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兵庫県立大学経済学部教授 加藤恵正氏による第5回エルチャレセミナー基調講演
 投稿日時: 2008/03/27
2008年3月11日(火)に行われた第5回エルチャレセミナー基調講演のご報告をいたします。


中間労働市場と地域社会の再生
兵庫県立大学経済学部教授 加藤恵正氏

まずはじめに、私は現在大学で地域経済施策を研究していますが、1995年に阪神淡路大震災を機に、新しい仕組みがある事に気づきました。

今まで私を含むほとんどの経済学者は、市場が機能を停止した時には社会は後退するものだと、思っていたのですが、実際にはそうではなかった。

実は市場が機能を停止した時、深く割れたところに新しい仕組みが自然と、コインの裏表のような形で仕組みがあったということです。
この阪神淡路大震災をキッカケに、人間は支援しながら、助け合いながら社会を支えているということを目の当たりにしました。

この震災で全国や世界から130万人のボランティアが来てくれました、これは神戸の人口と同じくらいですが、この皆さんが市場に変わる形で地域社会や都市の経済を支えてくれたということが実態でした。これは大変なことでした。社会全体の仕組みをもう一度考えなければならない、というのが出発点でした。

しかしボランティアという大きな奉仕の精神も長続きはしないということを見てきました。
この中でイギリスでスタートしたコミュニティ・ビジネスという活動が動き始め、これが一気に全国に広がって行ったのです。

●はじめにINTOWORKとは
これはスコットランドの組織で、障害者の為の社会的企業として非常に大きな活動をしている団体です。そこではホテルを障害者の為のトレーニングの場として使っていました。ホテルには多様な仕事があり、その中でどんな仕事が向いているのかを見ていき、一般のホテルに就職を促していくということをしていました。そしてそのホテルは地域の皆様からも「良いホテル」として位置づけられていました。ホテル側もここが社会的企業度ということを一切公表しておらず、地域のトップクラスのホテルとして運営をしていました。
これはイギリスで中間労働市場の一つとして位置づけられていた。大きな役割を見ると個人の適正を見ながらあらゆる労働市場へつなげていくということをしていました。
その後、中間労働市場というのは政府でも使われていくようになりました。

●社会的経済の台頭
私達はもともと社会というものは2つの領域の仕組みの中で動いてるものと考えていた。ひとつは「市場」(マーケット)、もうひとつは「公共」という2つの領域でした。しかし阪神大震災で出てきたのがボランティアなどの第3の領域であった。
そしてこの第3の領域がこれからの社会に非常に大きな役割を持ち、これらが市場的なメカニズムを組み込みながら動き始めています。
このことを踏まえて、市場が失敗すると、政府がその役割を大きくしました、しかし、多様化し変化する地域や社会を支えるには政府・自治体の限界もあります。互酬・互恵型という仕組みを軸に形成される社会経済セクターは、QOL(クオリティーオブライフ=人々の生活を物質的な面から量的にのみとらえるのではなく、精神的な豊かさや満足度も含めて、質的にとらえる考え方。)を考える上で大変重要な視点です。
従来の働き方は単一だったのですが、社会的経済は働き方も多様化していることがわかります。有償・無償のボランティアの方もペイドワークの方と一緒に働いたりする。
(ICインディペンデント・コントラクター(IC=独立業務請負人)といい、個人で仕事する人なども)
こういったことから新しい領域というのは、働き方そのものにも多様化していくという風に捉える事が出来ます。

