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月刊なび162号より どんな附帯決議がつくのかな
 投稿日時: 2020/07/31
 コロナ禍があっても大阪都構想の法定協議会は予定通り進行し、6月19日に賛成多数で協定書案を可決、府議会は8月28日、大阪市議会は9月3日を目途に議決し、11月1日には住民投票が実施される。松井市長は、両議会議決の前にコロナ第2波の状況を見て、住民投票実施を最終判断すると明言している。
 賛否はともかく、合区一つでも至難だったのに、大阪市を大阪府に吸収合併するという大改革案(暴論と言う人もいる)を二度も住民投票に持ち込んだ知事・市長の手腕は、見事だとしか言いようがない。しかも、コロナ禍という難問にも揺るがないのだから潔い。
 しかし、だ。だからこそ、知事・市長はこれから3ヶ月間、苦悶の日々を過ごされることにもなる。5年前の、賛成が僅差で反対を上回ると予測された住民投票は、蓋を開ければ僅差の逆転だったからだ。直近の世論調査(6月28・29日付『日経新聞』等)では、賛成49%・反対35%と予想以上に差が開いたかに見える。しかし、これは流動する。大阪市の廃止を市民自ら決するのは、とても高いハードルだからだ。ましてやコロナ禍だ、市民は揺れ動く。前回の住民投票の否決で橋下さんは引退されたが、同じ結果になれば、その後の言動からして松井市長も吉村知事も潔く身を処せられるのだう。
 大阪市民はホントに難しい歴史的な決断に立ち会うことになってしまった。知事・市長を権力者、無法者と断じている人は何の躊躇いもないだろうが、この10年の改革をそれなりに支持し共感しつつも、大阪市廃止にまでは想像力が及ばない市民は、躊躇い、苦悶されることだろう。打ち明けた話、ボクもその躊躇う市民の一人だ。
 ボクは、この拙稿でも、選挙で信を得た上に退路を断って臨もうとする知事・市長の改革提案に対して、「都構想の対案は廃案」「住民投票は何回もやるもんじゃない」なんて肩透かしのような態度は失礼だ、せっかくの改革案には対案を出して反対すべきだと書いてきた。だから、総合区への移行、大阪市を残したままの府市の限りない一元化が良いとも書いてきた。実際、法整備も整い、公明党が提案し、橋下市長(当時)も妥協され、都構想の総合区への軟着陸が実現しそうな時もあった。でも、そうならなかったから、もはや繰り言だ。
 さて、残る期待は、府・市議会の「附帯決議」だ。一つはコロナ禍への対応。一三五〇億円と推計される移行コストはこの状況下で見直しを迫られよう。二つは成長戦略の再検討。IR もカジノも万博もインバウンドも民営化も、修正を加えてバージョンアップすると決議して欲しい。三つは医療介護の再構築。コロナ禍で進行した脆弱さを検証して欲しい。四つは住民参加。議員定数や地域福祉圏域等に断続的な改革の道筋を示して欲しい。しっかりした議論を展開し、ちゃんとした附帯決議を残してくれることを期待する。その後に、いよいよ住民投票を迎えたい。ボクは無念さと躊躇いを感じながら、一票を投じることにする。

