第9話 西成生きがい学習センター

「西成のまちづくり100話」

西成生きがい学習センター

北津守地区のまちづくり構想の一つである「教育・文化ゾーン構想」として、津守西保育所の跡地を利用して「西成生涯学習センター」を開設しました。(1997.7.12)設立の目的は「技術を磨く、楽しく学ぶ、みんなで集う」ことであり、そのために4つの柱で取り組みを進めました。

第1の柱は、高齢者・障害者の生きがいと自立・就労活動の支援です。「高齢者生きがい労働事業団」の北津守地区の活動拠点として活用し、また、西成障害者会館で活動してきた「精神障害者小規模作業所・ポレポレ」の日常活動場として活用しました。

第2の柱は、「技術を磨く」分野を担う「西成クラフトセンター・あすなろ」の開設です。これはその道の専門家・プロが担当しながら、西成地区の特徴(皮革・製靴・骨粉づくりの街)を生かして新しい「仕事の創造」と人材養成を目指そうというものでした。窯業工房、木工工房、皮革・染色工房、デジタルアート工房を開設しました。

第3の柱は、津守児童館の関連事業を始め、地域の子供たちの活動支援です。

第4の柱は、北津守を中心に西成区民の生涯学習施設として活用してもらうことです。

とりわけ、西成区の地場産業であるレンダリング。その処理から出てくる牛骨灰に土や粘土を混合することにより、新しい焼き物、手づくりタイル「津守焼き」が生まれました。「津守焼き」は、生きがい労働事業団「西成陶工」に集まる地域の高齢者や障害者の人たちによって一枚一枚、手づくりで焼き上げられた地元西成ブランドのタイルです。

北津守公園の遊歩道をはじめ、まちかどホーム「すずらん」(特別養護老人ホーム)では、地元の高齢者や障害者の人たちと地域の子供たちが一緒になって、タイルに絵を描くなど、住民が主人公になった街づくりを実践しました。

「津守焼きタイル」の特徴は、骨灰の混合によって醸し出される温かみある質感と手作りならではの独特の風合いです。タイル自体に含まれる骨灰(リン酸カルシウム)が不純物の浄化、臭気吸収作用を促し、今や環境問題にもなっている酸性雨等が路面化に浸透する段階での、フィルター的役割を畑氏土を中生化させ、生態系の保護、活性化といった効果をも期待できるのです。また、低い熱反射率は路面温度を下げ地球温暖化防止にも役立っています。

 

資料:生きがい学習センター

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