●ソーシャル・インクルージョン(社会的包摂)の定義とは
地域コミュニティ活動に、高齢者・障害者などすべての住民の参加・参画を得ることを指している。こうしたプロセスから、地域の再生や活性化を促し、コミュニティのQOLを確保・堅持することも可能となる。これは今まで地域活動に参加したり出来なかった人たちにも参加できる仕掛けを作ることが、地域の活性化につながるということをソーシャル・インクルージョンとして考えています。
ちなみに、ある研究グループが世界ではどんなことが幸せであるか、ということを調べたことがありました、その結果、幸せにはいくつかの答えが出ました。ひとつは健康であること、そしてもうひとつは仕事があるということでした。その仕事には2通りあります一つ目は生活の糧である仕事、もう一つは仕事を通じて社会的な関係をとっているということ、社会的な関係を通じて社会の中の存在だということを認識し続けるという、この二つのことが、幸せであることの重要な要素として位置づけられています。そして、第3番目の要素として地域の自治に参加するということが挙げられています、この項目はスイスなどでは重要な項目として挙げられています。そういったことからソーシャル・インクルージョンというのは、地域の生活活性化が大きな関係があると考えられます。
そして、こういった活動を支えるエンジンとして社会的企業が位置づけされています。

●コミュニティビジネスとは、コミュニティが設立・所有し、運営を行う経済組織で、コミュニティ・メンバーに対し仕事を提供することによって、地域の維持・発展を促そうとするものである。活動利益は、より多くの仕事の創出に振り向けられたり、地元に必要なサービス提供に使用される。
後にコミュニティ・ビジネスと言う言葉は、紆余曲折を得てソーシャル・エンタープライズ、社会的企業というように進化して行った。2002年、政府と社会的企業の強い連携、社会の問題を社会的企業が担い、重要な役割を果たしているということを政府が明確に位置づけた。

●社会的経済における「中間労働市場」
→中間労働市場とは何か
もともとは、長期失業者の滞留に悩む英国において、ペイドワークを行いながら職業訓練を含む教育を受けることによって、通常の労働市場での職業を得ることを促す仕組みとして政策的に実施されてきた。これには色々な形があり都市に対して行うこともある。
ここでは、こうした通常の労働市場に対して、もうひとつの「働き方」を組み込んだ社会的経済領域における労働市場として定義。これはコミュニティ・ビジネスのように新しく出来た領域にある種の価値観、あるいは社会全体の多様性や変化というように、2つの領域がもたなかった側面を組み込みながら変化し、働き方自身もフレキシブルに変化していった。

たとえば、阪神・淡路大震災の時、当時の課題として、企業・事業所の倒産による失業の拡大、ボランティアに加え、「賃金」がある社会的活動の必要性を痛感、当時は仮設住宅でのアルコール中毒が多発して、孤独死がずいぶんありました。しかし、極端に考えれば仮設住宅が無くても仕事があればアルコール中毒にならなかったのではないか?アルコール中毒にならざるをえなかった事情というのは、先ほども言ったように、やはり仕事というのは、地域の中だけではなく、社会的関係とも深く関わっているということを思いました。
もうひとつは社会全体として、団塊世代の退職を含め、地域・社会貢献型の「働き型」への需要が拡大。というところから従来の、画一的な「働き方」の限界にきているのではないか。

●被災地の復興のための中間労働市場
被災地に対して集中的に行われた緊急的な措置として、復興の事業そのものを被災により職を失った人を結びつける、という仕掛けを作ることをして緊急措置・雇用創出事業ということをしました。さらにその中から労働市場での雇用につなげたり、就業、生きがいというのは奇妙なのですが、もうひとつの新しい働き方、金銭だけではなく、生きがいを含めた働き方も出てきました。

そういったことから、中間労働市場とは(1)弱体化した都市労働市場を「正常な」労組同市場へ回帰させる中間的役割(2)再生の時間的推移の中で機能すること(3)失業者に幅広い選択肢を与えること(4)NPO、コミュニティ・ビジネスなど新たな主体との連携(5)政策推進エンジンとしてのパートナーシップ(6)戦略的パートナーシップの形成を(7)産業政策との連携(8)都市再生パッケージ・プログラムとの連携