月刊なび161号より 静かな世論が格差に立ち向かった
 投稿日時: 2020/07/01
 コロナ補償を柱とした第二次補正予算案が可決されて国会は閉幕した。雇用政策及び中小企業支援に限定してみると、この短期間にいろいろ変動したが、厚労省も現場の要望に耳を傾けてくれ、野党も雇用新法を共同提案するなどして、現時点ではある程度満足できる制度設計になったのではないだろうか。
 雇用政策の柱である雇用調整助成金では金額と対象者が問題になった。当初は日額の上限を8330円としたが、橋下徹さんなどが大ブーイングし、15000円にまで引き上げられた。また、対象者が雇用保険加入者に限定されることが懸念され、随分世論が沸いた。結果、パートや学生アルバイトなどすべての企業内非正規労働者も支給対象となり、財源は雇用保険外で国庫から支出されることになった。さらに、申請や支払いは企業を通じて行うとされたので、申請を渋る企業が出るのでは、と懸念された。いわば日本の雇用政策の長年の課題だったが、政府はハローワークを通じて労働者が直接受給できるようにしてくれた。これは青天の霹靂だった。
 中小企業支援については、製造業よりサービス業に話題が集中したのは時代を映していたが、休業を求めておいて補償がないなんて言語道断との世論が沸いた。橋下さんなどは、永田町という一等地の議員事務所費を税金で賄っている国会議員には、休業のうえに高い家賃・地代がのしかかる民間の苦しみがわからないのだと舌鋒を極めた。結果、休業補償上限200万円給付を自治体が各々決断し、国も地方交付金で財源を担保した。家賃助成も詳細は未定だが上限600万円の補償が決まった。さらに、無利子無担保で上限6000万円の緊急融資が決まったのも晴天の霹靂で、これは活用できると思った。
 ボクは、ダイヤモンドプリンセス号の失敗やマスクの不人気、臨時給付金のゴタゴタなど、安倍首相が勢いをなくした結果、案外と現実的な政策に落ち着いたと思った。さらに、野党が雇用新法の共同提案など頑張ってくれた。提案者の一人に大阪選出の尾辻かな子さんもおられて良かったと思った。
 雇用保険未加入者にも休業補償するという今回の決定を、新聞などでは「みなし失業」と呼称したが、厳密には「みなし休業」だ。雇用保険法に基づく失業給付は、金額も対象も今回の休業補償には劣るので、まさに「みなし失業」給付への改善措置が求められる。野党共同の雇用新法案では失業前の8割給付が提案されている。さらに、職業訓練給付や生活保護の条件緩和も提案されている。野党には頑張って欲しいと期待する。
 緊急事態宣言のためにデモとか集会こそなかったが、「差別はダメだ、格差をなくせ、置き去りにするな」という世論が沸々と起こり、デモ以上の効果があったと感じた。橋下さんや吉村知事がやけに目立ったりもしたが、世論がうまく野党をまとめて、いい政策が実現したとも感じた。米国での黒人差別抗議の高まりも影響しているのかなぁとも感じた。
 吉村知事は注目度も高まり、都構想に弾みがついたと達観されてるかもしれないが、「静かな世論」はよく見ておられた方が良い。

月刊なび160号より 大阪モデルで守る2つの生命
 投稿日時: 2020/05/29
拙稿が人目に触れる6月にはコロナの緊急事態宣言も解除され、「大
阪モデル」で経済活動も復活しているものと期待している。しかし、コロナ禍には二次、三次があり、長期戦となるから、嵐の後の静けさは次の嵐の前でもある。
 吉村府知事は休業要請を段階的に緩和する「大阪モデル」ですっかり人気者になったが、ボクが共鳴したのは「医療か経済かではなく、どちらも生命を守るもので両立させる」こと
が出口戦略のコンセプトだと明快に示したことだった。だからこそ少し不安も感じた。不安の一つは、大阪モデルの3基準は果たして科学的かどうかということ、もう一つの不安は、経済と併走する社会政策をどれほど用意できるのかということ。ただ、吉村知事はどちらの生命の保障も府民に「見える化する」と断言したのは良かった。とすれば、科学性においては幅広い専門家の登用が重要で、どんな手腕を見せてくれるか期待する。もう一つの社会政策では、現場とどう向き合ってくれるかに注目する。この点では、大阪の社
会運動、市民活動も積極的に大阪モデル豊富化に寄与したいものだ。
 では、何を提案し実践するかだ。1つ目は生活保障で、大阪の歴代知事・市長は、稼働年齢者への有期生活保護制度を提案してきた。現行生活保護制度は社会保障の補完にとどまり、そのぶん捕捉率が極端に低く即効性に欠ける。それが生活保護をめぐる感情の軋轢さえ生じさせてきた。この際、急激な生活危機に対応して現場で生活支援する社会運動や市民活動にハンドルを持たせて、生活保護への誘導を奨励すべきだと提案したい。フードバンクやこども食堂や隣保館や社会福祉法人などの現場からのアウトリーチと自治体を繋げて欲しい。
 2つ目は、就労支援と産業支援の一体化だ。休業補償の上限を高くして手続きを簡素化し、無利子無担保の中小企業支援が整備されることを期待したい。失業した場合でも、失業給付に「みなし失業」が適用されることも期待される。経営サポートセンターやAダッシュワーク創造館等中間支援組織の支援力アップに社会投資し、生活相談と就労支援と経営サポートを連動させる手立てが求められる。
 3つ目は住宅支援だ。かってホームレス支援でもその即効性が評価された。働く母子家庭への家賃助成は念願であった。我が㈱ナイスなどの住宅供給者や不動産事業者の「社会住宅」事業も、自治体の政策を期待しながら家賃滞納、入居者の孤独、子ども達の教育環境支援等に取り組むことだ。4つ目は人権保障だ。今回のコロナ禍では「患者差別」「医療関係者差別」などへの反応は早かったし、DV 被害者への臨時給付金窓口も配慮されたのは良かった。しかし事は長期戦であり、地域における人権保障機能の整備が必要だ。現場の人権活動と自治体が提携するラインナップを市民に見える化することだと思う。
 臨時給付金の議論はひと段落し、社会運動や市民活動が奔走し、自治体がそれに整合性を持たせる大阪モデルの次のステージ、出番だ。

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