもと、かすかな期待も持った。
 ところが、公明党がまったく違うハンドルを切った。いや、どうも安倍政権の「改憲」の思惑に橋下市長もはまってしまった、ボクはそう疑う。安倍首相は、ただ改憲の数合わせのために、浅はかにも大阪市廃止を容認したのか。いや、改憲と東京一極集中は実は一体のもので、橋下市長の個性を手玉にとって大阪弱体化を狙ったのか。これって戦争直前の大阪市の悲哀に似てはしないか。ボクは、安倍さんも、橋下さんも功を焦ったのが深層のような気がする。改憲も都構想も、この二人の政治家の功名への「行きがけの駄賃」なのかもしれない。だとしたら、安倍さんも橋下さんもあまりに個人的、あまりにも軽い!公明党と創価学会も、民意を掌握する強味(とくに大阪では)が仇になって、「組織益」に流れたのは痛恨の極みだろう。
 ただ、降って沸いたような大阪市廃止・分割議論で、統一地方選挙、住民投票、知事・市長選挙と、大阪市民が自治を考えるまたとない機会を得たとしたら、不幸中の幸いかもしれない。それにしては、この問題、あまりに難解だから「通訳」が欠かせない。企業や団体という「中間組織」は、この通訳の役割を避けたらダメだ。多様な人々が行き交う都市では、中間組織の役割は自治の要にもなることを自覚したいと思っている。
(株)ナイス代表取締役冨田一幸

月刊なび96号より 住民投票までに溝を浚えて
 投稿日時: 2015/06/29
 ないだろうが、維新から造反でもないかぎり、大阪都構想は5月17日に住民投票に付される。日を追って市民に困惑が広がるだろうが、「溝を浚えて」から住民投票じゃないのか、ボクはそう思う。
 まず、橋下市長に。議会軽視の経緯を詫びる。公務員労組との訴訟を判決に従って和解する。憲法改正との裏取引はないと言明する。次に、議会側に。民営化や効率化等諸改革には反対ではなく熟慮することを言明する。都構想廃案後の「対案」を早く示す。これらの溝を浚えてもらわないと、都構想とは違うテーマまで住民投票に課せられることになる。もうひとつ、双方に。直前の統一地方選を大きく下回るようなら、また、○×があまりの僅差なら、善後策を示すこと。住民投票は市民を分裂させるためにやるのではない。
ボクは、最初から、「改革断行、都構想反対」の立場。都構想反対の理由は、①大阪府は「都」にはなれないから、②特別区は「中核市並み」にはなれないから、③どでかい一部事務組合は「三重行政」になるからだ。都構想廃案後の「対案」は「改正自治法の範囲での機構改革」で、①24区を「総合区」にして分権する(区の統合も検討)、②府市統合本部を恒常化する「協約」を締結し、二重行政を解消する、③民営化と効率化を「市民参加」で具体化し、「橋下改革」を継承するということだ。
 所詮、ボクの意見なんて遠吠え、じゃ、どうするか。まず、住民投票の投票率を上げる。出直し市長選のような「無視行動」はとらない。あらゆる「中間組織」が賛否より投票を優先させて、「場」をつくる。そして、直前の統一地方選で、身近な「代弁者」を一生懸命応援する。今度こそ、「連呼」を控えた政策競争の選挙戦をやり、「投票は二回」と住民投票まで選挙戦を続ける。これぐらいならボクでもできる。大阪都構想が承認されると、2017年4月には大阪市は消滅する。橋下さんは時間は十分だったと言うだろうが、そうは思えない。しかし、短時間でも議論を尽くして○×を決しないといけないのだから、統一地方選の候補者も、どの政党も「自主投票」などとはぐらかさない。そんな候補者なら出ない方が良い、今度の地方選は過去に例を見ない選挙だからだ。
 橋下さんは、都構想が否決されたら「政治家を辞める」と言明している。可決でも、秋の市長選に立候補せず、国政に行くとも憶測されているが、ちゃんと打ち消して、都構想を成就させると言わないと無責任だ。反対側には、廃案に追い込んだあかつきには、   「(橋下さんが登場した)8年前に時間の針を戻す」という強行論もあるらしいが、民意を侮らないことだ。
㈱ナイス代表取締役冨田一幸

月刊なび95号より 新しい年、ナイスの七つの目標
 投稿日時: 2015/01/13
 新しい年を迎えて、年賀状代わりに、(株)ナイスの目標を構想してみた。1.「居場所を創る」2.「宅なくして福祉なし」3.「雇用産業を興す」4.「コミュティを紡ぐ」5.「第三の行き場所」6.「橋下なき西成特区」7.「市長交代、改革続行」の七つだ。

1.今年の秋には、「仮称パークコート」という新しいビルが落成するが、「隣保館」「インターナショナル保育所」「サービス付き高齢者住宅」がシェアする。橋下市長が廃止した市民交流センターへの地域の対案だが、混沌とした時代に、「居場所を創る」は新しい「社会的ビジネス」になると思い立った。
2.地域立社会福祉法人と協働して幾つかの支援付き住宅を「新築」してきたが、地域に空室が拡大している一方、高齢者等の新しい住宅ニーズが見えてきた。「改修型」で適正な家賃の「支援付き住宅」をプロデュースし、「宅なくして福祉なし」をコンセプトに、「都市生活産業」の新しい市場を拓きたい。
3.「たかが清掃、されど清掃」で、ビルメン産業は環境産業であるだけでなく都市生活産業として飛躍する可能性を秘めている。飛躍のコンセプトは「雇用産業を興す」、つまり、「社会のため」の障がい者やホームレス雇用の実績が、「会社のため」に還ってくるということで、入札改革に続くヒット政策を問いたい。
4.大国町にナイス薬局二店舗目を開設したが、IT事業、食堂、整骨院、介護用品、銭湯等々、引き続き(株)ナイスは「地産地消」のサービスを育てたい。「地域」と「コミュニティ」はニアイコールであって、地域に「互助」を育むことで、「成長」神話から、持続可能な「共生」を紡ぎたい。
5.A´ワーク創造館は、橋下知事(当時)に切られ、民主党政権に「仕分け」されても六年生きた。社会的企業ここにありだ。新たにエルズ・カレッジという「知的障がい者の大学」も入居し、陣容も強化して「コミュティ・カレッジ」という、企業と家庭に続く「第三の行き場所(サードプレイス)」をめざす。
6.昨年は「西成特区構想」であいりん地区は高揚した。好き嫌いは横に置いて、橋下市長が「器」をこさえてくれたが、「魂」を入れるのは地域である。いわば「橋下なき西成特区」をあいりん地区だけでなく、西成区全体で盛り上げたい。(株)ナイスも微力ながら一翼を担いたい。
7.さて、橋下市長は「改革」を掲げたが、纏め上げる柔らかさに欠けているみたいだ。だけど、「橋下さえいなくなれば」なんて後戻りはもっと悪い。橋下改革を引き継いでいける新しいリーダーの登場に期待したい、ボクはそう思う。合言葉は「市長交代、改革続行」で、老体に鞭打って選挙は一生懸命やる。
(株)ナイス代表取締役冨田一幸

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