では、イギリスで面白いと感じた事業をご紹介します。
FRC(Furniture Resource Centre)Liverpool
1.1988年にThe Church Urban Fundにより設立(保証有限会社)
2.主な活動は家具の回収・修復・販売というリサイクル事業
FRCの収入は、1994年度に約5千万円(1ポンド=190円で換算)であったが、2001年度に約14億円まで増大している
3.2001年度収入約14億円(うち助成金10%)余剰金(収入竏虫x出)約1億4千万円スタッフ104人(年平均:訪問時は150人)
4.助成金の割合の低下:自立組織へ
5.パートナー企業との連携
・同種の活動を展開するパートナー企業との連携
・CREATE:洗濯機・冷蔵庫・調理器具等のリサイクル(FRCグループが回収)
・The Dove Centre:木製家具のリサイクル(FRCグループが回収)
6.中間労働市場(Intermediate Labour Market)の提供
・2001年度、53名の長期失業者を訓練し、その60%が期間終了後に就業。
・訓練内容は、家具の回収・運搬などの物流、布・革張りなどの再生加工、販売。
・訓練費用は、EUのESF(European Social Fund)関連が45%をカバーしているが、残りの55%(約4千万円)は利益から。
7.スタッフへの機会提供
・世紀スタッフへの訓練メニューの提供
・毎月の給与明細と一緒に翌日の訓練メニューを配布しており、資格取得費用や大学の学費を全額負担している。

続いて
EngineShedEdinburgh
ここは学習障害のある人たちに実施研修をすることで、有償の職業への移行をスムーズにする手助けをしている。
1989年に設立、慈善団体を有す有限保証会社で年商は40万ポンド、資金調達はエジンバラ市議会から年商20万ポンドの助成金を受け、商取引による20万ポンドの所得。主要資産は保有せず、エジンバラ市議会より市場価格にて賃貸。
レストランの経営を行っており、実際のビジネスの場での研修をすることにより、研修受講者が自信と自己尊厳を持てるようにする。この団体は2003年にビルの構造改装を行うことで「再発足」し、現在では会議室、会議場、展示スペースを提供している。
カフェ、ベーカリー、ケータリングサービス、食品加工で就労している。研修者への研修期間は3年間で、地域の雇用主のもとでの実際の就労経験の場を持つ手助けや、資格、スキル、将来の雇用獲得の手助けをしている。
スタッフは有償の主要スタッフ、ボランティア、アルバイトの学生といった様々な人材をまとめて管理しなければならない。これは容易なことではなく、細かい配慮や理解と同様に、明確な企業としての価値観を共有する必要がある。

最後に中間労働市場形成のエンジン社会的企業への期待ですが、各領域に社会全体としての分配がうまく行っていない、新しい領域にお金が回っていく仕組みをきちっと作っていくのが重要である。

2003年にEnterprise for Communities:Proposal for a Community Interest Companyという提案があった。これはコミュニティや社会に対して企業的な活動をし、より活性化することによって様々な課題を解決することが可能ではないか?という提案がされ、2005年
CICができた、これは自らの利益や資産をコミュニティ等公益のために活用する社会的企業向けにデザインされた法人格で設立は比較的簡単でインタビューを行うのみ、会社としての柔軟性(上限つきで株式発行が可能)を有しつつ、地域や社会のための活動を指向する。ただし、税制の優遇措置がないので、現在、運営はきびしい状態である。
しかし、うまく行かなかったとても社会全体に仕掛けをし続けていくというのが重要ではないでしょうか?そうしなければ、新しい領域を作っていくことは出来ないと思う。


兵庫県立大学経済学部教授 加藤恵正さん
プロフィール:(かとうよしまさ)
 1952年、神戸市生まれ。
 慶応義塾大学経済学部、神戸商科大学大学院経済学研究科卒博士(経済学)

デューク更家のセミナー報告
 投稿日時: 2008/03/26
3月21日(金)
あのデューク更家が我が街に来ました!

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人権映画会を開催
 投稿日時: 2008/03/25
「不都合な事実」上映

地球を愛し、子ども達を愛するすべての人たちへ
環境について考え、実行する人でありたい

アメリカ前副大統領アル・ゴア氏(ノーベル平和賞受賞)が警告する地球崩壊の危機と人類滅亡の危機!

料金:入場無料
場所:西成人権文化センター
日時:3月28日(金)
   午後7時(6時30分受付)
申込:来所・TEL・FAX・はがき
住所:大阪市西成区中開3-1-24
TEL:06-6561-0007
FAX:06-6561-9154


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